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もしも、「ニッポンレンタカー」を解析するなら(前半)[第48回] [有名サイト、かってに解析!] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 5 分

誰もが知っている有名サイトをエキスパートレビューしながら、「もし、アクセス解析するなら」どのポイントに着目するかを第三者的な視点から解説。アクセス解析を用いてサイトの改善を行うための仮説構築力を身につけて、自社サイト、クライアントサイトをアクセス解析する際に役立ててほしい。

有名サイト、かってに解析!

毎週木曜9時は「かってに解析!」。だれもが知っている有名サイトをかってに取り上げ、「もしもアクセス解析をするならば、どこに目をつけるか?」という視点で、サイトの問題点やチェックポイントにあたりをつける方法を解説していく。今年もよろしくお願いします。

今回は「ニッポンレンタカー」を取り上げる。ニッポンレンタカーは、国内に車両数約33400台、営業拠点約912カ所を持つ、カーリース業界第3位の老舗。ちなみに、1位はトヨタレンタカー、2位はオリックスレンタカーである。以下、本稿において、カギかっこ付きで「ニッポンレンタカー」と書くときは、企業名ではなくサイト名を指す。他のサイト、企業も同様)。

筆者はカーリース業界の各企業やWebサイトが直面している課題や戦略・戦術を十分に理解しているわけではない。あくまでもどのような点に着目したらよいのかを重視して読んでいってほしい。

「ニッポンレンタカー」の閲覧シチュエーションを想定

今回のサイト利用シナリオは、所用で週末にレンタカーを使いたい人が、レンタカーを借りるというものだ。

誰が 所用で週末にレンタカーを利用予定の人
何の目的で レンタカーを借りる
具体的には オンラインでレンタカーの予約を行う

具体的には、ネットでレンタカー会社を検索し、価格などの情報を調べ、レンタカーの予約までを行う。

「ニッポンレンタカー」をエキスパートレビュー!

検索エンジンでは「レンタカー」で1位に表示される

まずは検索エンジンで、素直に「レンタカー」と検索してみる。「Google」でも「Yahoo! JAPAN」でも、「ニッポンレンタカー」が自然検索の第1位に表示される(図1図2の赤枠で囲んだ部分)。

図1:「Yahoo! JAPAN」で「レンタカー」と検索した結果画面
図2:「Google」で「レンタカー」と検索した結果画面

また、どちらの検索エンジンでも、見ていただくとお分かりのように、2012年1月初頭現在で、「トヨタレンタカー」や「日産レンタカー」といったメーカー系をはじめとしたレンタカー会社が数多く検索連動型広告の上位に表示されており(図1図2の青枠で囲んだ部分)、広告単価も高そうな激戦区と予想される。

もちろん、今回は自然検索の第1位に表示された「ニッポンレンタカー」を選択することにする。「Google」「Yahoo! JAPAN」どちらの検索エンジンの結果画面でも、リンク先は「ニッポンレンタカー」のトップページとなっている。

  • 「ニッポンレンタカー」のトップページを分析

「ニッポンレンタカー」をエキスパートレビュー!(続き)

トップページはもっとシンプルにした方がいい

「ニッポンレンタカー」のトップページは、以下の図3のようになっている。

図3:「ニッポンレンタカー」のトップページ

最上部にはグローバルナビゲーションがある。メニューは左から次のようになっている。

  • レンタカーを使う
  • NO.1 CLUB(個人・法人会員)
  • カーリース
  • 海外レンタカー
  • 旅のお役立ちガイド
  • よくあるご質問

このうち、最もニーズがあると思われる「レンタカーを使う」のサブメニューが、あらかじめ表示されている状態になっている。サブメニューは左から次のようになっている。

  • レンタカー予約/空車照会/料金照会
  • 営業所
  • 車種/料金
  • ご利用のご案内
  • 便利なサービス
  • キャンペーン/おトク情報
  • 引越デスク

今回サイトに訪れたのがちょうど年末年始の時期だったので、年末年始に伴う注記や、メインビジュアル部分のキャンペーン情報などが、ファーストビューの多くの部分を占めている(図3の赤枠で囲んだ部分)。

その下には、レンタカー予約の機能がある。「日付から探す」「営業所から探す」の2つ方法が提供されている(図3の青枠で囲んだ部分)。

右側には、「会員登録」や「ログイン」「資料請求」といった機能が提供されている(図3の緑枠で囲んだ部分)。

その下には「お電話でのご予約・お問い合わせ」「予約紹介/変更/取消」「車種・料金を調べる」へのリンク、その下には、「キャンペーン情報」や「便利なサービス」「新着情報」と続く縦に長いページの構成になっている。もしサイト訪問者の多くが、「予約」や「ログイン」といった行動をとっているのであれば、もっとページの構成をシンプルにして、よく使われる機能にアクセスしやすくした方がよいだろう

