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“あのTVCMの成果だってよ、うはははは”と代理店の人は言った [編集長ブログ―安田英久] | Web担当者Forum

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今日は、某広告代理店さんとの会話から、「マーケティング施策の目的と効果」に関して。特にウェブにどっぷりと浸かっている人に向けて。

あのTVCMの成果だってよ、うははははは。
 成果ですか、まいったな、編集長さまは!

そう言って乾いた笑いを発したのは、ある広告代理店の人。

4~5年ほど前だったでしょうか。マス広告に強く、デジタル広告も手がける広告代理店さんの忘年会に伺ったときのことです。

あのスゴいTVCMを手がけた男ですよ、こいつは」とクリエイターさんを紹介されたときに、私が「なるほど、して、その効果はどうだったんですか?」と聞いたことに対する反応でした。

まだ若かった私は「やっぱりマス広告の人たちは成果とか気にしてないんだな」と思って話題を変えましたが、後になって、そのやりとりを思い出しては恥ずかしくなったものです。

というのも、その反応を私は「成果とか、そんなに意識してなかったから、そこを指摘されると厳しい」という意味だと思ったのですが、おそらく彼らは「直接の売上みたいな成果を目的にやる案件じゃないよ、そんな近視眼的な話をされても困る」という反応だったのだろうな、と。

当時はWeb担当者Forumを立ち上げたころで、リスティング広告やSEOに夢中になっていた私の意識はやはり「費用対効果」というところにありました。しかし、企業のマーケティング活動は最後の刈り取り部分だけ見ていてもまわりません。制作にも枠にも大々的に予算をかけて継続的にマス広告を出していくような業種では、なおさらです。

件のクリエイター氏の手がけた案件は、おそらくもっと手前の、市場を作ったり、知ってもらったり、好感度を高めたりといったことが目的だったのでしょう。そりゃ、テレビCMですからね。

もちろんテレビCMでも成果を何らかの形で測ることはできます。視聴率はもちろん、分単位のアクセス解析により、CMの放送が企業サイトへのアクセスにどの程度影響を与えたかは調べられますし、実店舗での販売にも動きが出ることでしょう。

でも、世の中の多くの人の態度変容を「成果」として細かくとるのは、不可能だとは言いませんが、アクセス解析ほどの回転速度でPDCAをまわして行うべきものだとは言えません。

そうした態度変容を期待されるぐらいの案件を任されている人にドヤ顔で「で、成果は?」なんて聞けば、そりゃバカにされても仕方ないでしょう。

同様のことは、ウェブでも起きています。

ネットでのマーケティング活動というと、すぐに刈り取り系の費用対効果の話題になることが多いものです。もちろん昔からあるジャンルの商材ならば刈り取り命の部分も否定できませんが、新しいジャンルの商材ならば市場創製や認知を目的に行う施策は必要です。また、大量のデータをもとに子細に調べなければ見えてこないビュースルーによる認知効果もあります。さまざまな技術的制約から本当のユーザー行動が見えなくなってしまう部分もあります。

費用対効果が見えやすいネット広告の世界にどっぷり浸かっている人にのなかには、「データでとれない効果は効果じゃない」という意見もあります。でも、本当にそうでしょうか。

もっと大きな目で、自社と顧客の関係、顧客がどういったモチベーションやニーズでどんなパターンで行動するのか、そうしたことを改めて見直すことで、見えやすい数値データ以外の本当に大切なものが見えてくることもあるのではないでしょうか。

「今ごろ何を言ってるの?」と言われるかもしれませんが、最近、「簡単には数値として見えてこないし達成するのは大変だけど、その役割をちゃんと果たす」人に会うたびに冒頭のやりとりを思い出していたので、文章にまとめてみました。

具体的な方法論やノウハウじゃないまとまりのない内容ですいません。

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[ユーザー投稿] 【3/8(木)渋谷、90名限定】Web制作会社さん・Web担当者さんの交流会「第7回さぶみっと!オフ会」をやります!ぜひご参加しませんか? | Web担当者Forum

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※この記事はWeb担の読者によって投稿されたユーザー投稿のため、Web担編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、Web担編集部はこの内容について正確性を保証できません。

2012年3月8日(木)、東京・渋谷にてWeb制作会社さんやWeb担当者さんの交流を目的とした「さぶみっと!オフ会」を開催いたします!Web制作会社さんを中心におよそ90名ほどの集まりにりますのでWeb担読者の皆さまぜひご参加ください。

続きを読む (3,829 文字)

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ベスト・ニュースリリース大賞2011、グランプリはパナソニックが受賞 ニューズ・ツー・ユーが各賞を発表 [ニュース] | Web担当者Forum

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ニューズ・ツー・ユーは、優れたニュースリリースを顕彰する「ベスト・ニュースリリース大賞2011」の「グランプリ」以下各賞の受賞社を決定し、2月21日に発表した。

グランプリ受賞は、パナソニック株式会社の「アースランチアワー」開催を報告するリリース。

  • パナソニックグループと世界の皆さん約42万人が参加した「アースランチアワー」
    http://www.news2u.net/releases/77206
    (パナソニック株式会社)

「ベスト・ニュースリリース大賞2011」の審査対象となったのは、同社の運営するリリース掲載・配信サービス「News2u.net」に2010年7月から2011年12月までの間に掲載された2万1574本のニュースリリース。

そのなかから最も印象的で模範となるリリースを選出・表彰する「News2uリリース 月間ベストリリース賞」に選ばれた18件を対象に審査員がノミネート8件を選出、最終審査を経て各賞が決定した。2月21日に開催された「第6回News2uユーザー会」にて贈賞式が開催され、受賞者に記念品が贈呈された。

審査を行ったのは、News2uユーザー会会長の玉川岳郎氏(日本オラクル株式会社)、ニューズ・ツー・ユー代表取締役の神原弥奈子氏と、Web担当者Forum編集長の安田英久。

グランプリを含む各賞を受賞したリリースは、次のとおり。

  • グランプリ(再掲)
    パナソニックグループと世界の皆さん約42万人が参加した「アースランチアワー」
    http://www.news2u.net/releases/77206
    (パナソニック株式会社)

  • メディアパートナー賞
    NEC「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2011」いよいよ、明日(11/10)から開催!
    ~2011年11月10日-11日に東京国際フォーラムにて開催~
    http://www.news2u.net/releases/91610
    (日本電気株式会社)

  • ユーザー会会長賞
    仕事と育児の両立支援策の一環として「一時保育補助プログラム」を開始
    http://www.news2u.net/releases/87300
    (日本イーライリリー株式会社)

  • 審査員特別賞

    (阪急阪神エクスプレス株式会社/株式会社阪急阪神交通社ホールディングス)

グランプリを受賞したパナソニック株式会社のアースランチアワーのリリースに関して、審査員の神原弥奈子氏(株式会社ニューズ・ツー・ユー)は次のようにコメントしている。

