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「ROAS」「CPA」「ROI」を理解してリスティング広告の正しい効果測定を [スポンサードサーチ再入門] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 5 分
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お金をかけて広告を出す目的は、最終的にそれ以上のメリットを得ることだ。クリック課金型のスポンサードサーチ®では、コストやコンバージョンを把握できるが、さらにビジネス全体での成果を正しく測るには、CPA、ROAS、ROIの理解が必要となる。さらに最近では、直接コンバージョンだけでなく、間接効果も考慮するアトリビューションという考え方も重要になっている。3つの指標とアトリビューションについて解説しよう。

広告の評価はかかったコストと実際の利益から

広告は、その目的(目標)と実際の効果を照らし合わせて評価される。一般的には、広告費(費用)とそれによって得られた売上や利益(効果)のバランスが指標となる。特にクリック課金型のスポンサードサーチでは、効果が詳細な数字として示されるので、正確に評価しやすい広告だ。逆に効果測定を行わないことは、そのメリットを半分しか活かせていないともいえる。

さて、その評価の方法だが、原則は「かけた広告費(とそれによるコンバージョン)を上回る利益が出たか?」が基準となる。いくらコンバージョン数を増やしたところで、商品やサービスの売上から得られる利益を広告費用が上回ってしまうと意味がない。

たとえば、単価が1000円で利益率が3割(300円)の商品があるとする。この商品を販売するための広告コストが300円だとしたら、利益はゼロになってしまう。さらに、300円以上かかるようだと、コンバージョンが増えるほど赤字が拡大することになる。

コンバージョンは、広告運用においては重要な指標ではあるが、ビジネス全体の成功を判断するには、「コンバージョンと広告コスト」「売上と利益」という視点も必要となる。

費用対効果を測る2つの指標――CPAとROAS

広告の費用対効果を測るための指標として、「CPA」(Cost Per Acquisition:コスト パー アクイジション)と「ROAS」(Return On Advertising Spend:リターン オン アドバタイジング スペンド)がある。

  • CPAは、「1コンバージョンあたりのコスト」のことで、コンバージョンの獲得単価を示す。この数値が低いほど、費用対効果の高い広告だといえる。次のように計算する。

    CPA=コスト÷コンバージョン数

    ※コスト=クリック数×平均CPC

    たとえば、月間10万円の広告費用をかけてスポンサードサーチを運用し、100件のコンバージョンが得られた場合のCPAは、「10万円÷100=1000円」となる。

  • もう1つのROASは、「投資した広告費用の回収率(何倍になって返ってきているか)」のことで、広告掲載料1円あたりの売上額を示す。この数値が高いほど、費用対効果が高くて効率的に広告が運用できているといえる。次のように計算する。

    ROAS=売上÷コスト×100(%)

    たとえば、売上が50万円で広告費用が10万円かかった場合のROASは、「50万円÷10万円×100=500%」となる。これは、広告掲載料1円あたり5円の売上だ。

CPAとROASの使い分け

CPAとROASは、それぞれの性質を踏まえながら、使い分ける必要がある。一般的には、ビジネスの内容によって、次の表のように使い分けるとよい。

CPA(Cost Per Acquisition) ROAS(Return On Advertising Spend)
用語の意味 コンバージョンの獲得単価 投資した広告費用の回収率、または広告掲載料金1円あたりの売上額
計算方法 コスト÷コンバージョン数 売上÷コスト×100(%)
適しているサイト 会員登録や資料請求などオンラインだけで購買活動が完結しないサイト(例:転職、不動産)
扱っている商品が1種類だけのサイト
複数の商品を同一価格で販売しているサイト
オンラインだけで購買活動が完結し、かつ価格帯の異なる多種多様な商品を販売しているサイト
適さないサイト 販売商品の価格帯がさまざまなサイト 会員登録や資料請求など実際の売上を測定できないサイト
表 CPAとROASの使い分け

