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広告はヤフーに純広出しておけばいいよね → 効果測定&最適化でROIが2倍に!/JRA-VANの事例 [広告効果測定の現場から] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 8.5
広告効果測定の現場から

以前は「広告の効果測定をする」という考えが社内になく、
「ネットのサービスなら、とりあえずヤフーに広告を出しておけばいい」という意識でした。

それがサイトリニューアル時にユーザー行動を知るために広告効果測定ツールを導入してからは、広告の出し方はガラリと変わりました

効果を見て最適化することで年間数千万円の広告費を削減しながらもコンバージョン数は維持できるようになったため、今ではなくてはならないツールになっています。

今回の広告効果測定事例
  • 対象サイトJRA-VAN(B2Cの競馬情報サービスサイト)
  • コンバージョン: オンラインサービスの登録
  • 年間広告予算: 数千万円
  • 利用広告: リスティング広告、バナー広告、アフィリエイト
  • 利用代理店数: 3社
  • 導入ツールウェブアンテナ(株式会社ビービット)

そう話すのは、JRAシステムサービス株式会社で競馬情報サイト「JRA-VAN」のネット広告を担当する井狩氏と大野氏。以前からネット広告に取り組んではいたものの、広告の効果測定は行っておらず、半信半疑の出稿もあったという。

その状況が変わったのは、JRA-VANのサイトリニューアルを機に広告効果測定ツールを導入してから。当初は、リニューアルに当たっての現状分析を目的に導入した広告効果測定ツールだったが、結果的に、ネットマーケティング全体の改善と最適化につながった。

広告効果測定ツールの導入で広告の考え方やサイト運営にどのような変化があったのかを伺った。

競馬ファンに向けて膨大なデータをオンラインで提供

「JRA-VAN」は、JRAの膨大な公式データが利用できることから多くの競馬ファンに利用されている。
http://jra-van.jp/

「JRA-VAN」は、JRAシステムサービスが運営する競馬情報サービスの総称だ。

JRA(日本中央競馬会)の子会社として、その膨大な公式データを一般の競馬ファンに向けて価値ある形の情報として提供したり、競馬データの新しい使い方を提案したりすることが、JRA-VANの使命です。

現在、PC、ケータイ(フィーチャーフォン)、スマートフォン(AndroidとiPhone)向けにサービスを提供しています。有料サービスから収益を得ており、これが事業の柱となっています」(大野氏)

サービスの利用者はもちろん競馬ファンで、30~40代の男性サラリーマンが中心だという。

ユーザーの新規獲得を目的にネット広告を展開

常に張り付いてチェックできるわけではないので、パッと見てわかるウェブアンテナは使いやすいです

大野 登 氏
大野 登 氏
JRAシステムサービス株式会社
VAN事業部 サービス企画課
開発係 テクニカルリーダー
Yahoo!スポーツの競馬カテゴリーページに表示されたJRA-VANのバナー広告。

JRAシステムサービスでは、サービスの新規ユーザーを増やすために広告を展開している。

広告費としてボリュームが多いのは、ポスターやテレビCMなど、タレントを使ったブランドイメージの向上を目的としたものです。ネット広告はその次によく利用していて、こちらはサービスを実際に利用するユーザーを集めることが目的となります。また、費用はかかっていませんが、競馬場で配布される冊子などにも広告を載せています」(大野氏)

ネット広告の広告予算は年間で数千万円。次のようなサービスを利用してネット広告を展開しているのだという。

  • Yahoo! JAPANの純広告
  • 検索連動型広告
    (Yahoo!リスティング広告 スポンサードサーチ)
  • コンテンツ連動型広告
    (Yahoo!リスティング広告 インタレストマッチ)
  • クロスリスティング

リスティング広告でGoogleアドワーズ広告を利用していないのは、Googleアドワーズ広告の規約では競馬が「ギャンブル」に該当するため広告を出稿できないからだ。

純広告では、G1レースの期間だけYahoo!スポーツの競馬カテゴリーを中心にバナー広告を出しています」(大野)

この他に、JRAが実施するキャンペーンサイトにバナーを掲載したり、PCやケータイサイトのお知らせ欄、メールマガジンに告知を載せたりすることで集客を図っている。

サイトのリニューアルにあたり
現状分析のために広告効果測定ツールを導入

広告効果測定ツール
導入前の課題
  • ウェブサイトに対するユーザーのニーズがわからない(リニューアルの課題)
  • 広告効果測定を行っていなかった

JRAシステムサービスが本格的にネット広告を展開するようになったのは、実は最近になってから。きっかけは、2009年秋のサイトリニューアルだった。

PC向けのYahoo!スポーツなどには昔から出稿していましたが、以前は広告の効果測定をするという考え自体が社内になく、『とりあえず、ネットサービスならYahoo!に広告を出しておけばいいかな』という意識でした