グローバルなCSR活動を伝えるニュースリリース。本リリースは活動報告になりますが、開催告知についても事前にニュースリリースとして公表してあり、マスメディアでは紹介されにくい企業のCSR 活動について、ニュースリリースを活用して丁寧に情報発信をしています。また、ニュースリリース本文では、特設サイトへのリンクを本文の上部におき、効果的なビジュアルを4点用意するなど、ニュースリリースのフォーマットとしても参考になります。

その他の各賞に関するコメントなどは、「ベスト・ニュースリリース大賞2011」発表のリリースを参照のこと。
  • 『ベスト・ニュースリリース大賞2011』発表!グランプリはパナソニック株式会社~ネットPRのニューズ・ツー・ユー開催
    http://www.news2u.net/releases/95443
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ファーストサーバ、パブリッククラウド「Z Cloud」でNode.jsなどプリインストールを拡充 [ニュース] | Web担当者Forum

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レンタルサーバーサービスのファーストサーバは、パブリッククラウドサービス「Z Cloud」のプリインストールパッケージにOSやデータベースなど計8種類を2月21日追加する、と同日発表した。追加するプリインストールパッケージはネットワークアプリケーションを構築するプラットホーム「Node.js」のほか、「Debian」「Ubuntu」「Fedora」などの汎用OS、データベースシステムなど。

Z Cloudは、突発的な大量のアクセスがあっても平常時の数倍のCPUリソースを自動的に割り当てるCPUバースト対応機能を持つパブリッククラウドサービス。利用者はプリインストールパッケージの中から必要に応じた環境を選択してサーバー環境を構築することができる。Z Cloudの料金は、1時間8.1円(Small1)から1時間34.3円(Large8)。

ファーストサーバ
http://www.firstserver.co.jp/

Z Cloud
http://z-cloud.jp/

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mediba、スマートフォン向けアドネットワーク「mediba ad」でリッチアドのトライアル配信開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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KDDI系のmedibaは、同社のスマートフォン向けアドネットワークサービス「mediba ad」で、HTML5で作られFlashのようなコンテンツが展開する「リッチアド」のトライアル配信を2月15日開始した、と2月21日発表した。手始めに全日本空輸とメルセデス・ベンツ日本のリッチアドを配信する。スマートフォン広告市場では、動画広告やアニメーション広告、クリックすると全面に広告が広がる「エキスパンド広告」など、リッチアドの配信ニーズが高まっていることからトライアル配信することにした。

今回mediba adで配信するのはどちらもエキスパンド広告で、全日本空輸は3Dバナーを活用、メルセデス・ベンツ日本はイメージギャラリーへの誘導などを行う。配信した広告の滞在時間や動画の再生回数、ランディングページへの移動率、エキスパンド広告が拡大表示した回数など、出稿広告の効果測定も可能となっている。トライアル配信は4月に効果検証を行い、今後はスマートフォンのほか、タブレット端末、マルチデバイスへの展開も予定している。

mediba
http://www.mediba.jp/

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経産省が「越境EC応援ポータルサイト」開設、海外進出を支援 [日本ネット経済新聞ダイジェスト] | Web担当者Forum

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日本ネット経済新聞ダイジェスト

経済産業省は2月3日、ネット通販で海外の消費者に商品を販売するのに必要な情報をまとめたポータルサイトを開設した。現地法人を設立するなど多額の投資が困難な事業者を対象に、海外進出を支援する。

海外で通販サイトを開設する方法、効果的な販促策、海外顧客への配送方法、日本および各国の関連法制度、トラブルへの対処法を紹介。民間の市場調査会社と共同で中国や欧米のネット通販市場を調査したマーケティングデータも公開する。

被災地のネット通販事業者や被災地関連商品を取り扱うネット通販事業者を対象にした海外進出支援も開始する。海外のECモールなどと連携し、通販サイトの制作・運営や販促を支援していく。

12年4月までに民間のEC支援団体を通じて青森、山形、秋田、岩手、宮城、茨城、栃木、群馬、千葉のネット通販事業者から約200社を募集する。

同省は11年度第3次補正予算で震災復興のためのEC支援策として1億5000万円を計上した。

・越境EC応援ポータル(経済産業省)
http://www.cbec.go.jp/

・経済産業省プレスリリース
http://www.meti.go.jp/press/2011/02/20120203005/20120203005.html

※記事内容は日本ネット経済新聞の紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをWeb担当者Forum編集部が追加している場合もあります。
※見出しはWeb担当者Forum編集部が編集している場合もあります。
※週刊『日流eコマース』は、2011年6月23日より『日本ネット経済新聞』へとリニューアルしました。

「日本ネット経済新聞」は、インターネットビジネスに関連する宅配(オフィス配)のニュース情報紙です。日々変化するネット業界の情報をわかりやすく詳しく伝え、新しいビジネスヒントを提供していきます。前身のネット通販専門紙「週刊日流eコマース」(2007年1月創刊)の取材活動で培ってきた情報ネットワークをさらに拡大し発展させています。

このコーナーでは、日本ネット経済新聞編集部の協力により、毎号からピックアップしたEC関連のニュースや記事などをお届けしていきます。

→日本ネット経済新聞についてもっと詳しく知りたい

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“ブラック・テキスト芸” 4タイプを検証、グレーからブラックぎりぎりまで [企業ホームページ運営の心得] | Web担当者Forum

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Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の弐百伍十弐

ステマを非難できない理由

私にはステルスマーケティング(ステマ)を一方的に批判することはできません。「食べログ」の不正投稿事件を受けて注目されたステマとは、利益供与を受けている事実を隠した販促活動を指しますが、現代広告において第三者を装い商品を礼賛させることは日常的な手法だからです。

利益供与の有無は明らかにされませんが、バラエティ番組でタイアップ商品を、わざとらしく「旨い」と唸るタレントなど枚挙に暇がありません。氾濫する理由は、それだけステマ的手法には効果があるからです。

私が「ブラック・テキスト芸」と名付けた文章術も、そうした用法に応用できます。使い方によってはブラックに染まってしまいますのでご注意を。

1. 全体像や細かな数字をスルー

以下はあるWeb業界著名人のソーシャルメディアのイベントでの発言の要約です。

ソーシャルメディア経由の来店が1割で、その1割で黒字になっている店が結構ある

たった1割の客により黒字になるならば「成功」とだれもが思うことでしょう。しかし、ブラック・テキスト芸としてみたときに、初歩の「根拠のない数字の披瀝」という手法が使われています。実はこの証言には、ざっと挙げただけでも以下の4つの疑問があるのです。

  1. ソーシャルメディア利用以前の来店動機分布がわからない
  2. 全体の来店客数が示されていない
  3. 黒字額が明らかにされていない
  4. 「結構」とは絶対数か、相対的割合か

簡単な例を挙げれば、5人も座れば満席となるバーと、100人規模の宴会ができるレストランでは、1割の持つ意味が大きく異なります。そこを「スルー」することで、ゆるぎない成功例のように錯覚させるという手法で、提示された「数字」だけで判断したがる人間の習性を利用しています。

