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GoogleアナリティクスPremiumに関する6つの疑問とその答 [GoogleアナリティクスPremium【短期集中連載】] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 5.5

GoogleアナリティクスPremiumに関する情報を、全3回でお届けする短期集中連載、最終回となる第3回では、GoogleアナリティクスPremiumとその周辺に関する疑問や今後想定されるであろう質問に関して、筆者が独断と偏見で回答してみたいと思います。

今回扱っているのは、次の6つのQ&Aです。

私の想像の世界での回答なので、違っていたらごめんなさい。

※2012/04/22時点の、GoogleアナリティクスPremiumに関する公式ヘルプやドキュメントなどの情報を元に作成しています。

GoogleアナリティクスPremiumはどういう人が使うべきなのか?

第1回でも簡単に触れましたが、大きくわけて2つの導入パターンがあるかと思います。

  • 既存のGoogleアナリティクスを使っていてPremiumにバージョンアップする
  • 別の有料アクセス解析ツールから乗り換える、あるいは、最初の有料アクセス解析ツールとして選定する

他にもいきなり入れるというパターンもなくはないのですが、計測記述が通常版とPremium版で同じのため、まずは無料で入れてから、切り替えるというのが現実的かと思います。

それぞれのパターンを見てみましょう。Googleアナリティクスからのバージョンアップは実装の手間もなく、ユーザーインターフェイスにも慣れているので、負荷が非常に少ないでしょう。しかし、このようにバージョンアップするのは、「現在のPVや変数の制限を超えた分析を行いたい」場合や、「どうしても独自のアトリビューション機能を使いたい」場合だけではないかと思います(少なくとも現時点では)。

この2つの内容に月間約100万円(米国価格から換算、日本価格は未定)を出す企業がどれくらいあるのかという事になります。Premium独自の機能が今後増えてくれば、移行する魅力というのはさらに上がるので、よりこの動きが起きやすくなるのではないでしょうか。

別の有料アクセス解析ツールから移行するパターンに関しては、理由が主に2つ考えられます。

1つ目はコストです。GoogleアナリティクスPremiumの値段は一見高そうに見えますが、ハイエンドなアクセス解析ツールと比較するとそれほど高額であるとは思いません。

もちろん10万PVや100万PVといったサイトでは、他の有料アクセス解析ツールの方が安いでしょう。そういったツールはPV数に応じた従量課金制度のような形式だからです。「有料アクセス解析ツール14種を料金比較してみた」という記事をご覧いただけるとわかりますが、数百万PVくらいであれば、月間数十万円で済みます。

これが、月間1,000万PV以上クラスのサイトになってくると、PVが多くても費用に影響しないGoogleアナリティクスPremiumは魅力的になります。したがって、大規模サイトであれば、コストの観点から乗り換える(あるいは最初の有料アクセス解析ツールとして選定する)ということは考えられます。

しかし、リプレイスという観点で考えると、今まで出してきたレポートやワークフロー(問い合わせ・障害対応・教育)などの大幅な改修がかかり、サイト数や規模によっては半年~数年かかったり、数千万円~数億円のコストがかかったりする可能性が高いのも事実です。というのも、いきなりある日から計測停止して次の日からGoogleアナリティクスPremiumに切り替えるというのは、データの整合性や連続性から考えても現実的ではないからです。そのため、並行して2つの2つのツールでデータを取得し、数値のズレなどを確認して修正していくことになり、それに数か月は必要でしょう。

そこまで膨大な手間をかけてまでリプレイスするかという点は、サイトの規模や切り替えコストにもよるのではないでしょうか。しかし、個人的には難易度が高いと考えています。

日本では、どういう形でいつ販売されるのか?

正式なリリース時期は未定ですが、日本でも展開される事は間違いなく、それほど遠くない将来だと考えています。

値段などは未定ですが、米国・カナダ・英国で料金体系や金額感が大きく変わっていないことを見ると、日本でも同じような料金(月額100万円程度)になるのではないでしょうか。

購入はグーグルから直接(購入したい人がコンタクトする、あるいは他の製品の営業担当が販売)するか、Google Analytics認定パートナーからという形になるでしょう。実装や問い合わせサポートも、それぞれで提供される可能性が高いのではと踏んでいます。

有料アクセス解析ツールのシェアは変わっていくのか?

多少は変化していくかと思います。GoogleアナリティクスPremiumと似たような機能や料金体系のベンダーさんは辛いかと思います。

しかし、Googleアナリティクス(通常版)は機能がどんどん追加されたことから、その利用難易度は上がっているのも事実です(つまり、必ずしも初心者や特定の目的をもっている人にとって最も使いやすいツールだとは限らない)。そのため、目的が明確で使いやすいシンプルなアクセス解析ツールはシェアを伸ばすチャンスではないでしょうか。

規模が大きいサイトが利用しているSiteCatalystやCoremetricsは、GoogleアナリティクスPremiumが目指している方向性と違うと感じているので、短期的には大きな移動はないのではないでしょうか。しかし、今後の機能追加やバージョンアップの内容によっては、一気に大手のツールを喰う可能性は十分にあります。

特に次の項目で書いた「こういう機能があったら嬉しい」のいくつかが実現すると、それを機に移行する会社が出るのではないでしょうか。

今後どういう機能が追加されていくか
(あるいは追加されたら嬉しい機能とは)