それが変わったのは2009年のサイトリニューアルです。そのリニューアルの理由も単に「時期が来たから」というものだったのですが、リニューアルの方針を検討するために、サイトの現状分析をしました。それによって、いろいろなことが見えてきたのです」(大野氏)

JRA-VANのウェブサイトリニューアルに当たり、

  • どのようなユーザーがサイトを利用しているのか
  • ユーザーはサイトに何を求めているのか
  • サイトの何を注目しているのか

といったこと把握するために、テストマーケティングとしてリスティング広告を行うことになったのだ。その際に導入したのが、株式会社ビービットが提供する広告効果測定ツール「ウェブアンテナ」だった。

広告効果測定ツールを利用することによって、実際のユーザーがサイトをどう利用しているのかがわかりました。カジュアルな競馬ファンももちろんいますが、サイトを訪れる人の8割はブランド検索によるものでした。つまり、JRA-VANのサービスを知っていてサイトを訪れているわけです。ですから現在のサイトでは、通常のトップページは既存利用者向けだと考えて誘導用のバナーなどは表に出さずにサービスを並べたつくりにして、広告経由のアクセスは別のランディングページで受けるようにしています」(大野氏)

ユーザーのニーズを知る」という目的で導入して成果を出したウェブアンテナだったが、同社ではその後「広告効果の測定と広告費の最適化」という目的にも大きく貢献していくことになる。

広告を出して、それが新規ユーザーの獲得にどれくらい貢献しているか。効果測定ツールによってそれが把握できるようになったことで、広告の出し方はガラリと変わりました。当然、予算にも関わってきますが、出稿先の見直しと効率を上げることで、無駄を削減することができました」(大野氏)

JRAシステムサービス株式会社の井狩圭介氏(左)と大野登氏(右)

広告費を削減しながらコンバージョン数を維持
広告効率は以前の倍に

JRAシステムサービスでは、ネット広告を代理店3社に依頼しているのだが、ウェブアンテナの代理店用アカウントの機能を使って、各代理店にもウェブアンテナを直接利用してもらっている。その結果、ツールをウェブアンテナに一本化することで、全体の効果測定と予算検討がしやすくなったのだという。

大きな動きがないかウェブアンテナを毎日確認していますし、会議の前など定期的に集計するといった使い方もしています

井狩 圭介 氏
井狩 圭介 氏
JRAシステムサービス株式会社
VAN事業部 管理課 管理係

広告費を検討する際に、その裏付けとなるデータが必要です。今まではできていなかった『会員獲得単価(CPA)がこれくらいだから、来年度はこれだけ上乗せしましょう』といった議論ができるようになったことは大きいです。

経営層が一番気にする数値がCPAですが、それがわかるようになったことで、『1年間でリクープできるならOK』といった判断がしやくなりました」(井狩氏)

ウェブアンテナの効果測定によって、投資に見合わない広告も把握できるようになる。費用対効果の低い広告出稿を削っていくことで広告費は最適化される。広告効果測定は、「無駄な広告費」を削ることにも貢献しているのだという。

4~5年前は、年間22~23戦ほどのG1シーズンほとんどで出稿していた純広告がありました。しかし、効果を調べながら出すべきタイミングでだけ出稿するようにしていったことで、年間数千万円の広告費を削減できました。決して純広告は効果がないというわけではありませんが、リスティング広告など他の広告と比較することで、適切な額に最適化していきました。

他にも、スポーツ新聞系の媒体からのコンバージョン数が、期待していたほどないこともわかりました。実は以前から効果に疑問を持っていましたが、それがデータで証明されたことは大きいですね。自信を持って判断できるようになりましたから」(井狩氏)

データを見ながら広告費を削減していったことでCPAは大きく下がったということだが、効率が良くなっても全体のコンバージョン数が減ってしまっては意味がない。全体のボリュームはどう変わったのだろうか。

「コンバージョン数は横ばいか微増です。広告費を減らしたことで全体の誘導数が減ったのは事実です。しかし、最適化によって見込み度合いの高いユーザーさんの比率が高くなったことや、ユーザー行動を理解したうえで行ったサイトリニューアルの効果によって、サイトに来てくれた人のコンバージョン率を高めることができたため、全体のコンバージョン数は増えたという状況です」(井狩氏)

JRA-VAN無料サービスのコンバージョン率は、サイトリニューアル前後で比較すると、1.5~2倍に上がったという。つまり、広告効率が1.5~2倍になったということだ。

  • サイト側に手を入れなくても実施できるA/Bテストを活用
  • さらにサービスの利用継続率も分析するように
  • もはや効果測定ツールなしの広告運用は考えられない
  • 今後はスマートフォン対応に注力