これはステマとは別物ではありますが、客観的に事象を語っている人が、利益該当者であるという外形的な構図は重なります。

2. 根拠を示す方法

実はこの手法、企業広報などでは頻繁に使われています。2~3年前にWeb業界を賑わせた、パソコン通販の「Dell」がツイッターにより多額の売上を計上したというネタもこれで、全体の売上から見ればささやかな売上であったことは以前に本欄で指摘した通りです。

実戦の場で「根拠のない数字の披瀝」は、次のような方法として使えます。売れゆきが悪く、1ヶ月に一個しか入荷しない商品なら、

毎月限定1個のみ入荷の○○

と紹介。限定している理由=すなわち根拠は述べません。根拠の示されていない数字はあてにならないのですが人は数字を信用します。「それでは根拠が示されていれば正しいのか」と、素直に思うあなたはブラック・テキスト芸にとって上客です。

3. 都合の良い数字とグラフ

上客である理由は「都合の良い根拠付きの数字」など、いくらでも用意できるからです。たとえば、「地球温暖化」で検索すれば、悪化を伝える数値をいくらでも拾えます。これに「嘘」と加えて検索すれば簡単に「懐疑論」から数値を引用できます。さらに根拠付きの数字は組み合わせることで、より効果を発揮します。

大学進学率はバブル崩壊以降、急激に伸びたことは文科省のホームページにあるPDFで知ることができます。次に「一人当たりの名目GDPの推移」のグラフをみると、大学進学率の急激な伸びと対照的に「停滞」しており、両者のグラフを重ね、

大卒は社会の役に立たない

という結論につなげてしまいます。もちろん本稿のために用意した暴論ですが、数字と「グラフ」を並べると納得する人は少なくありません。そして「グラフ」は恣意的に加工できる定番ツールですが、これについてはいずれ機会があれば。

4. 私見に過ぎないが

さらに中立を装いながら、客を誘導するのに役立つのが「仮定、架空、思考実験」というバーチャル三姉妹です。たとえば、先ほどの大学進学率の話に加えて、国立大学だけで1兆円を超える運営費交付金、という名の税金が投じられている現状を嘆きます。そして、「仮定の話だが」と切り出し、交付金を半減していれば、バブル崩壊後の20年間で10兆円もの大金を別の事業に充てることができたはずだ、といった感じで使います。交付金をいきなり半額にすることなどできないのですがね。

三姉妹はリアルと地続きに暴論を吐くときは「仮定」、ファンタジーを語るときは「架空」、少し気取るときには「思考実験」と使い分けています。

さらに議論を誘導しやすいのが「私見」。先の大学進学率についても、

私見に過ぎないが大量の大卒者が世に出たことにより、経済低迷を食い止めているという見方もできる

と、同じデータから正反対の結論を述べることも可能です。「語弊を怖れずに」や「戯れを述べれば」と枕詞をおけば、暴論の印象を和らげることができます。文章の構成的には先の「バーチャル三姉妹」と同じですが、私見ではより偏った意見を述べやすいようです。

実戦配備には

いま、少し筆が……キーボードを堅く感じているのは、私の良心のサボタージュによります。「説得力を持たせた暴論」を作るノウハウを商品の推奨に使えば、(お客をだま……)誘導しやすいというのが本稿の結論です。そして、架空や私見と断ることで、ステマと一線を画します。それは、

表現の自由と思想信条の自由

架空や私見と明示することで憲法の保護下に逃げ込みます。「ステマすれすれ」の手法は広告表現では日常的な技法で、今回、商品の紹介などの実例を登場させなかったのは、意図していないところで迷惑をかける恐れがあり、これは俗に言う「大人の事情」という奴です。

さらに黒さは止まりません。「ブラック・テキスト芸」を駆使した作文に「客の声」や「アンケート結果」を添えることで販促効果はさらに高まります。そして好意的に書かせる「客の声の集め方」や、都合の良い結論を得るための「アンケート方法」も実在していますが……今回はここまで。

今回のポイント

印象操作は文章の得意とするところ

ただし、心に誠実さを抱えて……いてほしいなぁと

宮脇睦

宮脇 睦(みやわき あつし)

プログラマーを振り出しにさまざまな社会経験を積んだ後、有限会社アズモードを設立。

制作、営業の双方の現場を知ることからウェブとリアルビジネスの融合を目指した「営業戦略付きホームページ」を提供し、一業種一社、制作案件は足立区内のみという営業施策をとっている。本業の傍らメールマガジン「マスコミでは言えないこと」を発行。好評を博す。著書に『Web2.0が殺すもの』『楽天市場がなくなる日』(ともに洋泉社)、『月刊宝島』などに寄稿。

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Twitterは見出し、Facebookは画像で勝負。コンテンツを重視しながら“刺さるツイート”を追求/地球の歩き方 [企業担当者に聞くTwitter運用の現場] | Web担当者Forum

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Twitter運用の現場を突撃! 企業担当者に聞くTwitter運用
メルマガはじっくり読むタイプ。Twitterは見出し、Facebookは画像が決め手に
一番大きな変化は、ユーザーの反応が見えるようになったことです
地球の歩き方
地球の歩き方
http://www.arukikata.co.jp/

このように語ってくれたのは、1年以上にわたりTwitterを活用する旅行情報サイト、「地球の歩き方」のTwitter運営を担当する田中正樹氏と小鹿由紀子氏だ。地球の歩き方では、企業の公式Twitterアカウントとして、@news_arukikataなどを運営している。

海外旅行のガイドブックで有名な同社ではどのようなTwitter運営を行っているのか、詳しい話を伺った。

@news_arukikataのプロフィール(データは2012年2月14日時点)
名称:地球の歩き方

ID@news_arukikata

自己紹介
海外旅行の最新情報 「地球の歩き方」です。旅行に関するお役立ち情報をつぶやきます。

  • フォローしている数 6,272
  • フォローされている数 6,340
  • リスト 338

読者とのコミュニケーションの場としてホームページを開設

海外旅行のガイドブックで有名な同社だが、どのようにインターネットを活用しているのだろうか。

株式会社地球の歩き方 T&E
メディア事業部
コンテンツ課 課長
田中 正樹氏

地球の歩き方と聞くと、海外旅行のガイドブックをイメージされる方が多いと思うのですが、留学事業(成功する留学)、旅行カウンター(旅プラザ)、航空券販売(アルキカタ・ドット・コム)・ツアー販売(地球の歩き方Travel)の運営など旅行関連のさまざまなビジネスを展開しています。そのなかでも、私たちメディア部門では『地球の歩き方ホームページ』を運営しており、国内外の旅行先の情報提供や、オリジナル旅行用品の販売、ユーザーコミュニティの運営、旅行スケジュールの作成ツール(旅スケ)など旅行に役立つ情報を日々発信しています」(田中氏)

