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スパムSEOサイトに順位で負けてる……どうすればいい? など10+2記事(海外&国内SEO情報) [海外&国内SEO情報ウォッチ] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 9 分
タイトル画像:国内&海外SEO情報ウォッチ

「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、
国内と海外の検索マーケティング関連情報を
さらっとまとめて毎週金曜日にお届けします。

今週のピックアップ

スパムSEOサイトに順位で負けてる……どうすればいい?
★★★★★ そのリンクが評価されているとは限らない (SEOmoz)

スパム的な手法で集めた被リンクによって自分より上位表示しているサイトを発見した際にどうするべきか、その手法を真似するべきかどうかという問題について、SEOmozのランド・フィッシュキン氏が説明している。

結論としては「真似るべきでない」ということになるのだが、その理由の1つに、「外部の人間が発見したリンクをグーグルが評価しているとは限らない」ことがある。

それを裏付けるものとして、グーグルのウェブスパムグループ長、マット・カッツ氏の話題を示している。グーグル内部で使う特殊なツールを使って、スパム手法で集められた2000~3000本のリンクのうち数本しか評価の対象にしていないことをマット・カッツ氏が明らかにしたことがあるというのだ。

Wistia

グーグルでは、スパムリンクを発見したとしてもペナルティを与えることは稀なようだ。なぜなら第三者による攻撃の可能性もあるからだ。原則としてスパムリンクを検出した時はそのリンクの価値を無効にすると考えられる。つまり、外部の人間には被リンクに見えるものでも、実際にはグーグルは被リンクとして見ていない(つまり無視している)場合が多々あるということになる。

グーグルのガイドラインに違反するリンクで上位表示しているサイトも確かに存在する。しかしだからといって、真似することはないと筆者も思う。うまくいくかどうかの保証はゼロだし、完全にクロだとグーグルに判定されたときには、それ相応の制裁が待っている。リスクが高すぎる。

日本語で読めるSEO/SEM情報

内部SEO・外部SEOの時代はオワタ
★★★★★ 外部要因が多様化 (japan.internet.com)

SEOは、内部要因と外部要因の2つの施策に分けて語られることが多い。しかし昨今のSEOはもはやこういった枠組みで語ることはできなくなっていると渡辺隆広氏は述べている。渡辺氏が唱える新しい枠組みは次の3つだ。

  • アクセシビリティとコンテンツ
  • オンラインの評判構築
  • ソーシャルでの言及と適応

そして上の3つの共通点として「やはりコンテンツが最重要」ということを挙げている。

検索エンジンがどのように変わりつつあり、SEOを今後どのように考えていくべきかを理解するために、ぜひとも読んでほしい記事である。

あなたのキーワード選択はそれで正しいですか?
★★★★★ 検索数で決めてはいけない (SEOテンプレート比較)

対象とするキーワードを選ぶときの考え方を説明した記事。長い文章のだが、ひとことで言えば「対象ユーザーの意図や行動を考えたうえで、サイトのテーマに合致していてコンバージョンするキーワードを狙え」ということだ。絶対に検索ボリュームだけにとらわれてはならない。

わかっている人にとっては至極当たり前のことなのだが、わかっていないウェブ担当者がなんと多いことか。「クリスマス用の手作りのイチゴタルトケーキ」をオンラインで販売したがっている街のケーキ屋さんが「クリスマス」で1位表示を狙っているようなパターンが、筆者が講師を務めるセミナーで依然としてごろごろ見受けられる。

この記事の初めのほうに次のような表現がある。

100人に商品を見てもらい1つ売れる場合も、
1人に商品を見てもらい1つ売れる場合も成果は同じ

買わない99人を集めるよりも、買う1人を集めるキーワードを狙ってほしい。得てしてそういったキーワードは高度なSEOを必要としない。

ちなみに、ビジネスを構築していくのであれば、コンバージョンにつながるキーワードを狙うだけでなく、「潜在的なユーザーをつかみ、コンバージョンする気持ちを育てていく」施策も併せて進められるようになるといいだろう。刈り取りだけがビジネスではない。

+1ボタンが消えた
★★☆☆☆ 年末に向けての大掃除? (Googleウェブ検索)

気に入った検索結果にマークを付け友だちに推薦できるグーグルの「+1」(プラス・ワン)ボタンが検索結果で標準で非表示になったようだ。

標準の状態の検索結果。

とはいえ無くなったわけではなく、検索結果項目にマウスオーバーすると現れる。

マウスオーバーするとこのように+1ボタンが表示される。

ソーシャル検索との融合などで賑やかになってきた検索結果をすっきりするためだろうか。

筆者が最初にこの変更を知ったのはGoogle Operating Systemブログで、その後SEMリサーチの渡辺氏が日本でも確認したことを知った。筆者も自分の環境で今は確かめることができる。

ヤフーリアルタイム検索がさらに改良を加えた
★★★☆☆ グーグルでは代用不可 (Yahoo!検索 スタッフブログ)

