SEOエキスパートがロンドンで語ったTIPS×26
内容充実の海外カンファレンスからのSEO情報 (Wordtracker)
「SMX London」という検索エンジンマーケティングのカンファレンスが、5月の15日・16日に英ロンドンで開かれた。
筆者もこのイベントに参加していたのだが、ここでのスピーカーたちのプレゼンテーションから抽出した213個の重要点を、Wordtrackerブログが記事にしている。そのなかからSEOジャンルの25個を抜き出して紹介する。
ブランドは計り知れないSEOパワーを有している。
英グーグル(Google.co.uk)の検索結果を調査すると1位はソーシャルシグナルで占有されている(ただしGoogle+はまだ信用できない)。
検索結果での「直帰率」「クリック率」「サイトでの滞在時間」は、すべて測定されている。
3行のサイトリンクでは平均して40%、1行のサイトリンクでは17%のCTRの上昇が見られた。
バックリンクは依然として主要なランキング要因。しかし質が重要。
ソーシャルメディアシグナルを測定する ―― 自分の会社を有名にしてもらうようにユーザーを動気づけること。
ブランドを確立して、だれにでもすぐに分かる製品を持つこと。
グーグルは、ユーザーにとってベストなサイトを上位表示させたいのであって、最も上手にSEOができているサイトを上位表示させたいわけではない。
どのサイトが多くの直接のトラフィックを得ているかをグーグルは知りたがっている ―― そのようなサイトを検索結果で見ることをユーザーは期待しているから。
リンクのプロファイルには気をつける ―― ターゲットにしたキーワードと同様にブランド名も使うこと。
データを取得できるうちに来訪検索キーワードを調べておくこと。また、Googleアナリティクスで目標を設定して計測する(まだしていないなら今すぐに目標を設定すること)。
キーワードの順位を計測する ―― 数字を出して証明できれば予算を獲得できる。
コントロール可能なものはコントロールして、計測できるものは計測する。
クライアントや上司とはすべてを共有する。透明性が大切。
力の入った記事はうまくいく ―― 1000~2000ワード、高い品質、細部まで深く調査した資料、毎週発行。
力の入った記事はグーグルが求めているもので、ユーザーにとってとても役に立ち、リンクを集め、ソーシャルでいっそう効果的。
直帰率・訪問・滞在時間が悪いページを特定してインデックスから外すといい(noindexタグかrobots.txtでブロック)。
microdataは、実装は簡単ではないが、正しくやれば大きな成果が手に入る。
オーガニック検索結果の45%はパーソナライズされている。
ソーシャルメディアと検索意図は、リンクと内的要因よりも大きなランキング要因になるだろう。
英語やスペイン語、フランス語には1種類しかないと思い込んではいけない。地域の人が使う用語や俗語を見つけなければならない。
schema.orgのmicroformatsをコンテンツに組み込むのは開発者がやるような(難しい)仕事ではない。それほど複雑ではない。
著者情報 ―― コンテンツをGoogle+のプロフィールにリンクして、実装が正しいかチェックしあとはGooglebotがクロールするのを待つ。
著者情報リンクは著者のページに対して張ること(パブリッシャーのページに対してではない)。
リッチスニペット用のマークアップをした場合、正しく完全に実装されているか確認しておくこと。多くのウェブマスターが間違えている。
関係のあるリッチスニペットだけを使う。明確かつ誤解を招かないものにすること。
それぞれ要点を示しているだけだが、いずれも意識しておくと役に立ちそうだ。数が多いが、それぞれ読んで考えてみてほしい。
日本語で読めるSEO/SEM情報
クリック率とコンバージョン率を向上させるtitleタグの付け方9つの秘訣
titleタグの目的は上位表示だけではない (チェック8割作業は2割)
titleタグは検索順位に左右する比較的重要なランキング指標だ。さらに、検索結果でのクリック率やアクセスした後のコンバージョン率にも大きく影響を与えるものだ。
クリック率やコンバージョン率を向上させるためのtitleタグの作り方のコツを9個、こちらの記事では解説している。
- 全角30文字以内で記述する
- メリットを与えるキーワードを含める
- タイトルタグは限界まで長く
- 検索キーワードを含める
- ブランド名を含める
- 記号を使う
- コンバージョン率を意識する
- ユーザーの問題を解決する
- データを集めて改善
具体的のどのようにするかはピックアップした記事を読んでいただきたい。
SEOの専門家から見たHTML5とSEOの関係
今の段階ではSEOのメリットはなさそうだけれど (SEO辻正浩のブログ)
フリーのSEOコンサルタントとして活躍している辻正浩氏(しばらく前までは大手SEM企業勤務)が、HTML5をテーマにしたパネルディスカッションで語ったことをブログにまとめた。
SEOの観点から考察したHTML5を、辻氏は次のように分析している。
- 現状ではHTML5の新規要素はSEOにプラスもマイナスもない
- リッチスニペット観点では重要
- HTML5はSEO観点でのリスクもある
HTML5には「article」「nav」「aside」といった要素が追加されており、「その部分がページのなかでどういった位置づけのコンテンツか」を示すことができる。そういったセマンティック的な要素から「HTML5はSEOに効果がある」という論調もあるのだが、実際のところ、現時点ではHTML5によるSEO的なアドバンテージはなさそうだ。
しかしHTML5で記述することで、ページに書かれている情報を検索エンジンが今後より的確に理解してくれる可能性は考えられる。
またSEOを抜きにしてもHTML5で実装できる仕組みがたくさんある。未対応のブラウザも存在しているが、将来的な見地に立てば新規のサイト構築やリニューアルのタイミングでのHTML5の採用には検討の余地が十分あるだろう。
普及率は1年で3倍以上に! スマホ対応サイトはもはや必須か?