そうしたなか、書籍による情報発信だけでなく、双方向のコミュニケーションを行おうと考えたのが、インターネット活用のきっかけだったと、田中氏は話す。

オリジナル旅行用品を販売している物販の部門は、インターネットを1つの販売チャネルとして捉えていますが、我々が所属しているメディア部門では、インターネットのあり方をユーザーのみなさんとコミュニケーションをする場であると考えています。

Twitter活用の目的
ブログ記事の自動ツイートをきっかけにTwitterを開始

双方向コミュニケーションを目的にホームページの運営を始めたという地球の歩き方。ソーシャルメディアでもこうした姿勢は変わらないという。

今、私たちが目指しているところは、情報提供だけでなく、スケジュールの作成ツールなどを含めて、旅行者のみなさまにとって、より役立つ存在になろう、という思いがあります。ホームページについては、掲示板の開設後、情報の吸い上げというところでユーザーの方々がクチコミを投稿できる場を設けたり、読者からの反応が得やすいようにコメント欄付きのブログ運営といったことを行ってきました。ソーシャルメディアについても、同じ考えを持って日々運営しています」(田中氏)

旅行者にとって役立つ存在であり続ける、その目的のために新たにTwitterにも取り組み始めた同社。運営開始から1年以上経過しているTwitterだが、現在はどのように捉えているのだろうか。

新しい情報配信ツールの1つと捉えています。我々のビジネスにとって、情報配信は旅行者の方と接点をもつための取り組みとして非常に重要です。今では主流となっている、メールマガジンやRSSといった情報配信ツールにも早い段階から飛びついていましたし、10年以上ホームページを運営しているなかで、その他にもさまざまな試みをしてきました。そのなかでも、ユーザー同士のコミュニケーションから生まれる、Twitterの情報伝播力はすばらしいと感じています」(田中氏)

現在運営しているTwitterアカウントについて伺った。

ホームページ内のTwitterアカウント紹介ページにもあるように、5つのアカウントを運営しています。私たちが運営しているのは、旅行に関するお得な情報やニュースをつぶやく@news_arukikataと、特派員が現地情報をお届けする『特派員ブログ』の@blog_arukikataの2つです。その他に、弊社が運営する旅行用品の通販サイト『地球の歩き方ストア』が運営する@arukikata_store、ランニング情報のコミュニティ『地球の走り方』の@Runinfo、『地球の歩き方編集部』が運営する@arukikata_bookがあります」(田中氏)

地球の歩き方が運営する4つのTwitterアカウント

こうしたTwitterアカウントを運営開始するきっかけは、どのようなものだったのか。

会社公式ではなく、特派員ブログのスタッフが運用を始めた、@blog_arukikataの成功が現在の運営体制のきっかけだったと記憶しています。@blog_arukikataは、世界100都市に駐在する、地球の歩き方の特派員が日々更新をしているブログ記事を、記事が更新されるたびに自動的につぶやくbotタイプのアカウントです。プログラムの経験があったので、自作のプログラムで運用を始めました。

当時はまだTwitterが日本で紹介され始めた頃で、ユーザー数も少なく、あまり期待していなかったんですが、運用してみると結構反応が良かったんです。フォロワー数の増加速度やリンク先へのトラフィック増といった目に見える形で効果を実感できたので、社内の会議で報告しました。そこで、Twitterを使った情報発信もできると社内で採り上げられ、RSSで自動配信するようなタイプではなく、各部門の担当者から直接情報を発信していくTwitterアカウントを作ろうと、@news_arukikataなどを開設しました」(田中氏)

@news_arukikataの立ち上げ時には、どのような話し合いがなされたのだろうか。

Twitter運営のような大きな費用が発生しない施策については、比較的柔軟に動ける社内環境のため、担当者レベルでメンバーを集めて『はじめようか』というものだったと思います。いまパッと聞かれて記憶にないぐらいですから、それぐらいライトな感覚で運営を始めたのだと思います(笑)。メンバーの選出については、各部門やサービスのホームページ上の情報を更新する立場のメンバーが多かったですね。最初に担当を1人と決めてしまうと業務に負担がかかってしまうので、負担を分散させたいという思いもあって6人で始めました」(田中氏)

Twitter運営の責任者でもある、田中氏の成功体験を会社全体の取り組みとした同社。情報配信という、旅行者と接点を持つためのツールとしてTwitterを全社的に取り入れた、同社の柔軟かつ軽快な対応には、すばらしいものがあると感じた。

  • サイトの更新状況を俯瞰的に把握できるデザイナーがツイートを担当
  • 多発する炎上事件に危機感を持ち、運営ポリシーを策定
  • ツールを使い分け、旅行に行きたくなるような情報を発信していきたい
  • ツイートの見出しは、旅行に関心のある人に刺さるものを追求

運営体制
サイトの更新状況を俯瞰的に把握できるデザイナーがツイートを担当

現在の運営体制について伺った。

株式会社地球の歩き方 T&E
メディア事業本部
ブランドマーケティング部
小鹿 由紀子氏

4つのTwitterアカウントそれぞれに担当者が1人ずついる4人体制ですが、立ち上げ当初は@news_arukikataに6名の担当者がいましたので、合計で10名弱のメンバーがいたことになります。@news_arukikataについては、最初は担当者ごとに役割を持っていたのですが、運営を続けるなかで、次第にツイートするメンバーが減ってしまいまして、現在は私が多くの投稿を担当しています(笑)」(小鹿氏)

@news_arukikataの運営には毎日どのぐらいの時間を費やしているのだろうか。

1日に2~3回はツイートしたいと思っているので、更新情報のなかですぐに良い情報が見つかれば5分程度です。話題を探すためにもう少し時間をかけることもあります。朝の出社したタイミングで1件投稿をして、アカウント宛てに問い合わせが届いていたら、回答することをしています。その後、ホームページを更新しながら良い情報を見つけたら投稿するといったように、制作業務の合間でやっている感じです」(小鹿氏)

サイト制作部門がTwitterを担当するのには珍しいケースだ。制作の小鹿氏が担当するのには、何か理由があるのだろうか。

特に意図はないんですが、制作担当としてホームページ上のコンテンツの更新状況を把握できているため、情報発信をしやすい立場ではあると思います。特に小鹿は制作担当として、我々のホームページのかなりの部分を担当しているので、コンテンツの更新状況を俯瞰的に把握できる立場にあるんですね。結果的に1人の運営者に任せてしまうことになっていますが、ある意味で最も効率的なプロセスに自然と移行していったと捉えています」(田中氏)

Twitterの運営では、どのようなツールを利用しているのだろうか。

@blog_arukikataでは、ブログの更新情報を自動的にツイートしてくれるRSS2Tweetというツールを使っていた時期があったのですが、投稿間隔にムラがあったり最新記事を配信していなかったりなど、動作も不安定だったので自分自身でプログラムしてしまったという経緯があります。@news_arukikataについては、現在はつぶやきデスクを利用しています。主に使っている機能は投稿予約機能ですね。普段はリアルタイムで投稿しているのですが、会社が休みの週末、土日のつぶやきを金曜日に予約しておけるので便利ですね」(田中氏)

