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Googleアナリティクスの新規プロファイルを作成する[第2回] [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 5 分

Googleアナリティクスは、非常に高度な分析ができる無料のアクセス解析ツールだ。無料の反面、正式なサポートサービスというものがないため、ユーザーは自分で情報を集めなくてはならない。Web担当者にとっては結構な手間だ。そこで本連載では、Web担当者の負担を軽減すべく、導入から、運用、活用まで、初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

前回、Googleアナリティクスで新規アカウントを作る方法を解説した。次に行うのが「プロファイル」の設定作業になる。今回は、Googleアナリティクスで、新たにプロファイルを作成する方法を解説する。

プロファイルとはレポートのこと

「プロファイル」の前に、まず「プロパティ」とは何かを知っておかなければならない。後でも説明するが、「プロパティ」というのは、データを収集する単位のことで、たとえば、1つのドメイン名(「web-tan.impress.co.jp」「ibukuro.blogspot.jp」など)が1つの「プロパティ」となる

前回、Googleアナリティクスの新規アカウントを作成した。ただアカウントを作っただけのつもりだったが、じつはその際、計測対象ドメイン名(前回の例では、ibukuro.blogspot.jp)を指定する「プロパティ」が作成されていたのだ。

これに対して、「プロファイル」というのは、その「プロパティ」で収集したデータをもとに作成されたレポート閲覧単位を意味する。アカウントの新規作成などによって計測を開始した際に、「新規プロパティ」が作成されると、自動的に、何の加工も施されていないデータを集計した「標準のプロファイル」が作成される。この「標準のプロファイル」で、ひと通り標準のレポートを見ることができる。

ただ、プロファイルの設定を少し追加することで、レポート画面で見ることのできるデータが増える。また、その際、データに多少の加工を施しておくと、レポートが目的別に見やすくなるので、アカウントを作ったときにすぐ、別のレポート(プロファイル)をいくつかあらかじめ作成しておくのがお薦めなのである。

図0:Googleアナリティクスの「プロパティ」と「プロファイル」の関係
Googleアナリティクスの「プロパティ」と「プロファイル」の関係

そこで必要なのが、プロファイルの新規設定や、設定画面での編集作業ということになる。設定画面については次回触れるとして、今回はその前段階としてプロファイルの新規設定を取り上げる。

先ほど「目的別にレポートを作ると見やすくなる」といったが、具体例をお話ししよう。たとえば、3か国語で作成しているWebサイトであれば、この3つの言語のページの閲覧データをあらかじめ分離しておく(つまり3つのプロファイルで別々にレポートを見る)のだ。言語別に担当者が分かれているのであれば、自分の担当だけのデータを簡単に見ることができるようになるわけだ。

なおプロファイルは、1つのGoogleアナリティクスのアカウントで50個まで設定できる。

といったところで、プロファイルの設定画面への移動方法を見てみよう。

プロファイルの設定画面へ移動する

Googleアナリティクスは階層構造がなかなかに複雑で、プロファイルの設定画面を開くのも初心者にとってはかなり敷居が高いかもしれない。プロファイルの設定画面へ移動する方法が、現在地の場所によって若干変化するからだ。ここではまったく新規にGoogle アナリティクスのアカウントを作成した場合の移動方法から説明する。

まずGoogle アナリティクスにログインすると、「アカウントホーム」(図1)という画面になる。下の図1は、新規にGoogle アナリティクスのアカウントを作成した直後のものだ。

図1:Googleアナリティクスの「アカウントホーム」画面
図1:Googleアナリティクスの「アカウントホーム」画面

まず右上の「アナリティクス設定」(図1赤枠部分)をクリックする。すると、Google アナリティクスの「アカウントの管理」画面が現れる(図2)。

図2:アカウントの管理画面
図2:アカウントの管理画面

この画面は「すべてのアカウント」を管理する画面だ。つまり、アカウントが複数ある場合は、ここに一覧表示される。今はまだ「衣袋のブログ」1つしかアカウントを作っていないので、それしか表示されていない。個別のアカウントの管理画面へ移動するには、ここに表示されているアカウント名(図2赤枠部分)をクリックして次へ進む。

すると、「衣袋のブログ」というアカウントの管理画面になる(図3)。

図3:「衣袋のブログ」という名前のアカウントの管理画面
図3:「衣袋のブログ」という名前のアカウントの管理画面

個別アカウントの管理画面を開くと、「プロパティ」タブ(図3青枠部分の一番左)が選択されている状態になっている。

「プロパティ」は「アカウント」の下の階層で、要するにこのアカウントで管理しているWebサイトのことだ。アカウント作成時に登録したWebサイトは「衣袋のブログ」1つだけなので、「プロパティ」名として、「衣袋のブログ」が1つだけ表示されている(図3緑枠部分)。

