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プロファイルの目標を設定する[第5回] [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 7 分

Googleアナリティクスは、非常に高度な分析ができる無料のアクセス解析ツールだ。無料の反面、正式なサポートサービスというものがないため、ユーザーは自分で情報を集めなくてはならない。Web担当者にとっては結構な手間だ。そこで本連載では、Web担当者の負担を軽減すべく、導入から、運用、活用まで、初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

今回も引き続き、Googleアナリティクスの導入に際しての設定を解説していく。これまでの4回で、アカウントの作成、プロファイルの作成、プロファイルの初期設定について解説してきた。

今回はいよいよ、プロファイルの中でもっとも重要である「プロファイルの目標」を設定する方法を取り上げる。

「目標」タブを開く

まずは、第2回 2ページ目の操作手順に従って、「プロファイルA」を開こう。

※読者の環境では別のプロファイル名かもしれないので、自分が作ったプロファイルを選ぼう。大元のデータを使うプロファイルではなく、データを加工して使うために作成した新しいプロファイルを開くこと(詳細は第2回を参照)。

「プロファイルA」のメニュータブは、左から「アセット」「目標」「ユーザー」「フィルタ」「プロファイル設定」と並んでいるが、このうち、左から2つ目の「目標」(図1赤枠部分)をクリックしたところが、下の図1だ。

図1:「プロファイルA」の情報編集画面
図1:「プロファイルA」の情報編集画面

「目標」タブには、「目標(セット1)」から「目標(セット4)」までが表示されている。それぞれに目標を5つ指定することができるので(図1緑枠部分)、合計20個の目標設定が可能ということだ

目標を設定するには「+目標」をクリックする。ここでは、一番上の「目標(セット1)」の「+目標」(図1青枠部分)をクリックしよう。すると、目標の設定画面になる(図2)。

図2:目標の設定画面
図2:目標の設定画面

青枠部分には、「問い合わせ」「資料請求」「購入完了」など、わかりやすい目標名を記入する。

この画面の「Goals(set1)」とは、「目標(セット1)」のことで、その後の「Goal1」は、「目標(セット1)」の中の1つ目の目標ということだ。Googleアナリティクスには、ところどころこうした用語や和訳の不統一箇所が散見される。徐々に修正されていくとは思うが、現時点では想像力(+英語力)で対応していこう。

ちなみに、赤枠部分の「目標」をクリックすると、図1の画面に戻る。

  • 目標タイプは4種類ある
  • 1. URLへのアクセス
  • 2. 訪問の滞在時間
  • 3. 訪問別ページビュー
  • 4. イベント

目標タイプは4種類ある

「目標名」を付けたら、次は「目標タイプ」を選ぶ。「目標タイプ」は、次の4つのタイプから選択できる(図2緑枠部分)。

  • URLへのアクセス
  • 訪問の滞在時間
  • 訪問別ページビュー
  • イベント
図2:目標の設定画面
図2(再掲):目標の設定画面
  • 「URLへのアクセス」では、指定したページへの訪問があるたびに、1回ずつ目標が達成されたとカウントされる。

  • 「訪問の滞在時間」では、指定した滞在時間を超える訪問があった場合に、1回目標を達成したとカウントされる。

  • 「訪問別ページビュー」は、1訪問あたりのページビュー数を意味しており、1訪問で指定した閲覧ページ数を超えた訪問があった場合に、1回目標を達成したとカウントされる。

  • 「イベント」は、「イベントトラッキング」というGoogleアナリティクスの仕組みを目標設定に利用するもので、いろいろなケースが考えられる。たとえば、PDFをダウンロードしたり、提携している外部サイトへの送客だったり、マウスオーバーのような行為を別途「イベント」として計測するように設定しておいて、特定のイベントが発生したときに目標としてカウントすることができる。

Googleアナリティクスが使えるようになった当初は、「URLへのアクセス」しかなかったが、その後、「訪問の滞在時間」や「訪問別ページビュー」も指定できるようになり、直近では「イベント」を指定できるようになった。