運営ポリシー
多発する炎上事件に危機感を持ち、運営ポリシーを策定

現在、運営ポリシーのようなものは設けているのだろうか。

そうですね、運営メンバーのなかで、Twitter運営ルールと呼べるものは作りました。ただ、それも“ですます調でなければいけません”といった絶対に守らなければならないルールというものではなく、どちらかというと心得のようなイメージに近いです。“あなたの投稿がどれだけ影響を与えるかをわかってください”といったものですね」(田中氏)

運営ルールはいつ頃作成したのだろうか。

草案を作ったのが2010年の秋口ぐらいだったと思います。弊社としてはすでにTwitterを運営し始めてかなりの時間が経過していたのですが、ちょうどその頃に、ソーシャルメディアでの炎上事件が目につくようになったこともあって作成しようと思いました」(田中氏)

Twitter上での問い合わせ対応として何か方針として決めていることはあるのだろうか。

ホームページの問い合わせ窓口と対応方針を合わせるようにしています。たとえば、各部門の担当者レベルでなければ回答できない問い合わせについては、担当者へつなぐといったオペレーションなどです。ただ、Twitterからの問い合わせだと、回答する担当者がTwitterを使い慣れていないケースもあるので、そういう場合には回答案を作成した段階で、どのように返信するかはTwitter担当に任せるなど、臨機応変に対応しています。

もちろん、今までにクレームなどの難しい対応に迫られたことがないのも、うまく運営できていると感じる理由かもしれません。回答に困る問い合わせを強いて挙げるとすれば、現地特派員が書くブログ記事に対する質問ですが、その場合は特派員の方にTwitterで返してもらうことは難しいので、ブログのコメント欄に書いていただくようにご案内しています」(小鹿氏)

制作担当が1名でTwitter運営をする同社の体制を耳にしたとき、日本IBM社のTwitter運営体制を思い出した(インタビュー記事)。@IBM_JAPANは、社内のイントラネットを担当するメンバーが自社の最新情報を把握しやすい役割であったのに対して、@news_arukikataの場合は制作担当である小鹿氏がその役割であったがために、Twitter運営の適任者だったのかもしれない。

  • ツールを使い分け、旅行に行きたくなるような情報を発信していきたい
  • ツイートの見出しは、旅行に関心のある人に刺さるものを追求

効果測定
ツールを使い分け、旅行に行きたくなるような情報を発信していきたい

ツイートの内容についてはどのような心がけをしているのだろうか。

私たちのツイートのメインは、旅行情報を提供するものが多くなるんですけれど、そのなかでも旅行に行きたくなるような情報を発信しようという点は、常に意識するようにしています。現地に住んでいる特派員の方が書いている記事については、リアルな内容のものが多く、Twitter上でも反応が良いのでなるべく多く紹介するようにしています。あとは、旅行にこれから行く人も見ていると思いますので、海外の情報として、たとえばヨーロッパ鉄道のストライキの状況ですといったものや、航空機の運行情報などもつぶやくようにしています」(小鹿氏)

特に反応の良いツイートの傾向などはあるのだろうか。

現地の情報のなかでも、特に食べ物の情報は反応が良いですね。あとは、弊社の旅の口コミに投稿された情報をつぶやくこともあるんですけれど、これも結構反応が良いです。クチコミ情報のなかには、航空機のなかを撮影してレポートいただいているようなものもあるので、そういったクチコミをTwitterでご紹介する場合は、写真の内容がわかるようにコメントを付けて紹介することで、リツイートの数が増えるようになったと実感しています。ホームページへの来訪にもつながっていると思います」(小鹿氏)

メルマガやFacebookなど、その他の情報発信ツールとはどのように使い分けているのだろうか。

サイトの情報発信ツールとしては、メルマガの配信やガイドブック上でのコンテンツの紹介、それから昨年にFacebookページをオープンしてそれぞれ情報発信をしています。感覚的な印象で言うと、“メルマガはじっくり読んでもらうタイプ”で、“Twitterは見出しで決めるタイプ”、“Facebookは画像で魅せるタイプ”といった印象を持っています。

メルマガについては、時間をかけて読んでいただくものですから情報の精度を重要視しています。校正担当もいまして、誤った情報がないように体制を組んでいます。TwitterとFacebookは担当者レベルで運用していますので、その点は大きく異なりますよね。また、TwitterとFacebookは、現在ほぼ運営体制が重なっていることもあり似たような投稿が多いのですが、結構反応が違う点が興味深いですね。

Twitterは発信する情報そのものの価値で反応が決まるのですが、Facebookは写真が綺麗かどうかで反応がまったく変わってきます。また、Facebookのほうがどちらかというと旅行の興味度が高いように感じています。もちろん、Facebookページを立ち上げたタイミングがTwitterよりも遅く、まだコアなユーザーさんしか見ていないのもあると思いますが、そういう空気を感覚として感じていますね」(田中氏)

Twitterはどちらかというと、緊急情報などの伝播力に秀でていて、速報性のある情報に対して大きな反響を呼ぶメディアのように感じていますね。海外で事故などがあった時の情報をツイートすると、反応がすごく早いんですよ。最近あったタイの洪水について、バンコクの特派員が日々発信してくれていたのですが、FacebookよりもTwitterのほうが断然反応がいいんですよね。Facebookはどちらかというと、もう少しゆったりとした感覚で私たちが発信する情報を眺めてくれているような感じがします」(小鹿氏)

ツイート単位の効果測定のようなことは行っているのだろうか。

今はbit.lyを使ってURLのクリック数を見ていますね。もちろん、Google アナリティクスからもサイトへの来訪状況を見るようにしています。社内的にソーシャルメディアからの流入を報告する、というようなことはないのですが、全体の流入元のなかでソーシャルメディアの割合はどれくらいあるのか、という話はしています。コンテンツにもよると思うのですが、ブログのような更新性の高いコンテンツについては、ソーシャルメディアで紹介されるケースも多いので、ソーシャルメディアの流入割合は増えていると思います」(田中氏)

ツイートの見出しは、旅行に関心のある人に刺さるものを追求

Twitterを1年以上活用し続けているが、開始以前と変わったことはあるのだろうか。

何といっても、ユーザーの反応が見えるようになったことが一番大きいのではないでしょうか。我々が投稿した情報に対する反応が見えるのはもちろんのこと、我々の知らないところで、どんな話題として地球の歩き方のことを話されているのか見えるようになったことは大きいです。ユーザーの反応が見えるようになったことで、サイト制作の部分にも変化があります。Twitterの投稿に対する反応の良さから、投稿時の紹介の仕方が重要だとわかりましたので、サイトを制作するタイミングでのタイトルの付け方についても、以前と比べると時間をかけて行うようになったと思います」(田中氏)

現在のフォロワー数は5,000人前後(取材当時)。順調に運営できているという認識なのだろうか。

欲をいえばもっともっとフォロワーが増えていけばいいと思うのですが、順調だと思います。今は地球の歩き方というブランドでフォローをしてくれた方が多いと思うんですけれど、『地球の歩き方ってガイドブックを出しているんだ』と言われる若年層の方って結構多いんですよ。もっと理想をいえば、そういった方とコミュニケーションできるようになればいいと思っています」(田中氏)

