この記事では、一般消費者1万人と企業400社への調査データから、日本のソーシャルメディアの利用実態を明らかにした、書籍『ソーシャルメディア白書2012』のなかから、Web担の読者向けに注目データをピックアップし、全9回にわたってお届けします。
- 若い女性の利用も進むTwitterとFacebook
- 性・年代間で大きく異なる利用のきっかけ
- ユーザーと企業とのコミュニケーションは発展途上
若い女性の利用も進むTwitterとFacebook
インターネットユーザーのTwitter利用率を性・年代別で比較すると、男女ともに若い年代ほど利用率が高いことがわかります。また、若年層では女性の利用率が男性を上回っており、10代女性では60%弱がTwitterを利用しています(図1)。
Facebookの利用率を性・年代別で比較すると、10代では女性の利用率が男性を上回っていることがわかります。しかしながら、Facebookの利用率はTwitterと比べ全体的にまだ低く、最も利用率の高い20代男性でも25.5%にとどまりました(図2)。
Twitterユーザーのうち、他のソーシャルメディアを重複利用しているユーザーの割合を見ると、Twitterユーザーの60%以上がBlogも利用しており、両サービスの親和性の高さがうかがえました。また、Twitterと同様に女性若年層の利用率が高いmixiについてもTwitterユーザーの50%以上が利用しています(図3)。
一方で、Facebookユーザーについて他のソーシャルメディアとの重複利用状況を見ると、Facebookユーザーの半数以上がBlog、Twitter、mixiのいずれか(あるいは複数)を利用していることがわかります。中でもTwitterはFacebookユーザーの68.6%が利用しており、非常に高い割合となっています(図4)。
Twitterユーザーの利用デバイスを見ると、80%のユーザーが自宅のパソコンを使ってTwitterを利用していることがわかります(ただし、この調査はインターネット調査であり、自宅のパソコンで利用しているユーザーの割合が高くなりがちであることには注意が必要です)。それに対してフィーチャーフォンやスマートフォンなどのモバイルデバイスを利用しているユーザーは25%にも達しませんでした(図5)。
Facebookユーザーの利用デバイスについても、Twitterと同様に80%以上のユーザーが自宅のパソコンを使っていることがわかります(図6、Twitterと同じくインターネット調査であることに注意が必要です)。
また、モバイルデバイスを利用しているユーザーが25%にも満たないこともTwitterと同傾向にあります。ただし、スマートフォンでの利用がフィーチャーフォンでの利用を上回っている点は1つの特徴だといえます(Twitterでは両デバイスの利用率に差はなく、白書内で紹介しているmixiはFacebookとは逆にフィーチャーフォンでの利用がスマートフォンでの利用を上回りました)。
性・年代間で大きく異なる利用のきっかけ
Twitterユーザーに利用のきっかけを調査したところ、性・年代で大きく異なることがわかります(図7、図8)。若年層ほど友人経由での利用開始が多く、年代が高くなるほどテレビや雑誌、Webニュースなどメディアの影響を受けて利用を開始したユーザーの割合が高くなっています。男女間でも異なる傾向が見られ、男性はWebニュースの影響が大きく、女性は友人および芸能人や著名人の影響でTwitterの利用を開始したユーザーが多いことがわかります。
Facebookユーザーが利用を開始したきっかけも同じく男女で大きく異なっています(図9、図10)。男性は年代によっても傾向が異なっており、若年層では友人経由で利用を開始したユーザーの割合が高く、年代が高くなるほどメディアの影響を受けて利用を開始したユーザーの割合が高くなっています。一方で、女性は年代を問わず「友人がやっていて興味を持ったから」「友人に薦められたから」という友人経由のきっかけでFacebookの利用を開始したユーザーが多いことがわかります。
ユーザーと企業とのコミュニケーションは発展途上
Twitterユーザーの企業公式アカウントフォロー状況を見ると、66.2%のユーザーが企業公式アカウントをまったくフォローしていないことがわかります(図11)。
第6回でも紹介したように、フォローしている企業アカウント数は、Twitterの利用頻度が高いユーザーほど多くなり、1日に5回以上Twitterを利用している超アクティブユーザーでは約20%が4個以上のアカウントをフォローしています。
一方、4個以上の企業アカウントをフォローするユーザーは、週に1回以上Twitterを利用しているアクティブユーザーでは約10%に、週に1回以下の一般ユーザーにいたっては5%未満にまで下がることから、利用頻度の高いユーザーほど企業やブランドとのコミュニケーションに積極的であることがうかがえます。
それに対してFacebookユーザーの企業ページフォロー状況を見ると、企業ページをまったくフォローしていないユーザーはTwitterよりも約10ポイント高く75.9%に達することがわかります(図12)。
また、Twitterと同様、企業ページのフォロー数はFacebookの利用頻度が高いユーザーほど多くなり、1日に5回以上Facebookを利用している超アクティブユーザーのうち、4個以上のアカウントをフォローしているユーザーは12.3%となっています。
一方、4個以上の企業アカウントをフォローするユーザーは、週に1回以上Facebookを利用しているアクティブユーザーで5.5%に、週に1回以下の一般ユーザーにいたっては2.6%にまで下がります。
ソーシャルメディア白書2012からのデータ紹介、第7回は「Twitter、Facebookそれぞれのユーザーの利用実態」を比較しました。
TwitterとFacebookを利用するユーザーのサービス浸透度や企業とのコミュニケーション状況をみると、Facebookよりも早く注目を浴びたTwitterに一日の長があるようです。このようなTwitterがFacebookを先行するという現象は、世界的にも稀なケースですが、それだけTwitterが日本では受け入れられているといえるのではないでしょうか。
ただ現状では似たような形で利用されていることが多いTwitterとFacebookですが、利用のきっかけに「芸能人や著名人」の影響が挙がったTwitterと、友人が大きな影響力を発揮しているFacebookは利用方法が本質的には異なるサービスであり(Twitterは情報ネットワーク、Facebookはソーシャルネットワークを自称している)、今後はすみ分けが進んでいくものと思われます。
次回は「企業におけるソーシャルメディア活用の現状」についてご紹介していきます。
- 調査目的:一般消費者のSNS利用状況の把握
- 調査期間:2011年10月3日(月)~2011年10月10日(月)
- 調査手法:インターネット調査(クロス・マーケティング アンケートモニター)
- 調査対象:全国15~69歳までの男女
- サンプル数:10,715サンプル
10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | |
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 387 | 924 | 1089 | 938 | 1105 | 905 |
女性 | 370 | 886 | 1053 | 928 | 1141 | 989 |
日本では本格的なソーシャルメディアに関連したデータ集が圧倒的に不足しており、提案の現場では海外調査データや簡易的なウェブ調査などが多数引用されている状況である。そこで本書は、消費者や企業のソーシャルメディアの日本での利用実態を多様なデータとともに明らかにする。今後、ソーシャルコマース、ソーシャルCRM、ソーシャルゲームなど、さらにソーシャルメディアは存在感を増していくなか、本当に使えるデータを網羅する!
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- 内容カテゴリ:調査/リサーチ/統計
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オリジナル記事:TwitterとFacebook利用のきっかけ、若年層は友人、年代が高くなるほどメディアが影響 | ソーシャルメディア白書2012 ハイライト #7 [ソーシャルメディア白書2012 ハイライト] | Web担当者Forum
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