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今週と来週の2回にわたって、「SEOの都市伝説」に関して解説する。「そのSEO手法は問題だと聞いたぞ」「そんなことをしたら僕のサイトに何か悪い影響が出るんじゃないか?」と思われるようなネタを10個、解説してあなたの不安を解消する。
オリジナルは動画だが、文章に起こして解説しているので安心してほしい。
- 相互リンクはすべて無意味またはペナルティの対象
- アンカーテキストにキーワードが含まれていないと効果が出ない
- フッターにリンクをたくさん置いていると問題
- URLにはキーワードを含めておかないとSEO的に弱い
- リンクベイトは本筋じゃないので検索エンジンに嫌われる
今回は、SEOの世界で語られるいくつかの都市伝説を取り上げたい。そうした都市伝説にみんなが本気で恐れや懸念を抱き、Q&Aコーナーに質問を寄せたり、ツイッターやフォーラムで「ちょっと待って。それは問題だと聞いたぞ。そんなことをしたら僕のサイトに何か悪い影響が出るんじゃないか?」などと書いたりしている。
というわけで、みんなの不安を静めるために、都市伝説を1つひとつ説明していきたい。選んだ都市伝説は10個だ。それでは早速、どんなものがあるか見ていこう。
都市伝説その1
特定ドメイン名からのリンクが多すぎると問題
ある1つのドメイン名から自分のサイトに張られたリンクが多すぎるので心配だ。
それは、サイトの全ページに共通して表示されるリンクなのかもしれないし、先方のブログロールにリンクが埋め込まれただけかもしれない。これは通常、問題にはならない。
例外は、そのリンクが非常に操作的なソースから来ている場合で、それだったらリンクはご遠慮したいという気にもなるだろう。でも、僕だったらそんなことを大して気にしない。君のサイトに対して質の悪いリンクを張っている連中など、一瞬で突き止められるからね。
1つのサイトから自分のサイトに張られたリンクが8万あるとしても、気にする必要はない。それによって君の実施したSEOが台無しになることはないし、世界が終わるわけでもない。もしそれらのリンクに、存在すべき正当かつ当然の理由があるなら、それは多分役に立つだろう。もちろん、被リンクが少ししかない場合に比べて7万9000倍も役に立つなんてことはないが、それでもきっと役に立つ。
そうひどい話ではないので、どうか落ち着いて。僕はそういう状況についてほとんど心配したことがない。
ただし、ひどくお粗末でスパム的なサイトからリンクが来ている場合は話が別だ。その時はちょっと心配になるよね? それは……
都市伝説その2
誰かが自分のサイトに対してスパム的なリンクを構築している
誰かが自分のサイトに対してスパム的なリンクを構築しているようだ。ああ、ここから張られてるリンクが僕のサイトに害を及ぼすかもしれないぞ。
グーグルがペンギンアップデートを実施したのを気にかけて、上記のようにと心配している人もいた。大丈夫、問題ない。
もし君が不正なやり方でリンクを購入したのだとしても、そのリンクはとにかく君のものだ。結構。相手に連絡して、リンクを外してほしいと伝えよう。ほかの人間が君のサイトに対してスパム的なリンクを構築しているだけだとしたら、心配なんかしなくていい。
購入や相互リンクによるものではなく、コンテンツの内容が評価されて他人が自発的に張ってくれるリンクのこと。
スパム的なリンクから自分のサイトを守るにあたっては、ウェブマスターに1人ずつ連絡をしてリンクを外してくれと依頼するよりも、はるかに効果的な方法がある。それは、優れたエディトリアルリンクの獲得だ。優れたエディトリアルリンク、立派なサイト、すばらしいユーザー体験、それなしでは生きられないと思わせるほど大変な価値のあるコンテンツ、さらにインターネット上で真のブランドを築き上げることの方が(そうしたアクションによって全体のなかでのスパムリンクの比率を下げるほうが)、リンクを外すことを依頼してまわるよりも効果的だ。
過去に君自身が、あるいは別の誰かが君に代わっておかしなリンク構築をしたことがあるのなら、スパムリンクを削除してもらうよう依頼をする必要が生じるケースがあるかもしれない。しかし、それは稀で、めったにないはずだ。僕だったら、すばらしいサイトを作り上げることの方をよっぽど気にかける。
都市伝説その3
キーワード密度が高すぎると問題
自分のサイトはキーワード密度が高すぎるのではないか。
こんな考えがどこから出てきたのか、僕にはわからない。
何年も前には、「キーワード密度」とやらを気にしている人たちもいた。検索順位を上げたいと狙っているキーワードが、あるページに含まれる割合のことだ。
しかし、「これは検索エンジンに対する有効なシグナルだし、キーワード密度は2.78%にすべきだ」なんていうことは、あり得ない。そんなことを気にする必要はないし、キーワード密度が高すぎてもまったく心配はない。
そう言えば、こんな都市伝説もあった。
ページ内のコンテンツに対するキーワードの割合が高すぎると、検索順位の向上に貢献せず、逆にスパムだというフラグが立つ。
何年も前にBingが「われわれはシグナルとしてキーワード密度に着目することもある
」と述べていたのは確かだ。しかし、コンテンツを自然な形で作り、優れたユーザー体験を提供しているなら、問題ない。
たとえばEコマースサイトの製品ページなどは、タイトルが製品名になっていて、ということは製品説明にもそのタイトルが2回出てきたりするけれど、製品ページなんてそういうものだし、それは当然のことで、さらに見出しにも製品名が使われるから、そうなると、ページの本文はキーワード密度が30%とか40%になってしまうことにもなるが、慌てなくていい。大丈夫、平気だ。
ごく普通にコンテンツを作っている限り、キーワード密度を気にする必要は本当にまったくない。だけど、不正操作めいたことをしていて、検索順位を上げるためにわざとキーワードを詰め込んだページを作っているとしたら、危険な領域に踏み出そうとしているのかもしれない。ただし、その場合でも、キーワード密度は危険の度合いを測る物差しにならないだろう。
危険の度合いを測りたいのならば、ページを見て、論理的に次のように自問してみればいい。
このページはユーザーにとって有益なページに見えるだろうか?