続いてプロパティ名「衣袋のブログ」(図3緑枠部分)をクリックして、プロパティの管理画面(図4)に移動する。

図4:「衣袋のブログ」という名前のプロパティ管理画面
図4:「衣袋のブログ」という名前のプロパティ管理画面

図4では、3つのタブ(赤枠部分)のうち、「プロファイル」タブが選択されている状態になっており、プロファイル名がまた自動的にアカウント名と同じ「衣袋のブログ」と命名されている(青枠部分)。

つまり、新規作成時には、「Google アナリティクスのアカウント」「プロパティ」「プロファイル」の3つのレベルで、同じ「衣袋のブログ」という名前がデフォルトで付けられているのだ。わかりにくいが、とりあえず今のところは我慢しよう。

  • 追加で新しいプロファイルを作成する

追加で新しいプロファイルを作成する

次はレポート閲覧単位であるプロファイルを編集していくのだが、お薦めなのは、最初にGoogle アナリティクスのアカウントを作成した際に自動的に作成されたプロファイルはそのまま残したまま、新しいプロファイルを作成して、そこで設定を加えていくことだ

その理由を知るには、「プロパティ」「プロファイル」の関係を理解しなければならない。「プロファイル」はレポート閲覧単位を意味するのだが、「プロパティ」はデータを収集する単位を意味する。

たとえば「プロパティ」は、ibukuro.blogspot.jpというサブドメイン配下全体の閲覧行動のデータを収集する単位であるのに対して、「プロファイル」は、その元データから、多少の加工処理を加えたデータをベースにレポートを作成するレポート画面の最小単位である。

つまり元データの塊が「プロパティ」、その元データから派生して作ったさまざまなレポート画面が「プロファイル」ということになる。

プロファイルでの設定詳細については次回くわしく解説するが、イメージしやすくするため具体例をあげよう。

たとえば、閲覧したURLに付与されていたパラメータなどがあった場合に、あるパラメータだけは元データから削除するような「フィルタ」を掛けることが可能だ。もし、この時にフィルタの記述を間違えて、残しておくべきパラメータを削除してしまったりした場合には取り返しがつかないわけだ。

そのため一番大元のデータは加工を施さずに残しておくのがよいのである。プロファイルの設定で大元のデータに加工を施して何か手違いでもあったら、もう元に戻せないので、大元のデータはそのまま手を付けず、新しいプロファイルを作成して、そこに処理を施すべきなのだ。

「Google アナリティクスのアカウント」「プロパティ」「プロファイル」の3つのレベルについての詳細は別項でまた触れるとして、ここでは新しいプロファイルを追加で1つ作っておこう。既存のプロパティの管理画面の右側にある「 + 新しいプロファイル」(図5赤枠部分)をクリックする。

図5:「衣袋のブログ」という名前のプロパティ管理画面
図5:「衣袋のブログ」という名前のプロパティ管理画面

すると図6のようなプロファイルの新規作成画面に移動する。

図6:プロファイルの新規作成画面
図6:プロファイルの新規作成画面

「プロファイル名」には「プロファイルA」と入力する(図7赤枠部分)。

「タイムゾーンの国または地域」は、プルダウンメニューから「日本」を選択(図7青枠部分)し、[プロファイルを作成](図7緑枠部分)をクリックする。

図7:プロファイルの新規作成画面にそれぞれ入力したところ
図7:プロファイルの新規作成画面にそれぞれ入力したところ

すると図8の画面に移動する。ここは「衣袋のブログ」という名前のプロパティ管理画面で、「プロファイルA」というプロファイルが選択されているところだ。図5では「衣袋のブログ」が選択されていたが、ここでは「プロファイルA」が選択されている。

プロファイル選択画面の下のタブは、まず「アセット」(図8青枠部分)が表示されている。これはその下の5つのカスタマイズを指定できるメニューだ。この各部分については、共通の機能や各種カスタマイズを解説するところで別途詳しく触れる。

図8:「衣袋のブログ」という名前のプロパティ管理画面
図8:「衣袋のブログ」という名前のプロパティ管理画面

なお、ここは「衣袋のブログ」という名前のプロパティ管理画面なので、その配下に所属する2つのプロファイルのもどちらかをプルダウンで選択できるようになっている。

図9:プロファイルはプルダウンから選択可能
図9 :プロファイルはプルダウンから選択可能

とりあえず、今回は新たにプロファイルを作るところまでを解説した。次回はプロファイルの設定を取り上げる予定だ。

衣袋 宏美

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Digital Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

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