ヤフーはリアルタイム検索を改良したことをアナウンスした。次のような変更点がある。

  • 検索結果の並び順が初期設定で「更新日時順」になった
  • 適合度の高い検索結果が表示されるようになった
  • リアルタイム検索の検索結果ページをツイートできるようになった
  • Yahoo!人物名鑑のタレント情報が表示されるようになった
  • 関連する検索サービスで再検索しやすくなった

ヤフーはリアルタイム検索の他にも動画検索画像検索も最近リニューアルしている。ウェブ検索のシステムにグーグルを採用するようになって1年がたつがヤフー独自の検索サービスは今も健在のようだ。

Googleアナリティクスにソーシャルメディアのデータを統合する「ソーシャルデータハブ」をグーグルが提供
★★★☆☆ 実現する日が楽しみ (アナリティクス 日本版 公式ブログ)

ソーシャルメディアで、誰がどのようにコンテンツを共有したり投票したりブックマークしたりしたかといった情報を集約するためのプラットフォーム「アナリティクス ソーシャルデータハブ」を、グーグルが公開した。自分のコンテンツがどのソーシャルメディアでどんなふうに利用されているかがGoogleアナリティクスで解析できるようになる。

といってもすでに実現したわけではなく、このプロジェクトに参画するソーシャルメディアを募っている段階だ。すでにDeliciousやDiggといったメジャーなソーシャルメディアが参画することになっているし、Google+やBloggerなどグーグルのサービスは当然含まれている。フェイスブックは無理としても、ツイッターと、日本のはてなブックマークやmixiにもぜひとも加わってほしいものだ。

Googleアナリティクスでソーシャルの効果や分析できる日を心待ちにしたい。

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
・「●● □□」と「□□ ●●」のように語順によって検索結果が違うのはなぜ?
・SEOを知らないサイトでも上位表示できるのか
・複数の言語・地域を対象にしたサイトで使うrel="alternate" hreflang="x"をグーグルが解説
・ウェブマスターツールの重要なキーワードは消せない
SEO Japanの掲載記事からピックアップ
・改めて見直したいサイト内SEOのベストプラクティス9選
・SEOの外注を止めて内製化する際に必要な5つの作業

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ

「●● □□」と「□□ ●●」のように語順によって検索結果が違うのはなぜ?
★★★☆☆ ユーザーのクリックを見ているから (Quora)

複合キーワードでの検索の場合、単語の語順を変えると検索結果が大きく異なることがあるがこれはなぜか?

Quora(クオラ)というQ&Aサイトに投稿されたこの質問に対して、グーグル社員のブルース・R・ミラー氏が次のように回答した。

検索ボックスに入力された単語の並び順を取得する機械学習のアルゴリズムを、数あるパラメータの1つとしてグーグルは使っている。意味的なひも付けを開発するために、その後どのリンクをクリックしたかをそのアルゴリズムは見ている。

とはいえ、ユーザーがどの結果をクリックしたかで順位を変えるような単純なアルゴリズムではないだろう。表示させた検索結果が妥当なものかどうかの判断に、ユーザーのクリックも含めているのだと思われる。

SEOを知らないサイトでも上位表示できるのか
★★★★★ グーグルが求めているのは良いコンテンツ (Google Webmaster Central Channel)

グーグルが好むサイトは、SEOのベストプラクティスのテクニックをよく知っていて、マット・カッツさんが教えてくれたコツどおりにやる人が作っているサイトのように見えます。

すばらしいコンテンツを実際には持っているけれど技術的に乏しいサイトがたくさんあるに違いありません。こういったサイトがペナルティを受けているなんてことはないですよね?

このような質問に対してグーグルのマット・カッツ氏が回答した。

検索順位を下げるような手動対応を与えられるという点では、ペナルティを受けることは絶対にない。だが質の良いコンテンツがあるのに間違いを犯している人々のバランスを取ろうとはしている。

たとえば、いつもこんなふうに質問される。「とても正しくW3Cに準拠したコードを書いているのになんで特典をもらえないのか?」

答えはこうだ、「HTMLの文法がおかしくても本当に良いすばらしいコンテンツはある」。誰かがチェックリストで採点してHTMLの構成が満点だったとしても、だからといって、そのページが最高のコンテンツだということにはならない。

コンテンツにアクセスしやすくしたりクローリングしやすくしたり良いタイトルを付けたりといったように、だれもがやれる共通項目は存在する。でもバカみたいにどうしようもない墓穴を掘るようなことをやってしまったとしても、良いコンテンツであるなら、僕たちは検索ユーザーにそのページを見せたいんだ。

JavaScriptを実行してリンクを見つければならなかったり、全ベージにtitleタグがないためにtitleタグを推測して合成しなければならなかったりしたとしても、僕たちはそうしようとする。

あなた方がSEOをやらなくてもいいように僕たちはなんとかうまくやろうとするし、そうして良いコンテンツを見つけようとするんだ。もちろん、コンテンツにアクセスしやすくしたり役に立ったりといったようなことに少しでも時間を費やしてくれたらおおいに助かる。

