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ページビュー数とイベント数を理解する[第10回] [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 6 分

Googleアナリティクスは、非常に高度な分析ができる無料のアクセス解析ツールだ。無料の反面、正式なサポートサービスというものがないため、ユーザーは自分で情報を集めなくてはならない。Web担当者にとっては結構な手間だ。そこで本連載では、Web担当者の負担を軽減すべく、導入から、運用、活用まで、初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

今回から数回にわたって、主要な「ディメンション」や「指標」と、それらを見るレポート群について解説していく。

まずは「ページビュー数」と「イベント数」だ。

※ディメンションと指標については、「第9回 ディメンションと指標の違いを理解する」を参照のこと。

アクセス解析では当たり前に使われていて、いまさら解説の必要がないと思うような基本的な用語も、じつはGoogle アナリティクス特有の仕様だったり、意外と正しく理解できていなかったりする場合もある。知ってるつもりの人も、注意深く読み進めていただければと思う。

ページビューとは?

「ページビュー数」とは「ページビュー」をカウントした数値のことだ。「ページビュー」をカウントするためには、「ページ」とは何かが定義されていなければならない。

もっとも基本的な定義では、ページとはユニークなURLのことだ。ユニークなURLにはそれぞれファイル(Webページ)が配置されている。ファイルの種類は、HTMLファイル、PHPファイル、CGIファイル、ASPファイル、ASPXファイルなど、いろいろな種類がある。

カスタマイズをしていない場合、Google アナリティクスでは、ユーザーが見ているそれらのWebページに実装されたトラッキングコードによって、ブラウザのアドレスバーに表示しているURL情報を取得し、そのページ(URL)に1ページビューをカウントする。

※トラッキングコードの実装については、「第8回 トラッキングコードを実装する」を参照のこと。

そのため、標準設定ではPDFファイルのダウンロードなどをページビュー数としてカウントすることはできない。ただ、クリックなどの「動作」を取得することはトラッキングコードのカスタマイズで実現することができる。詳細はまとめて、別途カスタマイズ手法を説明する回で紹介する予定だが、この手法を利用すれば、PDFファイルをダウンロードするためのクリック、Flashコンテンツにおける各種動作(クリック、マウスオーバーなど)、外部サイトへのリンクのクリックといった行為を「ページビュー」としてカウントするといった応用方法が可能であるということを覚えておこう。

ページビューを確認できるGoogleアナリティクスのレポート

URL別にページビュー数を閲覧できるレポート画面

「ページビュー数」とは、文字通り「ページ」が見られた回数を意味する。Google アナリティクスでページビュー関連のレポートを表示するには、次のようにする。

操作手順
  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする。
  2. 画面で左側にあるメニューで、[コンテンツ]をクリックする。
  3. メニューが開くので、さらに[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]の順にクリックする(図1赤枠部分)。

このレポート画面(図1)では、計測対象サイト全体のページビュー数図1青枠部分)とページ(URL)別のページビュー数図1緑枠部分)を確認できる。

図1: URL別のページビュー数を閲覧できるレポート画面の左上部分([コンテンツ]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]の順にクリック)
図1: URL別のページビュー数を閲覧できるレポート画面の左上部分([コンテンツ]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]の順にクリック)

ページタイトル別のページビュー数を閲覧できるレポート画面

このレポート画面は、初期状態では「プライマリ ディメンション」に「ページ」が選択されている。つまり、「ページ(のURL)」ごとに「ページビュー数」を見るレポートになっている。

ここでページタイトルごとにページビュー数を確認するには、次のようにする。

操作手順
  1. 表の上にある「プライマリ ディメンション」で「ページタイトル」をクリックする(図2赤枠部分)。

これで、表の表示が切り替わり、ページタイトルごとにページビュー数を確認できる(図2青枠部分)。この場合、URLが別でも同じページタイトルであれば、合算されて表示されるので注意が必要だ。たまに見かけるが、すべてのページタイトルが「無題」や「社名」「Webサイト名」になっていると、すべてのページビュー数が合算されて表示されてしまう、ということだ。

図2:ページタイトルごとにページビュー数が表示されている
図2:ページタイトルごとにページビュー数が表示されている

ディレクトリ別の総ページビュー数を閲覧できるレポート画面

ディレクトリ別の総ページビュー数を確認できるレポートもある。

操作手順
  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする。
  2. 画面で左側にあるメニューで、[コンテンツ]をクリックする。
  3. メニューが開くので、さらに[サイト コンテンツ]>[ディレクトリ]の順にクリックする(図3赤枠部分)。

このレポート画面では、初期状態では第1階層のディレクトリが表示され、第1階層ディレクトリ別の総ページビュー数が確認できる(図3青枠部分)。

図3:ディレクトリ別の総ページビュー数を閲覧できるレポート画面の下部([コンテンツ]>[サイト コンテンツ]>[ディレクトリ]の順にクリック)
図3:ディレクトリ別の総ページビュー数を閲覧できるレポート画面の下部([コンテンツ]>[サイト コンテンツ]>[ディレクトリ]の順にクリック)

そして、表に示されている第1階層の各ディレクトリ名(リンクになっている)をクリックすると、該当ディレクトリ配下の第2ディレクトリの総ページビュー数を確認できるという構造だ。

たとえば、第1階層のディレクトリ名の1つである「/basic/」(図3緑枠部分)をクリックすると、のようにプライマリ ディメンションが「第2階層」という表示に変わる(図4赤枠部分)ので、その時点で、何階層目を見ているのかが明示的にわかるようになっている。