ローカルビジネスのウェブ担当者は特に意識せよ (Google Japan Blog)
グーグルは、世界のスマートフォン利用に関する大規模調査の2012年版を公開した(ちなみにブログ記事文中からのリンクはおかしくなっており、本当の飛び先はOur Mobile Planetだ)。
調査結果のなかで特に注目したいのは次の利用動向だ。
- スマートフォン普及率が昨年の6%から、約3倍の20%に増加
- スマートフォンからのSNSへのアクセスは、2011年の58%から63%に増加
- スマートフォン利用者の10人に9人が、ローカル検索を使ってレストランや周辺のお店等の地域情報を検索しており、そのうちのおよそ4 割が実際に「お店を訪問した」と回答
スマートフォンの普及をデータが如実に物語っている。飲食店など業界によってはスマートフォンに対応したサイト作りが急務になっていると言えそうだ。
サイトではデータを自由に閲覧できるが、あらかじめまとめられた国別データが用意されているので、まずはその日本語版PDFを見てみるのがいいだろう。ちなみに調査概要はこちらから確認できる。
画像検索でも上位表示を狙うために
画像検索からのトラフィックも気にかけてみよう (Google ウェブマスター向け公式ブログ)
画像検索の基本を解説した「画像検索についての A to Z」という記事が日本版のウェブマスター向け公式ブログで公開された。このコーナーで前回ピックアップした海外記事の日本語訳になる。
重要点のみを紹介しただけだったので、画像検索に興味があるなら全訳の公式記事を読んでほしい。CDNの利用やセーフセーフサーチについての情報も載っている。
えぇーっ! FirefoxまでSSL化ですか!?
そのうちキーワード分析ができなくなってしまうのでは (Mozilla Japan ブログ)
来月ベータ版が公開されるFirefoxの次々期バージョンで、グーグル検索がデフォルトでSSL化される。Firefoxの検索バーとロケーションバー、右クリックメニューから検索を実行したときのグーグル検索が、すべてSSL検索となるのだ。
現在は、グーグルアカウントにログインした状態でグーグル検索のホームページから検索するとSSL検索になる。しかし、近いうちにFirefoxを使っているユーザーはグーグルアカウントのログイン状態に関係なく、Firefoxに内蔵されている機能を通じてグーグル検索を実行するとSSL検索になるのだ。
これがウェブ担当者にとって何を意味するかというと、グーグルのウェブ検索からの検索キーワードを取得できないトラフィックがさらに増えることが予想されるのだ。Googleアナリティクスで言えば、多くのサイトで(not provided)が一段と増加することになる。
ユーザーの立場からするとプライバシーが守られるのは好ましいことだ。しかしウェブ担当者の立場からすると頭の痛い問題が悪化しそうだ。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
ショッピングカートの最適化とグーグルが4月に実行した改良についての記事を今週はピックアップ。
-
ECサイト運営者のためのショッピングカート最適化 ~ トマト栽培キット通販サイトを勝手に分析
実例をもとに診断 -
Googleが4月に実行した検索品質改善は52個 ~ フレッシュネス・アルゴリズム改善、メガサイトリンク改良、スペルミス修正など
細かな改良が盛りだくさん
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
title属性にキーワードを詰め込んでインデックス削除
ペンギンに見つかってペナルティ? (Google Webmaster Central Forum)
グーグル検索のインデックスから削除されたサイトのウェブ担当者が、グーグルの英語版ウェブマスター向け公式ヘルプフォーラムで原因を尋ねた。
インデックス削除の原因としてグーグル社員のジョン・ミューラー氏が指摘したのは、たくさんのキーワードがtitle属性として書かれていることだった。ページのタイトル(title要素)ではなく画像やリンクのtitle属性は、ほとんどのブラウザでは標準状態では表示されない部分のため、不適切なキーワード埋め込みだと認識された可能性がある。