  • 「ニッポンレンタカー」のトップページから、会員登録ページへ

「ニッポンレンタカー」をエキスパートレビュー!(続き)

会員登録をトップページから行う

さて、この手のサイトでは、まず会員登録が事実上必須なので、あらかじめ会員登録をした上で、料金確認や予約をしていく流れで見ていくことにしよう。

会員登録のための機能はトップページに揃っている。トップページ(図3)を以下に再掲した。右側の緑枠で囲んだ「会員窓口」が、会員のための機能だ。

図3(再掲):「ニッポンレンタカー」のトップページ。右側に「会員窓口」がある(緑枠で囲んだ部分)

まず新規会員登録をしよう。右側にある「会員窓口」の「個人のお客さま」のカテゴリーのところにある[新規会員登録]ボタンをクリックすると、「SRM(個人会員)について」のページが表示される(図4)。

[新規ご入会]ボタンが絶妙に配置されている勧誘ページ

図4:「SRM(個人会員)について」のページ

今どきリアルでも入会手数料を取るサービスは少ないと思うが、ネット入会はもちろん無料ということで敷居は低い。

こちらも縦に長いページだが、どの位置にスクロールしても、オレンジ色の[新規ご入会へ]ボタンが必ず1つは表示されるようになっているデザインになっていて、迷うことがない

また、このボタンには「免許証を用意して簡単登録」というコメントが添えられている。次のページで何が必要になるのかを事前に知らせてくれているのは親切だ。このページでは、入会特典や、登録までのステップがわかりやすく書いてある。オレンジ色の[新規ご入会へ]ボタンをクリックする。

  • [新規ご入会へ]をクリックすると、会員規約ページへ
  • [同意します]ボタンの配置が気になった会員規約ページ
  • 住所の数字入力部分が全角数字だけというのはいただけない

「ニッポンレンタカー」をエキスパートレビュー!(続き)

[同意します]ボタンの配置が気になった会員規約ページ

このオレンジ色の[新規ご入会へ]ボタンをクリックすると、「NO.1CLUB スーパーレッドメンバー」会員規約のページに移動する(図5)。

図5:「会員規約のページ」の下部

このページでは、訪問者に規約を読んでもらって同意をもらうのだが、図5の赤枠で囲んだ部分のように、規約に[同意します][同意しません]のボタンは、規約を全部読ませた一番下にある。通常「次へ」のような操作は、左右にボタンがあるのなら右側に配置するようにするものだが、ここでは[同意します]のボタンは、逆の左側に配置されている

あえて漫然と右側をクリックして進まないように意図を持っているのかもしれないし、何も考えずに配置しているのかもしれないが、こういう通過儀礼のようなボタンで、ユーザーをわざわざ混乱させる必要もないと思うのだがどうだろう

[私は当規約に同意します]のボタンをクリックすると、「入会申し込みのページ」に移動する(図6)。

住所の数字入力部分が全角数字だけというのはいただけない

各項目にはそれぞれ入力例があり、文字も全体的に大きいため、必須項目自体はそれほど多くはないが、けっこう縦スクロールさせるページ構成になっている。任意の入力項目はなくして、もっとコンパクトにするともっとよいだろう。また住所の数字入力部分が全角数字しか受け付けないというのはいただけない

パスワードの設定ページは特に問題なし

必要項目を入力して[次へ]ボタン(図6の赤枠で囲んだ部分)をクリックすると、パスワードの設定ページに移動する(図7)。

図7:「パスワード設定」のページ

パスワードを設定して、右下の[次へ](図7の赤枠で囲んだ部分)をクリックすると、図8の「申込内容確認」ページに移動する。

申込内容確認ページで登録完了。会員切り替えは無視

図8:「申し込み内容確認」のページ

図8の「申し込み内容確認」ページの一番下にある[この内容で申し込む]ボタンをクリックすると、図9のような「登録完了」ページとなる。会員証が届くまではこの番号は控えておかなければいけない。

入会が済むとさっそく、このページの下部では、SRM PLUS CARDというものへの切り替えの紹介がある(図9の赤枠で囲んだ部分)が、ひとまずこれは無視する。会員登録はこれで完了だ。

図9:「登録完了」ページ

今回は新規会員登録が済んだところまでとする。次回は予約機能を使ってみよう。

◇◇◇

さて、この連載では、

  • Webサイトのオーナーか管理者の方からの「かってに解析」してほしいリクエスト
  • 「かってに解析」されたサイト運営者・管理者の方からの異論や反論

などを随時募集している。希望者は、(web-tan@impressrd.jp)までお寄せいただきたい。

衣袋教授の丸2日でアクセス解析を徹底的に学ぶ講座アクセス解析ゼミナール」を2012年1月19日と1月26日に開催します。主催はアクセス解析イニシアチブ。 → http://a2i.jp/activity/semi/10333

衣袋 宏美

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Web Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

著書など:
Web担当者Forumでの連載:
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