スポンサードサーチの運用でも、これらの数値を参考にしながら、投資した広告費用に対してどれだけの売上や利益がもたらされたかを把握し、改善することが重要だ。

CPAが想定より高い場合は、コストを抑えるか、コンバージョン数を増加させる対策が必要となる。入札価格の見直し、予算設定の見直し、広告の品質の向上、リンク先URLとリンク先ページの見直しなどの対策を考えよう。CPA(クリック単価)については、以下の記事も参考にしてほしい。

ROASが低い場合は、売上をアップさせるか、コストを抑える必要がある。具体的な対策としては、コンバージョン率の向上、売上増に結び付くリンク先ページの構築、入札価格と予算設定の見直しなどが考えられる。

投資対効果を利益ベースで表すROI

CPAやROASに加えて、1クリックあたりの投資効果を利益ベースで表す指標が「ROI」(Return on Investment:リターン オン インベストメント)だ。ROIは、次のように計算する。

ROI=(コンバージョン数×平均利益単価-コスト)÷コスト×100(%)

たとえば、1000円の利幅が見込める商品が、スポンサードサーチ経由で300個販売でき、広告コストは10万円だったとする。この場合のROIは、「(300個×1000円-10万円)÷10万円×100=200%」となる。広告掲載料1円につき、2円の利益を生み出している計算だ。

ROASが1以上でもROIが1未満なら、利益はマイナスなので、ビジネスとしては失敗したことになる。

広告評価の新たな視点――アトリビューション

最近、広告評価で注目されているキーワードに「アトリビューション」がある。

アトリビューションとは、コンバージョンに至るまでの各アクションの貢献度を分析して評価すること。コンバージョン直前の広告だけでなく、何らかの効果を及ぼした広告すべてを把握することで、過剰な最適化を防ぎ、正しい広告費配分につなげるという目的がある。

たとえば、商品が印象に残ったバナー広告があり、クリックはしなかったが、その商品名を検索して購入まで至った場合、従来の考えではバナー広告は評価対象とならない。しかし、実際にはバナー広告は最初のきっかけを与えており、重要な役割を果たしている。再来訪時のコンバージョンも同じだ。

貢献した広告を正確に把握することは簡単ではないが、「間接効果」や「アシスト効果」として直接コンバージョン以外も測定できるツールが登場している。リスティング広告も含め、この考え方は広告における評価と最適化の考え方として主流になっていくだろう。

スポンサードサーチでROASを確認する方法

スポンサードサーチでROASを把握するには、広告管理ツールの「コンバージョン測定」が利用できる。

まず、広告管理ツールの「広告管理」タブ>「ツール」タブをクリックして、ツール一覧を表示する。「コンバージョン測定」リンク>「コンバージョン実績」タブをクリックすると、コンバージョンの実績が表示される。

コンバージョン測定画面
コンバージョン測定画面は、「広告管理」タブ>「ツール」タブ>「コンバージョン測定」リンクからアクセスできる

コンバージョン測定画面の「コンバージョン実績」タブでは、コンバージョン測定タグごとに「直近のコンバージョン発生日」「ユニークコンバージョン数」「総コンバージョン数」「合計売上金額」が確認できる。

コンバージョン実績画面
コンバージョン実績画面

なお、コンバージョン実績を利用するには、コンバージョン測定タグを作成し、ウェブサイトに設置しておく必要がある。未設定の場合は、以下の記事を参考に設定しておこう。

「合計売上金額」には、総コンバージョンによる売上金額の合計が表示される。この数値は、コンバージョン測定タグを作成する際に設定した「1コンバージョンあたりの売上金額」に、総コンバージョン数をかけたもの、つまり売上となる。

前述のように、ROASは「売上÷コスト×100」で計算するので、この合計売上金額をコスト(クリック数×平均CPC)で割ると、ROASが求められる。

ROAS=合計売上金額÷(クリック数×平均CPC)×100(%)

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