現在、目標や参考にしているTwitterアカウントなどはあるのだろうか。

運営開始当初はいろんな企業アカウントを参考にしていましたが、最近は特に参考にしたり、注視したりしているTwitterアカウントはないですね。私たちがTwitterで成果を得ることができるかは、結局のところ旅行に関心のある方に刺さる見出しのツイートができるか、つまりコンテンツの中身が重要だと思うんですよね。

たとえば、ストライキなど緊急性の高い情報については、自社の情報だけでなく、我々が信頼している外部ホームページのURLをつぶやくようなことも積極的に行っています。@news_arukikataをフォローしていれば、旅行に行かれる方にとって有益な情報が得られる、と思っていただけるようなツイートを続けていくことが重要だと思います」(田中氏)

外部サイトの情報も含め、旅行者にとって信頼できる有益な情報を伝えている

最後に今後の抱負を伺った。

近年の傾向として、旅行者数が伸び悩んでいるというトレンドがあるので、我々がこうして世界の情報や、旅行に行きたくなる情報を提供することで、海外旅行に行きたいと思っていただける方が少しでも増えていけばいいと思っています。ソーシャルメディアだと、みんなが同じプラットフォームにいるということもあるので、ウェブサイトでやっているよりは、より簡単に訴求できるのではないかと思い運営しているので、引き続き運営していきたいと思います」(田中氏)

◇◇◇

インターネットを積極的に活用し、ソーシャルメディアにもいち早く取り組んできた同社。その根底には、旅行者にとって信頼できる有益な情報を届けるという姿勢が見て取れる。Google+など、新しいツールについても「サードパーティのツールも含めて、今あるものと新しいソリューションとリソースを検討しつつ、一番効率的な運用方法を考えて攻めていきたい」と田中氏は話す。

ユーザー視点に立ちながら、大企業が陥りがちな部署間のコミュニケーションに悩むことなく、最も効率的な運営方法を選択しトレンドに乗ることができる環境こそが同社の強みである、と感じた。今後も同社の取り組みを見守っていきたい。

酒井 亮平
アユダンテ株式会社
酒井 亮平(Sakai Ryohei)

愛知県出身。84年4月生まれ。学生時代に競泳・ヒッチハイク・インド放浪など。中央大学経済学部を卒業後、株式会社ECホールディングスにて数多くのECサイトへSEM、ユーザビリティ、アクセス解析に関するコンサルティングサービスを提供。2010年7月より、アユダンテ株式会社にてSEOコンサルティングとTwitterマーケティング・アクセス解析を担当中。Google Analytics IQ 保持。

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オリジナル記事:Twitterは見出し、Facebookは画像で勝負。コンテンツを重視しながら“刺さるツイート”を追求/地球の歩き方 [企業担当者に聞くTwitter運用の現場] | Web担当者Forum
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複数台構成やioDrive・SSD選択可能で最短10分納品 クラウド的に使える「さくらの専用サーバ」をさくらインターネットが発表 [ニュース] | Web担当者Forum

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さくらインターネットは、専用サーバーサービスでありながら、クラウドに近い使い勝手を実現する「オンデマンド・セルフサービス・スケールアウト」のコンセプトで作られた新たな専用サーバーサービス「さくらの専用サーバ」を2月29日から提供開始することを発表した。

申し込みから利用開始まで最短10分、OSのインストールやサーバーの再起動をオンラインのコントロールパネルから行え、コンソール画面にもアクセス可能。複数台構成可能で、サーバー台数に上限はない。

ラインナップは次の2種類。

  • エクスプレスシリーズ ―― 最短10分で納品
  • フレックスシリーズ ―― CPU/メモリ/ストレージをカスタマイズ可能なBTOタイプ

どちらのシリーズでも内蔵ストレージとしてSSDを選択可能で、フレックスシリーズではFusion-io社のioDriveの利用も可能。

エクスプレスシリーズでは、サーバーとして「HP ProLiant DL2000」を採用。スペックと価格は以下のとおり。

モデル HP DL2000
Xeon 4Core
HP DL2000
Xeon 6Core
HP DL2000
Xeon 4Core 2CPU
初期費用 7万9,800円 9万9,800円 11万9,800円
月額料金 9,800円 1万1,800円 1万3,800円
CPU Xeon E5620
2.40GHz
4コア
Xeon E5645
2.40GHz
6コア
Xeon E5620
2.40GHz 2CPU
8コア
メモリ 標準16GB、最大64GB
内蔵
ストレージ
標準
  • SATA 1TB RAID1
アップグレード
  • SATA 2TB RAID1
  • SAS 600GB RAID1
  • SATA MLC SSD Intel 320 160GB RAID1
インターネット回線 標準:100Mbps共有回線(ベストエフォート)
オプション:帯域保証回線/Gbps回線
複数台構成時の
ローカル接続
100Mbps
標準提供OS CentOS 6(64bit)
※料金は標準スペックの場合のもの

フレックスシリーズでは、サーバーとして「DELL PowerEdge R510」を採用。スペックと価格は以下のとおり。

初期費用 19万9,800円
CPU Xeon E5645
2.40GHz
6コア
Xeon E5620
2.40GHz 2CPU
8コア
Xeon X5675
3.06GHz
6コア
Xoen X5675
3.06GHz 2CPU
12コア
メモリ 16GB/32GB 16GB/32GB/48GB/64GB 16GB/32GB 16GB/32GB/48GB/64GB
内蔵ストレージ
  • NL-SAS 2TB RAID1/1+0
  • SATA MLC SSD Intel 320 120GB RAID1/1+0
  • SATA MLC SSD Intel 320 600GB RAID1/1+0
  • SATA MLC SSD Intel 520 240GB RAID1/1+0
  • SATA eMLC SSD Intel 710 100GB RAID1/1+0
  • PCIe SSD Fusion-io ioDrive 320GB
  • PCIe SSD Fusion-io ioDrive Duo 640GB
インターネット回線 標準:100Mbps共有回線(ベストエフォート)
オプション:帯域保証回線/Gbps回線
複数台構成時の
ローカル接続
1Gbps
標準提供OS CentOS 6(64bit)
※料金は最小スペックの場合のもの

「さくらの専用サーバ」は、2011年11月に開所した石狩データセンターで提供される。同社では、物理リソースと仮想リソースを一元的に管理しAPIを介してコントロールできる「プログラマブルデータセンター構想」をデータセンターサービスの将来ビジョンとして掲げており、石狩データセンターで提供される「さくらのクラウド」と「さくらの専用サーバ」の2つのサービスは、その基盤をなすものとなる。