このように目標設定することで、レポート上で、設定した目標に対してのコンバージョン率や平均目標値(金額換算値)を確認できるようになる。

たとえば、図3は「すべてのトラフィック」のレポートだが、「目標セット1」を設定すると、「目標セット1」のタブ(図3赤枠部分)が表示されるようになる。

「目標セット2」にも設定した目標があれば、レポート上では図3の赤枠部分の「目標セット1」の右隣に「目標セット2」のタブが追加される。

図3:目標セットのタブ
図3:目標セットのタブ

この「目標セット1」タブを選択した場合、レポートの下方の一覧表形式のデータ部分には、「参照元/メディア」別に、「目標セット1」の平均コンバージョン率(図4赤枠部分)、平均目標値(図4青枠部分)、各目標別のコンバージョン率(図4緑枠部分)などが表示されるようになる。

図4:「目標セット1」のタブを選択したレポート画面
図4:「目標セット1」のタブを選択したレポート画面

なお、この目標設定は4セット各5つで合計20個設定できるが、上から順番に詰めて設定する必要はない。「目標セット1」は1個だけ目標設定し、次に「目標セット2」に3個設定しても問題ないし、それぞれの目標セットに1個ずつ目標を設定するのもアリだ。4セットあるので、似た目標をグルーピングしておくとよいだろう

それでは、4つの目標タイプ、「URLへのアクセス」「訪問の滞在時間」「訪問別ページビュー」「イベント」の詳しい指定のしかたを、順に説明していくことにしよう。

  • 「URLへのアクセス」を指定した場合の設定

「URLへのアクセス」を指定した場合の設定

最初は「URLへのアクセス」の指定のしかただ。目標タイプで「URLへのアクセス」を選択すると、設定画面が次のように変化し、「目標の詳細」と「目標達成プロセス」が表示される(図5)。

図5:「URLへのアクセス」設定画面
図5:「URLへのアクセス」設定画面

「目標の詳細」の設定のしかた

「目標URL」図5赤枠部分)には、たとえば、訪問者に資料請求をしてもらうことが目的のWebサイトであれば、「製品/サービスの資料請求を完了したページ」のURLを入力する。いわゆる「サンキューページ」のURLだ。

「マッチタイプ」は、プルダウンから「完全一致」「前方一致」「正規表現一致」の3種類を選択できる(図5青枠部分)。前方一致や正規表現一致が指定できるということは、ある1ページでなくページ群を指定できるということだ。

WebサーバーにWindowsサーバーを利用しているなどでURLの大文字/小文字が区別されるのであれば、「マッチタイプ」の下の「大文字と小文字を区別」にチェックを入れておこう。

「目標値」には、「目標1回達成」を金額に換算した値を入力する。目標を1回達成するごとに得られると期待される売上を入力するのだ(図5緑枠部分)。

ここは大切なので、もう少し詳しく説明しておこう。

たとえば、資料請求サイトの場合で考えてみよう。サイトを訪問して資料請求した人のうち、最終的に商談まで行って成約する確率が10%で、成約した場合の平均売上額が10万円だという経験値があったとする。この場合、資料請求1件あたりで期待できる売上額は、10万円×10%=1万円と計算できるので、「目標値」には「10000」と入力する。

もちろん、価値換算が難しいこともあると思うが、「目標セット」の中の目標設定が1つだけの場合は、とりあえず「1000」円など、何らかの数値を「目標値」に入力しておくことをお勧めする。なぜなら、この値を設定しておくと、各訪問の価値を集計する「平均目標値」という指標(図4青枠部分)が集計されるからだ。そうすれば、訪問別の価値を相対的に把握できる。

逆に、1つの「目標セット」に複数の目標が設定されている場合は、適当な数字を入力するのはやめておいた方がよい。それぞれの「目標値」にいい加減な数字を入力しておくと、平均目標値はこれらの加重平均になるので、相対比較にも使えないデータになってしまう。使えるデータを作るには、ある程度正確な金額を入力しておく必要がある。

「目標達成プロセス」の設定のしかた

「目標到達プロセスを使用」のチェックボックスにチェックをすると(2つ下の画像図7赤枠部分)、目標到達プロセスの機能が有効になる。そうすると、目標に到達するまでの各段階で達成度が集計される。集計データは、「標準レポート」の左サイドバーに表示されているメニューから、「コンバージョン」>「目標」>「目標到達プロセス」(図6)を順にクリックすると表示されるレポート画面(図6)で確認できる。

図6:コンバージョン系のレポートメニューの「目標到達プロセス」の場所
図6:コンバージョン系のレポートメニューの「目標到達プロセス」の場所

たとえば、ユーザーからの問い合わせを目的とするWebサイトの場合で説明すると、問い合わせページ(目標URL)までにたどるページが2ステップあって、それぞれのページのURLが「/」→「/about」と遷移し、最後に「/contact」(目標URL)で目標達成となる場合の入力例は以下の通りだ。