SEOに関して何もかもすべて正しくやれているわけじゃないからといって、そのサイトにペナルティを与えるなんてことは、絶対にない。SEOに詳しくない人でも、良いコンテンツを持っている人はいる。何よりもまず、人々が本当に気に入って心を引き付けるようなコンテンツを、僕たちは検索ユーザーの目の前に差し出したいんだ。

僕たちは、毎年毎年どんどんGooglebotを賢くしてきているしインデックスして結果を返す新しい方法を考えている。そんなことに取り組み続けていくつもりだし、比較的うまくいくと思っているよ。

複数の言語・地域を対象にしたサイトで使うrel="alternate" hreflang="x"をグーグルが解説
★★★☆☆ Web標準仕様をサポート (Google Webmaster Central Blog)

複数の言語または複数の地域を対象としてコンテンツを公開している場合に、対象となるユーザーに適切なコンテンツを見せることができる「rel="alternate" hreflang="x"」というHTML属性がある。グーグルは2010年9月からこの仕様をサポートしているが、これに関する詳しい解説が、改めてウェブマスター向け公式ブログで公開された。

rel="canonical"や301リダイレクトと併用すれば、コンテンツがまったく同じあるいはほぼ同じときでも検索結果に自分が出したいと望むページを出すことが可能だ。重複コンテンツ問題を発生させず、被リンクなどの評価を統合することにも効果を発揮する。

たとえば、英国に住む英語ユーザーが英グーグル(google.co.uk)で検索した時は英国向けのページを検索結果に表示させ、オーストラリアに住む英語ユーザーが豪グーグル(google.com.au)で検索したときにはオーストラリア向けのページを検索結果に表示させ、フランスに住むフランス語ユーザーが仏グーグル(google.fr)で検索したときにはフランス向けのページを検索結果に表示させることができる。しかしグーグルはそれらのページを1つのグループとして認識してくれる。

日本語でのヘルプができあがっているので複数言語・複数地域をターゲットにしたサイトを運用しているウェブ担当者は読んでおくといい。ただし、はっきり言ってややこしいし、どこまで期待どおりに機能するかも未知数だ。

ちなみに、これらの属性はグーグルが勝手に作ったものではなく、HTML4の時代から仕様に含まれているものだ。

ウェブマスターツールの重要なキーワードは消せない
★★★☆☆ 「重要」という言葉使いが良くない (Google Webmaster Central Help Forum)

ECサイトを運営しているウェブ担当者がグーグルの公式ヘルプフォーラムで次のように質問した。

ウェブマスターツールの[ウェブ上のサイト]>[キーワード]で、私のサイトで最も重要度が高いキーワードとして「VAT」(付加価値税のこと)が出ています。

たしかに「VAT」という単語はすべての商品ページに何度も出ている言葉だから理由はわかりますが、「重要なキーワード」から除外することはできますか?

グーグル社員のスーザン・モスクワさんが次のように回答した。

このキーワードレポートは、クローラーが見つけた、サイト内でもっともよく使われているキーワードを示しています。

ウェブマスターツールの表示から「VAT」を除外したとしても、ページでそのキーワードがよく使われているという事実は変わりません。

だから、ウェブマスターツール上で「キーワード」の表示から特定のキーワードを表示させないようにすることに意味はありません。また、他のキーワードよりも「重要度」が高いか低いかを私たちに伝えることはできません。

ウェブマスターツールのキーワードレポートは「重要度」(英語では「Significance」)というラベルが付いているが、そのキーワードの「重み付け」ということではなく、何回書かれていたかという「サイト全体での出現頻度」の意味しか持たない。上位に出てくるキーワードは、単に「サイトでよく使われている」に過ぎず、「グーグルが重要視している」という意味ではないのだ。

キーワードレポートはたとえば次のような場合のトラブルがないかの発見に使う。

  • 自分がサイト内に数多く書いたはずのキーワードが表示されていない ⇒ グーグルに正しくインデックスされていない
  • 「バイアグラ」のような身の覚えのないキーワードが表示されている ⇒ サイトがハッキングされている

基本的には気にすることのないレポートだと筆者は考えている。

SEO JapanSEO Japanの掲載記事からピックアップ

サイト内で行うべきSEOの技術的な設定と社内のSEO担当者が行うべき作業についての記事を今週はピックアップ。

鈴木 謙一

鈴木 謙一(すずき けんいち)

フリーランスのインターネットコンサルタント。アメリカを中心としたSEO/SEMのコアな情報を日本に持ち込み、「海外SEO情報ブログ」で“海外SEO”のブランドを確立。サーチエンジンマーケティング専門ソーシャルニュースサイト、Sphinn(スピン)の公式日本版であるサービス「Sphinn Japan」立ち上げメンバーでもある。

現在は、株式会社セルフデザイン・ホールディングスのCTOとして、SEOの情報収集やトレーニング、海外のSEOカンファレンス参加などを通じて正しいSEOの普及に取り組んでいる。

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