今後は、両サービスのネットワークを透過的に繋げる「サービス間L2接続」(VLAN ID変換)をはじめとする次のような機能追加が予定されている。

  • エクスプレスシリーズでのSSDの提供(2012年3月)
  • フレックスシリーズでのIntel 520(SSD)の提供(2012年3月)
  • 物理サーバ管理ツール(IPMI機能)の提供(2012年3月)
  • リモートOSインストール機能の提供(2012年3月)
  • 専用ローカルセグメントの提供(2012年3月)
  • 専用グローバルセグメントの提供(2012年4月)
  • サーバ監視ツールの提供(2012年4月)
  • IPアドレスの逆引き機能の提供(2012年4月)
  • サービス間L2接続機能の提供(2012年4~5月)

・新サービス「さくらの専用サーバ」提供開始のお知らせ(さくらインターネット)
http://server.sakura.ad.jp/news/sakurainfo/newsentry.php?id=611

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サイバーエージェントがAmebaとYahoo! JAPAN共同のスマホ向け広告商品を販売開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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サイバーエージェントは、AmebaとYahoo! JAPANとのスマートフォン向け共同広告商品「ブロードキャンバス 【Yahoo! JAPAN×Ameba】」を2月21日から販売開始した。

同広告商品は、Amebaが提供する「Ameba for SmartPhone タッチキャンバス」と、Yahoo! JAPANが提供する「スマートフォン版Yahoo! JAPAN スマートパネルエキスパンド」を組み合わせたもの。バナーをタップすると広告を展開(エキスパンド)させたりアニメーションさせたりといったことができるなど、スマートフォンの特性を活かし、アニメーションやリッチなクリエイティブを通して訴求力を高める広告商品だとしている。

広告主が一度の発注でスマートフォン版「Ameba」とスマートフォン版「Yahoo! JAPAN」に広告掲載できるため、国内最大規模のスマートフォン広告商品となる。また、両社の広告を個別に出稿する場合よりも割安な配信価格が設定されている。

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データセクション、ツイートの影響度測定やインフルエンサーを特定する分析ツール「TweetAnalyzer」提供開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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プログラム開発・運用のデータセクションは、「Twitter」におけるツイートのRT(リツイート)数やフォロワーの合計、ツイートの多いインフルエンサー(ソーシャルメディアで大きな影響力を持つ人)を特定したランキングデータの分析により、ツイートの影響度やインフルエンサーを特定する分析ツール「TweetAnalyzer」の提供を開始する、と2月21日発表した。データセクションでは2011年1月からTwitterデータを収集しているため、過去のデータまでさかのぼり、インフルエンサーの特定とモニタリングが可能。

TweetAnalyzerは、影響力のあるインフルエンサーや伝搬力のあるキーワードを抽出、モニタリングできる。インフルエンサーの発見以外にも、Twitter上の話題の拡散度の定量化や、データセクションのソーシャルメディア分析ツールとの連携によりテキストマイニング分析などが可能になる。利用シーンとしては、キャンペーンやイベント実施時における影響力の高いインフルエンサーの把握、風評・炎上の拡散の度合いやインフルエンサーの把握とモニタリング、マーケティング活動における影響度合いの高いインフルエンサーの特定と口コミの集計などがあるという。

データセクション
http://www.datasection.co.jp/

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ニューズ・ツー・ユーが米国デラウェア州に100%出資子会社「News2u Inc.」を設立 [ニュース] | Web担当者Forum

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ネットPR支援のニューズ・ツー・ユーは、米国デラウェア州に100%出資子会社の「News2u Inc.」を設立した、と2月22日発表した。News2u Inc.の所在地はアメリカ東海岸のデラウェア州。今後はニューヨークにオフィスを開設し、ニューズ・ツー・ユーの開発したグローバルサービスの販売、マーケティング事業を行う。

ニューズ・ツー・ユーは、ネットPRを支援するASPサービス「News2uリリース」、ニュースリリースポータル「News2u.net」によってインターネットを利用した情報流通を支援している。世界的なソーシャルメディアの普及に合わせ、グローバルな視点からの情報発信やコミュニケーションのニーズが高まっており、情報発信ニーズに対応していくため米国に子会社を設立した。

ニューズ・ツー・ユー
http://www.news2u.co.jp/

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コマースリンクとサイジニア、ECデータフィードサービスとリターゲティング広告で連携 [ニュース] | Web担当者Forum

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情報提供事業のコーマスリンクとインターネット広告のサイジニアは、コマースリンクのECデータフィードサービス「DFO」とサイジニアのリターゲティング広告「デクワス.AD」の連携を2月22日開始した、と同日発表した。DFOは外部の集客サイトを利用するために必要な商品データの作成と登録を代行するサービス。DFOとデクワス.ADの連携により、DFOを導入するネットショップは、商品データの更新や同期作業なしにデクワス.ADを利用することが可能になる。

商品数の多いネットショップは商品データ登録や更新などが煩雑で、リターゲティング広告の利用が困難だった。連携によってDFOのデータ配信先にデクワス.ADが加わり、DFOはデクワス.AD用のデータ作成と登録の代行も開始する。

コマースリンク
http://www.commercelink.co.jp/

サイジニア
http://www.scigineer.co.jp/

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高田純次&ツイッター効果で12月に会員数27万人純増 スタートトゥデイ [日本ネット経済新聞ダイジェスト] | Web担当者Forum

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日本ネット経済新聞ダイジェスト

スタートトゥデイが1月27日に発表した11年4-12月期(第3四半期)の純増会員数は、前年同期比14万4072人増の47万4792人だった。このうち12月は当初の予定を約12万人上回る約27万人の会員を獲得。ツイッターを使ったキャンペーンやテレビCMが寄与した。キャンペーンは12月20-27日の期間限定で実施した。ツイッターのアカウントを持つ約40万人が参加。抽選で通販サイト「ZOZOTOWN」で利用できるポイントを付与した。

テレビCMにはタレントの高田純次さんを起用し、昨年12月に全国で放映した。タレントの起用は初めて。従来のテレビCMよりも幅広い層に訴求できたという。

※記事内容は日本ネット経済新聞の紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをWeb担当者Forum編集部が追加している場合もあります。
※見出しはWeb担当者Forum編集部が編集している場合もあります。
※週刊『日流eコマース』は、2011年6月23日より『日本ネット経済新聞』へとリニューアルしました。

「日本ネット経済新聞」は、インターネットビジネスに関連する宅配(オフィス配)のニュース情報紙です。日々変化するネット業界の情報をわかりやすく詳しく伝え、新しいビジネスヒントを提供していきます。前身のネット通販専門紙「週刊日流eコマース」(2007年1月創刊)の取材活動で培ってきた情報ネットワークをさらに拡大し発展させています。

このコーナーでは、日本ネット経済新聞編集部の協力により、毎号からピックアップしたEC関連のニュースや記事などをお届けしていきます。

→日本ネット経済新聞についてもっと詳しく知りたい

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もしも、「ダイワハウス」を解析するなら(前半)[第54回] [有名サイト、かってに解析!] | Web担当者Forum

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誰もが知っている有名サイトをエキスパートレビューしながら、「もし、アクセス解析するなら」どのポイントに着目するかを第三者的な視点から解説。アクセス解析を用いてサイトの改善を行うための仮説構築力を身につけて、自社サイト、クライアントサイトをアクセス解析する際に役立ててほしい。

有名サイト、かってに解析!

