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「ユーザー数」を理解する[第12回] [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 3.5

Googleアナリティクスは、非常に高度な分析ができる無料のアクセス解析ツールだ。無料の反面、正式なサポートサービスというものがないため、ユーザーは自分で情報を集めなくてはならない。Web担当者にとっては結構な手間だ。そこで本連載では、Web担当者の負担を軽減すべく、導入から、運用、活用まで、初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

前回から引き続き、主要な「ディメンション」や「指標」と、それらを見るレポート群について解説する。

今回は、「ユーザー数」を取り上げる。「ユーザー数」は、アクセス解析に慣れている人ほど誤解しがちな指標だ。知ってるつもりの人も、注意深く読み進めていただければと思う。

「ユーザー数」の定義は?

「ユーザー数」とは、指定した集計期間において、サイトへの訪問した人数から重複を除いた人数のことを意味する。これは、他のアクセス解析ツールでは「ユニークユーザー数」「ユニークビジター数」「ユニーク訪問者数」などと呼ばれていることもある。Googleアナリティクスでは、単に「ユーザー数」というのがいわゆる「ユニークユーザー数」を表しているので、アクセス解析に慣れている人ほど注意が必要だ。

日次ユーザー数の算出

たとえば、以下のように、1週間、毎日2人ずつの訪問があったとしよう。

Aさん Bさん Cさん Dさん Eさん Fさん Gさん Hさん 日次ユーザー数
5/28(月) 2
5/29(火) 2
5/30(水) 2
5/31(木) 2
6/1(金) 2
6/2(土) 2
6/3(日) 2

毎日訪問している人が1人いて(Aさん)、残り7名は毎日新しい人が訪問していた(Bさん~Hさん)。この場合、それぞれの日の日次ユーザー数は2人となる。

週次ユーザー数の算出

では、同じ状況で5/28(月)から6/3(日)までの1週間のユーザー数はどうなるだろうか?

単純計算すると2人×7日で14人となるが、これをそのままこの週のユーザー数とするわけにはいかない。ユーザー数を算出するには、重複人数がどれぐらいあるのかを割り出して、取り除く必要がある。

この場合、5/28(月)から6/3(日)までの1週間の集計においては、ユーザー数は8人(毎日訪問した1人 + 新規の7人)となる。

Aさん Bさん Cさん Dさん Eさん Fさん Gさん Hさん 週次ユーザー数
5/28(月) 8
5/29(火)
5/30(水)
5/31(木)
6/1(金)
6/2(土)
6/3(日)

これは、次のように考えるとわかりやすいだろう。

Aさん Bさん Cさん Dさん Eさん Fさん Gさん Hさん 合計
5/28~6/3の1週間に
一度でもサイトを訪問したか?
はい はい はい はい はい はい はい はい 8

このように、ユーザー数は、期間ごとの数字を合計することのできない指標でもある。ページビュー数や訪問数は日次のデータを足し上げると、週次のデータになったり月次のデータになったりするが、ユーザー数の場合、そうはいかない。

月次ユーザー数の算出

次に、上の表で月次のユーザー数を計算してみると、次のようになる(他の日にはアクセスがなかったと仮定する)。

Aさん Bさん Cさん Dさん Eさん Fさん Gさん Hさん 月次ユーザー数
5/28(月) 5
5/29(火)
5/30(水)
5/31(木)
6/1(金) 4
6/2(土)
6/3(日)

ご覧のように、月次のユーザー数も、日次のユーザー数の合計とは異なるデータとなる。まとめると、今回の例では、日次ユーザー数はどの日も2人、5/28~6/3の週次ユーザー数は8人、5月の月次ユーザー数は5人、6月の月次ユーザー数は4人となる。

日次ユーザー数 週次ユーザー数 月次ユーザー数
5/28(月) 2 8 5
5/29(火) 2
5/30(水) 2
5/31(木) 2
6/1(金) 2 4
6/2(土) 2
6/3(日) 2

通常のアクセス解析ツールだと、このユーザー数(ユニークユーザー数)は、基本的に、日次、週次、月次、四半期などで集計されており、任意の期間での集計はされないことが多い。しかし、Google アナリティクスでは、指定した任意の期間で集計できる。たとえば、1月1日から2月10日という集計期間を指定して表示させると、この41日間の重複を除く集計をしているようだ。

ユーザー数を確認できるGoogleアナリティクスのレポート

ユーザー数は、[ユーザー]>[サマリー]レポート(図1の青枠部分)など、各種レポートで確認することができる。

操作手順

  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする。
  2. 画面で左側にあるメニューで、[ユーザー]をクリックする。
  3. メニューが開くので、[サマリー]をクリックする(図1赤枠部分)。
図1:[ユーザー]>[サマリー]レポート
図1:[ユーザー]>[サマリー]レポート

ユーザー数は、アクセス解析においては基本中の基本の指標であるが、期間ごとのデータを単純合計できない。ユーザー数を見たい期間ごとに、いちいち期間を指定し直して算出する必要があるという点は、よく覚えておこう。

衣袋 宏美

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Digital Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

著書など:
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