サイト側に手を入れなくても実施できるA/Bテストを活用

コンバージョン率の大幅な向上には、ウェブアンテナのA/Bテスト機能も貢献しているという。

ウェブアンテナには、複数のランディングページ(LP)を用意しておいてA/Bテストをする機能があり、これを使うと、サイト側には手を加えずにA/Bテストを実施できるので非常に便利です。広告のリンク先URLをウェブアンテナのものにするだけで振り分けてくれますし、もちろん効果も測ることができます。基本は3パターンのLPを用意して、最適化を続けています」(井狩氏)

一般的なA/Bテストのツールを利用するには、サイトにテスト用のスクリプトを埋め込まなければいけない。しかし、ウェブアンテナのA/Bテスト機能を使うと、ウェブアンテナ側でA/Bテストの設定をするだけでよいため、サイトを修正する工数が不要になる。忙しい担当者にはありがたいことだ。

さらにサービスの利用継続率も分析するように

最近では、単に広告からコンバージョンしたかどうかだけでなく、その後、継続してサービスを利用し続けてもらえているかも調べるようになっているのだという。

JRA-VANのサービス認知や誘導を目的として、毎年行っているイベントが競馬予想自慢コンテスト「JRA-VANの鉄人」だ。対象は一般ユーザーで、サイト内で「予想に役立つツール」としてJRA-VANのサービスを紹介している。その効果測定もウェブアンテナで行っている。

一般の競馬ファンが多く参加するイベント「JRA-VANの鉄人」
http://jvman.jp/

JRA-VANの鉄人の他にも、JRAとのタイアップで年に数回イベントを行います。そのときに誘導したユーザーと実際にサービスの登録をしたユーザーをひも付けて、利用継続率などを見ています

この作業は、Excelを使ってゴリゴリやるものなので、けっこう大変です。今のところは大きなイベントがあるときだけですが、おもしろいデータが取れることはわかっているので、楽にできる方法があればよいなと思っています。これは、ウェブアンテナを使っていくうえで今後の課題ですね」(大野氏)

もはや効果測定ツールなしの広告運用は考えられない

同社のウェブアンテナ利用にかかる費用は、オプション利用も含めて年間約250~300万円程度。このコストについてはどう考えているのかを聞いたところ、以前の状態に戻ることは考えられないのだという。

昔はそういうものだと思っていましたが、もう戻れません。効果測定をしなければ、広告効果の低い媒体も含めて出稿することになってしまい効率が悪くなりますから、成果を維持するためには広告費を増やさなければいけなくなります。そうなると、その負担がサービス利用料つまりお客さまにかかってしまったり、サービスの開発費が削減されたりといったことになってしまいます。かといってその状態で広告費を、増やさなければお客さまが減り、結果は同じことになります。

年間300万円という金額は決して安くはないですが、そこから得られている価値はそれ以上のものがあります。再びウェブアンテナなしの広告運用に戻ることは考えられません」(大野氏)

今後はスマートフォン対応に注力

現状では、JRA-VANのメディア別ユーザー比率は、だいたいPC=20%、ケータイ=80%、スマートフォン=1%ほどだということだ。ケータイは、iモード公式サイトを提供しており、競馬カテゴリーでは上位に表示されるため認知度も高い状態だというのだが、今後の展開としては、スマートフォンへの対応やサービス拡充に注力していくという。

スマートフォン版のYahoo!スポーツ競馬カテゴリー内で、アプリが紹介されている。

スマートフォン向けサービスとしては、iPhone版とAndroid版のアプリを提供しており、Yahoo!スポーツのスマートフォン版ページでは、おすすめアプリとして紹介してもらっています」(大野)

ケータイに関しては、公式サイトで上位に表示されるので、特別な広告施策は行っていません。ただ、アフィリエイトだけは、ネットとリアル(販売店などでのおすすめなど)両方で続けています。広告ではありませんが、他に集客として行っているのはモバイルSEOですね。

ケータイは、将来的にはスマートフォンへの移行で縮小していくと考えていますから、今後新たな広告展開を行う予定はありません」(井狩氏)

スマートフォンは、今のところまだはユーザーのボリュームは大きくありませんが、今後はケータイの受け皿として重要になってくるはずです。ケータイの公式サイトとは違って各社勝負になると思いますので、広告をきちんと活用して、その効果もしっかりと見ていく必要があると考えています」(大野氏)

広告効果測定ツール「WebAntenna(ウェブアンテナ)」
  • サービス名: WebAntenna(ウェブアンテナ)

  • 提供企業名: 株式会社ビービット

  • サービス提供形式: SaaS/ASP型

  • 価格: 月額費用3万円~50万円程度
    ※広告クリック回数とPV数に応じた従量課金
    ※ソーシャルメディアからの流入を分析する「全ての流入計測」やSEOのための「自然検索の計測」などの機能はオプションで月額5万円(他のオプション利用により割り引きあり)

  • 導入実績: 大手企業を中心に300社以上あり(ウェブアンテナ本体)
    ※ウェブアンテナサイトの「導入の実績」ページを参照

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