URL 名前
ステップ1 / トップページ
ステップ2 /about 本サイトについて
図7:目標到達プロセスの設定画面
図7:目標到達プロセスの設定画面

このステップは最大10URLまで指定することができ、「+目標到達プロセスのステップ」(図7青枠部分)をクリックすると、入力可能なステップが最大10個まで出てくる

なお「必要な手順」図7緑枠部分)をチェックすると、ステップ1を経由した訪問だけに絞り込まれたデータが表示されるようになる。つまり途中のステップから入ってコンバージョン(目標URLに到達)した訪問はこの目標到達プロセスのレポートでは対象外となる。

実際の目標到達プロセスのレポート画面例が図8だ。左上のタイトルおよび一番下に「目標名」が表示される(図8赤枠部分)。ステップ1で記入した「名前」が「トップページ」(図8青枠部分)で、ステップ2で記入した「名前」が「本サイトについて」(図8緑枠部分)ということになる。

図8:目標到達プロセスのレポート表示例
図8:目標到達プロセスのレポート表示例
  • 「訪問の滞在時間」を指定した場合の設定
  • 「訪問別ページビュー」を指定した場合の設定
  • 「イベント」を指定した場合の設定

「訪問の滞在時間」を指定した場合の設定

次は目標タイプが「訪問の滞在時間」の場合だ。「訪問の滞在時間」を選択すると(図9赤枠部分)、「目標の詳細」が表示される(図9)。

条件のプルダウンは「超える」「未満」のどちらかから選択し、あとは「時間」「分」「秒」の項目にそれぞれ値を入力する(図9青枠部分)。

たとえば「滞在時間が2分を超える訪問に1,000円の価値を設定したい場合」は、「超える」「0」「2」「0」として、オプションの「目標値」は1000と入力する。

図9:「訪問の滞在時間」設定画面
図9:「訪問の滞在時間」設定画面

「訪問別ページビュー」を指定した場合の設定

次は目標タイプが「訪問別ページビュー」の場合だ。「訪問別ページビュー」とは、1訪問あたりの閲覧ページ数を意味する。訪問別ページビューを選択すると(図10赤枠部分)、図10のような設定画面になる。

図10:「訪問別ページビュー」設定画面
図10:「訪問別ページビュー」設定画面

「条件」のプルダウンは「超える」「等しい」「未満」の3つから選択できる(図10青枠部分)。たとえば「10ページを超える閲覧があった訪問に対して1,000円の価値を付与する」ような目標設定としたい場合は、「条件」「表示されたページ数」「目標値」を順に、「超える」「10」「1000」と入力する。

「イベント」を指定した場合の設定

最後は目標タイプが「イベント」の場合だ。「イベント」を選択すると(図11赤枠部分)、図11のような画面になる。

「イベント」を利用するには、トラッキングコードをカスタマイズしてイベントトラッキングを行っていることが前提になる。イベントトラッキングについては別項で詳しく解説するが、そこで付与される変数である、「カテゴリ」「アクション」「ラベル」「値」から目標を指定できる。

図11:「イベント」設定画面
図11:「イベント」設定画面

「カテゴリ」「アクション」「ラベル」のプルダウンでは、「先頭が一致」「等しい」「一致」の3つから選択できる。恐らく意味合いとしては、それぞれ前方一致、完全一致、部分一致だと思われる。一番下の「値」のプルダウンでは、「上回る」「未満」「等しい」の3つから選択できる。各変数の右側の入力ボックスは、各変数の値を入れる(図11青枠部分)。

「目標値」は、「実際のイベント値を使用する」か「定数値を使用する」かのどちらかを選択できる。「実際のイベント値を使用する」場合は、イベント発生時にトラッキングコードに付与されている数字を入力し、「定数値を使用する」場合は、固定の金額をその横の入力ボックスに入力することになる(図11緑枠部分)。

紹介した4つの目標タイプから1つを選んで、詳細を入力すれば、1つの目標設定は完了となる。よくばって最初から一度にたくさん設定する必要はない。とりあえず、一番重要で、絶対に欠かせない目標を1つ設定しておき、運用しながら様子を見て、徐々に必要になったら、目標を追加していけばいいだろう。

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衣袋 宏美

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Digital Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

著書など:
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