図4:「/basic/」ディレクトリの第2階層ディレクトリが表示されたレポート画面の下部
図4:「/basic/」ディレクトリの第2階層ディレクトリが表示されたレポート画面の下部

ただし、どの第1階層ディレクトリ配下の第2階層なのかはこのデータ一覧表示部ではわからない。第2階層以下にドリルダウンした場合は、同じレポート画面の上部を見ればよい(図5)。

図5:ドリルダウンして「/basic/」ディレクトリの第2階層ディレクトリが表示されたレポート画面の上部
図5:ドリルダウンして「/basic/」ディレクトリの第2階層ディレクトリが表示されたレポート画面の上部

どの項目をドリルダウンして絞り込んでいるかは、図5赤枠部分を見ることで確認できる。

仮想ページビューの利用

Webページの中には、URLが変化しないのにコンテンツが変化するようなWebページもある。ショッピングカートなど、ユーザーの入力情報に応じて動的にページを返す場合などに見かけることが多い。この場合、ページの内容が変化しているのに同じURLが表示されるため、各コンテンツ別のページビュー数を正しく把握することができないという問題が生じる。

このような場合のために用意している機能が、バーチャル(仮想)ページビューというものだ。これもトラッキングコードのカスタマイズによって実現できる。アドレスバーに表示されたURLではない文字列を仮想のURLとして動的に付与するような方法によって、内容の違うページを別の仮想URLとして区別する手法だ。カスタマイズの方法は、別途回を改めて説明する予定だ。

  • イベントとは?
  • 計測対象サイト全体のイベント数とイベント別のイベント数を閲覧できるレポート画面
  • ページ別、ページタイトル別にイベントの種類とイベント数を閲覧できるレポート画面

イベントとは?

ページビューではないけれど、アクセス解析で把握したいユーザー行動というのがある。「ページの定義」のところの例にも出したが、

  • PDFファイルをダウンロードするためのクリック
  • Flashコンテンツにおける各種動作(クリック、マウスオーバーなど)
  • ページ内で動作するJavaScriptのインタラクティブな操作
  • ページ内リンクのクリック
  • 外部サイトへのリンクのクリック

といった行動だ。

こういった、「ページビュー」にはカウントしたくないのだけど、ユーザーのWebサイトで特定の行為がされたかどうかを知りたいときに利用するカスタマイズ手法が「イベント」だ。これも詳しくは別途紹介する予定だが、トラッキングコードのカスタマイズによって実現できる。

イベントを確認できるGoogleアナリティクスのレポート

計測対象サイト全体のイベント数と
イベント別のイベント数を閲覧できるレポート画面

イベントという指標に関して、計測できるのは、次の2種類の数値だ。

  • 計測対象サイト全体のイベント数
  • イベントの種類別のイベント数

イベント関連のレポートを表示するには、次のようにする。

操作手順
  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする。
  2. 画面で左側にあるメニューで、[コンテンツ]をクリックする。
  3. メニューが開くので、さらに[イベント]>[上位のイベント]の順にクリックする(図6赤枠部分)。

このレポート画面(図6)で、計測対象サイト全体のイベント数(図6青枠部分)とイベント別のイベント数(図6緑枠部分)を確認できる。

図6:[コンテンツ]>[イベント]>[上位のイベント]を順番にクリックして表示されるレポート画面
図6:[コンテンツ]>[イベント]>[上位のイベント]を順番にクリックして表示されるレポート画面

同レポート内の下部にあるデータ一覧表示部の「プライマリ ディメンション」を見ると(表の上にある)、

  • イベントカテゴリ
  • イベントアクション
  • イベントラベル

の3つの選択肢がある(図7赤枠部分)。「イベント」を取得するためのカスタマイズしたトラッキングコードには、この3種類の変数を指定できる。つまり、イベントはこの3つの軸で分析できるということだ。

図7:「プライマリ ディメンション」で「イベント アクション」を選択したレポート画面
図7:「プライマリ ディメンション」で「イベント アクション」を選択したレポート画面

具体的にはイベント用のトラッキングコードを解説する回で示すが、たとえば、

  • 「イベントカテゴリ」では、「PDFダウンロード」「Flash操作」「ページ内リンククリック」「外部サイトへのリンククリック」などで分類
  • 「イベントアクション」では、「どのPDFファイルをダウンロードしたか」「Flashのどの操作をしたか」「どこへのページ内リンクをクリックしたか」「どのサイトへのリンクをクリックしたか」などで分類
  • 「イベントラベル」では、「どのPDFリンクをクリックしたか」「どの状態のFlashからの操作か」「どのリンクをクリックしたか」などで分類

というようにデータを取得するようにしておいて、あとからそれぞれの軸で行動を分析するものだ。

ページ別、ページタイトル別に
イベントの種類とイベント数を閲覧できるレポート画面

イベントに関しては、どのページ(URL)でどういうイベントが発生したのかを確認することもできる。

操作手順
  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする。
  2. 画面で左側にあるメニューで、[コンテンツ]をクリックする。
  3. メニューが開くので、さらに[イベント]>[ページ]の順にクリックする。

次のようなレポート画面が表示される(図8)。

図8:「コンテンツ > イベント > ページ」レポート
図8:「コンテンツ > イベント > ページ」レポート

このレポート画面では、ページ別、あるいはページタイトル別(図8青枠部分)に、それぞれ何件イベントが発生していて、具体的にはどのようなイベントがあったかを見ることができる。

以上が、ページビュー数とイベントについての基本的な説明だ。次回は、同じく主要な指標である「訪問数」について解説する。

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衣袋 宏美

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Digital Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

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