もしそうでないなら、「ちょっと待てよ、この単語がここで4回も登場しているけれど、ほかの単語は10個しかない。まずいぞ」という具合になる。慌てる必要はない。
都市伝説その4
RSSフィード経由でサイトのコンテンツがパクられると問題
ほかのサイトが自分のサイトやブログのコンテンツを盗用し、どこかに再掲載している。
RSSフィードを使うやり方が最も一般的だね。こんなことで慌てる必要なんてないどころか、ちょっと自慢してもいいよと言いたいくらいだ。
これはつまり、すごいな、インターネットが君を見出したということだ。君のRSSフィードは、良質かつ有益であり、コピーし再掲載する価値があると評価されたんだ。
他のサイトに再掲載した人は、99%の確率で、君自身のサイトなど、君がリンクしているところにリンクを返してもくれる。だから、ブログが盗用され、勝手に掲載されても構うことはない。
確かに、そういうサイトの中にはスパム的なもの、操作的なもの、クズみたいなものもある。でも心配しないで。グーグルはそのことで君を責めたりはしない。君の過ちではない。ウェブ上のどんなサイトにも起こり得ることだ。
SEOmozは誇張ではなく200を超えるコンテンツ・アグリゲータにコピーされていて、彼らはSEOmozのコンテンツを例外なく再掲載している。でも気にしないで。心配しなくていい。ここでできること、そしてすべきことは、リンクをすべて絶対リンクにしておくことだ。そうしておけば、コピーされたり盗まれたりしても、必ず自分のサイトにリンクが返ってくる。それがいちばんの対処法だ。
自分のコンテンツが他のサイトに掲載されたからといって慌てたりしないように。そうしたコンテンツの使い方は、合法的な場合も多いからだ。
都市伝説その5
Googleアナリティクスのデータが検索順位に影響しているのでは?
Googleアナリティクスを使っているので、グーグルが解析結果を見て、ユーザーのエンゲージメント(参加)率が低いのがバレてしまったらどうしよう?
僕のサイトは直帰率が高く、滞在時間が短い。エンゲージメント率の低さを理由に罰せられたり、ペナルティが科されたりするのでは?
いや、それはないね。この点についても焦らなくていい。
第1に、グーグルのウェブスパム・チームやサーチクォリティ・チームは、Googleアナリティクスから直接データを入手したりしないと約束している。
全体として何かの情報を得るためにそのデータを利用することはあり得るが、君のサイトに関するGoogleアナリティクスのデータを見て「このサイトは、エンゲージメント率が低いし、サイト滞在時間も短いからお仕置きだ
」なんてことは言わない。
ユーザーが君のページからすぐに離れて検索結果にまた戻った、気に入らなかったんだなとか、その程度のことはわかるかもしれない(それに、そうしたことはGoogleアナリティクスのデータを盗み見しなくても、Googleツールバーのデータを調べたり、検索結果ページでリンクをクリックしてからすぐに検索結果ページに戻ってきた行動を調べたりすることで判断できる)。
だけど、君が優れたユーザー体験を提供したり、簡単な質問に対するすばらしい回答を提供したりしているのなら、直帰率は高くなる。ユーザーの知りたい答えがすぐに見つかるのだからね。そういう場合でも、エンゲージメント率は低くなり、サイト滞在時間も短くなる。「フランクリン・ルーズベルトが生まれたのは何年ですか?
」というような単純な質問に答えるQ&Aサイトを考えてみればいい。サイトに来たユーザーは、「ああ、なるほど、この年だったか。よし、用が済んだから失敬しよう
」それでおしまいだ。エンゲージメント率の低さや利用率の低さなんか気にしなくていいんだ。グーグルが君のサイトの解析結果を見ているなどと心配する必要もない。グーグルはそれを理由にペナルティを科したりしない。
この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回(7月2日公開予定)は、今回に引き続き、残る5つの都市伝説を解明していく。
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オリジナル記事:本当はコワくない10のSEO都市伝説(前編) [SEOmoz - 検索マーケティングのニュース&テクニック] | Web担当者Forum
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