個人的な期待としては、ログデータのダウンロードですが、導入している企業数やPV数を考えると現実的ではありません。しかし、このログデータの取得という理由で別の有料ツールからGoogleアナリティクスPremiumに移行しない(できない)会社も入るのではないかと想像しています。

ログデータを除くと、次のような機能があると(今後実装されると)嬉しいです。

  • 細かな権限管理
  • GoogleアナリティクスPremiumのアカウント内にGoogleアナリティクスが実装され、利用状況が分析できる
  • (過去に「ベンチマーク」として行っていた)業界別の指標の基準値の復活(+精度アップ)
  • 複数プロファイルのユーザーかぶり率集計(同じCookieを利用している場合)
  • サードパーティCookie 対応(ないとは思いますが)
  • 需要予測システム(過去の数値を元に今後の流入やコンバージョンを予測)
  • Google社の他のツールとのデータ連携・分析・施策の実施
  • データ取り込み機能(マスターファイルのインポート)
  • ユーザー単位のアドバンスセグメント
  • 時系列を考慮したアドバンスセグメント(例:コンバージョンを達成した後の閲覧行動のみ抽出)
  • ソーシャルメディアのより詳細な分析機能(感情分析・形態素解析・アカウント比較など)

Googleアナリティクスは今後バージョンアップがあまり行われない?

基本的にはそんな事はないと思っています。

GoogleアナリティクスPremiumがすでに米国などで発売されているにもかかわらず、数多くの機能拡張が通常版に対して行われています。特に、ここ1~2年のリリース量は目を見張るものがあり、これからもバージョンアップが期待できるでしょう。

では、Premium独自の機能は、現在出ている「アトリビューション機能」のみで今後も出ないのかというと、そうではないと思っています。

「アトリビューション」のように処理に時間やパワーがかかる機能はPremium限定となるのではないでしょうか。また、前述の項目で書いたような機能も、(Premiumユーザーの多くから要望があれば)対応されるものもあるでしょう。

さらに、教育・問い合わせ対応・実装サポートをより円滑に進めるための機能や仕組みなどは(通常版には必要ないので)結果的にPremium限定になるでしょう。

Premiumで先行リリースした機能を通常版にも反映するという動きもあり得ると考えています。

GoogleアナリティクスPremiumにおける懸念は?

ツールそのものに関しての懸念は、個人的にはあまりありません。気になる点があるとすれば、サポート・実装・教育といった周辺のサービス部分です。ここはまだ(日本では)未知数の部分も多いです。

個人的に「ツール」としての機能などは、システムを選ぶうえで50%程度の重要度だと考えています。残りの50%がこれらサポート・実装・教育といった部分になります。つまり、

  • 問い合わせを送ったら、どれくらいの精度で何日以内に返ってくるのか。どういった質問が代理店・Google(日本法人)・Google(本国)で回答されるのか。それぞれの回答担当者の振り分けルールや体制は?

  • ヘルプの仕組みはどこまで充実してアップデートが定期的に行われるのか

  • Googleアナリティクスではいきなり機能やレポートの追加・変更・削除がアナウンスなしでおこなわれていたが、今後はちゃんと事前のリリース日連絡があるのか

  • 教育プログラムのコストやクオリティは?

  • 実装はどこまでチェックをしてくれるのか? 計測記述を書いてくれたり、テストを助けてくれたりするのか

  • 日本からの要望はどのように米国まで伝えられて、改善実現率は何%なのか

などの部分が、お金を払っている利用者の満足度に繋がってきます。

これは日本ではじまってみて、実際に運用がはじまらないと見えてこない部分ですが、逆にこの部分の満足度が非常に高ければ、良い評判というのが一気に広がるのではないでしょうか。

◇◇◇

というわけで、6つの質問を自分で用意して自分で回答してみました。皆さんはGoogleアナリティクスPremiumにどのような期待・不安・意見がありますか?ぜひ、教えてくださいませ。

この記事は、ブログ「リアルアクセス解析」の以下の記事をWeb担当者Forum用に加筆・再編集して掲載しています:
小川 卓(おがわ たく)

小川 卓(おがわ たく)

1978年3月23日、横浜生まれ。在米・在英10年。ロンドン大学(UCL)卒業・早稲田大学大学院卒業。専攻は化学。

マイクロソフト株式会社に入社、その後株式会社ウェブマネーでマーケティング部門の立ち上げを上司とともに行う。2006年より、現職である株式会社に入社。150サイト以上あるWebサイトに対しての、アクセス解析の選定・導入・運用・教育などを担当。

個人の活動として、アクセス解析イニシアチブスタッフ。アクセス解析の輪を広げる合弁会社に立ち上げ時にスタッフとして参加。FAQやWikiの作成、講演などをさせていただいています。

著書に『ウェブ分析論』(ソフトバンククリエイティブ)があり、ほかにも本気で活用したい人へ!ゼロからわかるアクセス解析導入・運用完全ガイドという連載をMarkezineにて執筆(全30回)。ほかMarkezineにて執筆多数

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オリジナル記事:GoogleアナリティクスPremiumに関する6つの疑問とその答 [GoogleアナリティクスPremium【短期集中連載】] | Web担当者Forum
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