title属性を乱用するとペンギン・アップデートでスパム判定を受けそうだという記事を以前に紹介した。このケースはインデックス削除なのでペンギン・アップデートには該当しなさそうだが、とにかくキーワードを詰め込んだり関係のないキーワードを隠したりする行為は絶対にやめよう。title属性だけでなく、alt属性やフッターにこっそりと置くSEOキーワードを狙ったテキストも同様だ。
A/Bスプリットテストは合法
ハッキングの原因にもクローキングにもならない (Hacker News)
サイトがハッキングされたとグーグルに判定されたサイト管理者が、ハッキングされたのはA/Bテストが原因に違いないと発言していた。これに対して、グーグルのマット・カッツ氏が完全否定するコメントを出した。
サイトがハッキングされたこととA/Bテストはまったく関係がない。A/Bテストは完璧に許容される手法だ。それどころかA/Bテストはとても役立つと僕はツイッターで勧めたくらいだ。
A/Bテストが理由でハッキングされるというのはどう考えてもおかしな話だ。
なおA/Bテストはユーザーを2つ(以上)のページに振り分けるので、人によって見るコンテンツが違うことからクローキングだと判定されてしまうことを心配するウェブ担当者もいるが、これは心配いらない。
グーグルはウェブサイトオプティマイザーというA/Bテスト用のツールを無料で提供している。ウェブサイトオプティマイザーのヘルプページには次のように明記されている。
Google は、ウェブサイト オプティマイザーなどの多変量テスト ツールの適正な使用をクローキングとはみなしません。
Googlebotを特別扱いしたりせず適切にテストしている限りは、クローキングだとみなされることはない。テストがクローキングと混同されないような注意点もヘルプには書いてあるのでA/Bテストを実行する際には事前によく読んでおこう。
サイトが消えたのは正規化ミスが原因だった
適切に正規化できていないのはトラブルの素 (Hacker News)
サイト名で検索してもトップに出て来なくなったサイト管理者に対して、グーグルのピエール・ファー氏が「正規化が正しく行われていない」ことを指摘した。
問題となったサイトには、
- http://www.example.com/
- https://www.example.com/
- https://example.com/
の3つのURLが存在していた(2つ目はhttps、3つ目はhttpsかつwwwなし)。「www」の有無とHTTPとHTTPSが組み合わさった正規化のためのリダイレクトが適切でなく、どれを代表のURLにするかのグーグルの判断がそのときどきで変わってしまっていたのだった。
「www」有無の正規化については、サイト側で未設定でもほとんどの場合グーグルは現在は自動で処理してくれるようになった。しかし他の要因が重なると混乱してしまうことがあるようだ。複数のURLで同じコンテンツを表示してしまう重複URLは301リダイレクトやrel="canonical"タグを使って確実に対処しておこう。
グーグルのペナルティは何日待てば解除されるのか
即日~90日 (WebmasterWorld)
手動ペナルティを受けたウェブ担当者にとって、ガイドライン違反の修正が認められた後いつになったらペナルティが解除されるのかは非常に気になるところだ。
WebmasterWorldのフォーラム管理者は次のように言っている。
ペナルティが解除されてから回復にかかる時間は、場合によってさまざまだ。違反がどれくらい深刻だとグーグルがみなしていたかと、そのサイトのそれまでの歴史に依存する。
瞬時に戻った例もあったし、90日かかった例もあった。90日以上かかる例もあると聞いている。
ペナルティ通知には期間が明記されていることもあるが、書かれていない場合も多い。ペナルティが解除されたあとは今か今かと不安な気持ちで待つしかないのだろう。
SEO Japanの
掲載記事からピックアップ
SMX Londonカンファレンスでの米グーグル検索品質チームのトップの基調講演とGoogle.comで始まった“Knowledge Graph”という名称の新しい検索サービスの解説を今週はピックアップ。
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Googleの検索マスター、アミット・シンガル氏への生中継インタビュー
筆者は生で聴きました -
Googleの“ナレッジグラフ”を徹底解剖
本格的なセマンティック検索の幕開け
- 内容カテゴリ:SEO
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