毎週・木曜9時は「かってに解析!」。誰もが知っている有名サイトをかってに取り上げ、「もしもアクセス解析をするならば、どこに目をつけるか?」という視点で、サイトの問題点やチェックポイントにあたりをつける方法を解説していく。

今回は「ダイワハウス」を取り上げる。

「ダイワハウス」の正式名称は大和ハウス工業株式会社、大阪市に本社を置く大手住宅総合メーカーである。最近は、役所広司が出演するコミカルなCMが、よく話題になっている。「ダイワマン」「ダイワマンX」「ダイワニャン」のCMは、一度は見たことがあるのではないだろうか。また、今では当たり前になっているプレハブ住宅を、1959年に日本で初めて商品化したのは同社である(以下、カギ括弧付きで「ダイワハウス」と書くときには、会社自体ではなく、ダイワハウスのWebサイトを指す。他の会社も同様)。

今回と次回、2回にわたり、住宅総合メーカーであるダイワハウスのWebサイトを取り上げ、課題の抽出や考察を行うのだが、筆者は住宅建設や販売にかかわる各企業やサイトが直面している課題や戦略・戦術を十分に理解しているわけではない。あくまでもどのような点に着目したらよいのかを重視して読んでいってほしい。

「ダイワハウス」の閲覧シチュエーションを想定

今回のサイト利用シナリオは、住宅の建て替えを検討している人が、住宅メーカーの注文住宅を検討しようと考え、住宅展示場を見にいくための予約をするというものだ。

誰が 住宅の建て替えを検討している人
何の目的で 住宅メーカーの注文住宅を検討
具体的には 住宅メーカーの特徴を把握、住宅展示場見学の予約

「ダイワハウス」をエキスパートレビュー!

「Yahoo! JAPAN」で「注文住宅」と検索すると4位

まず「Yahoo! JAPAN」で「注文住宅」と検索すると、「ダイワハウス」は自然検索結果の4位に表示されていた(図1の青枠で囲んだ部分)。

図1:「Yahoo! JAPAN」で「注文住宅」と検索した結果画面
図1:「Yahoo! JAPAN」で「注文住宅」と検索した結果画面

上部の検索連動型広告のエリアである「スポンサードサーチ」が5件もあり、ファーストビューの多くの面積を占有している。

このときは、「ダイワハウス」以外の住宅メーカー系では、右の広告エリアに「パナホーム」や「積水ハウス」、上の広告エリアに「ヘーベルハウス」などが見受けられた(図1の赤枠で囲んだ部分)。自然検索結果のエリアでは4位に「ダイワハウス」がある(図1の青枠で囲んだ部分)。

「Google」で「注文住宅」と検索すると9位

「Google」で「注文住宅」と検索したところ、自然検索結果の9位に「ダイワハウス」が表示されていた(図2の青枠で囲んだ部分)。

図2:Googleで「注文住宅」と検索した結果画面
図2:Googleで「注文住宅」と検索した結果画面

やはり、「ダイワハウス」以外の住宅メーカーとしては、上部の検索連動型広告エリアには「パナホーム」、右の広告エリアには「ヘーベルハウス」や「積水ハウス」などが見受けられた(図2の赤枠で囲んだ部分)。「ダイワハウス」はどちらの検索サイトでも、検索連動型広告に「注文住宅」のキーワードでは出稿していないようだ

また、「Yahoo! JAPAN」でも「Google」でも、検索結果のリンク先は、「ダイワハウス」の「注文住宅・建替え」カテゴリーのトップページになっている。

  • 「注文住宅・建替え」カテゴリーのトップページを見てみる

「ダイワハウス」をエキスパートレビュー!(続き)

「注文住宅・建替え」カテゴリーのトップページを見てみる

それでは「ダイワハウス」の「注文住宅・建替え」のトップページ図3)を見ていこう。

大和ハウス工業は住宅メーカーといっても、けっこう手広く事業展開されているようで、「注文住宅・建替え」のカテゴリーは、分譲マンション、賃貸住宅、リフォームといった様々なカテゴリーの中の1つとして、グローバルナビには存在している(図3上部の赤枠で囲んだ部分)。

図3:「ダイワハウス」の「注文住宅・建替え」のトップページ
図3:「ダイワハウス」の「注文住宅・建替え」のトップページ

「注文住宅・建替え」のトップページでは、グローバルナビでこの項目が選択されている状態で、

  • 住宅商品情報
  • 家づくりについて
  • ダイワハウスの特長
  • まちなかジーヴォ
  • 家づくりのご相談

というサブメニューも表示されている(図3上部の青枠部分)。

また左上には「住まいを探す」という切り口でのナビゲーションになっていて(図3上部の緑枠部分)、項目は以下のとおりだ。

  • 住宅商品で選ぶ
  • 外観・内観で選ぶ
  • 住まい方・テーマで選ぶ

メインビジュアルは現在のキャンペーン的な切り口での見せ方をしているものと思われる(ここは後でまた取り上げる)。

メインビジュアル下には、「ダイワハウスの家づくりについて」「ダイワハウスの住まい方提案」など「ダイワハウスの」という枕詞は共通なものの、じっくり読ませたい読み物系のコンテンツが4つのグループで並んでいる(図3上部の黄色枠で囲んだ部分)。ここまでがファーストビューだ。

その下は「住宅展示場を探す」などを中心とした地域の情報にリンクした見せ方をしようとしているようだ(図3中段の赤枠部分)。右側には、筆者の居住地である「神奈川県の展示場」が表示されている。IPアドレスなどから閲覧者の地域を判定して、見せるコンテンツを調整しているのだろうか

その下には「お知らせ」が長く続き、一番下には再び「周辺の物件・展示場」のリンク(図3下段の緑枠で囲んだ部分)、フッターという構成になっている。「周辺の物件・展示場」の部分の説明書きには、「【神奈川県】の周辺物件を表示しています」との表記もあり、こちらも閲覧者の地域を判定して表示するコンテンツの調整をしているものと思われる

一方、長く続く「お知らせ」(図3中段の青枠部分)は、ほとんどのユーザーはあまり見ることはないと思うので、少し冗長な感じを受けた

全体として「注文住宅・建替え」のトップページは小ぎれいにまとまっていると思うが、全般的に小さめな文字には少し抵抗があった。個人的には右上にある[文字サイズを大きく]ボタンをクリックしてちょうどよい塩梅だ。このボタンをクリックすると、Webページの文字サイズが大きくなると同時に、ボタン自体は逆の[文字サイズを小さく]という表示に変化する。つまり、Webページの文字サイズは、2段階で変更できるようになっている。

まずは地震対策機能をチェックしたい

それでは目的に沿って、サイトを見ていくことにしたい。今住宅を建てるにあたっては、2011年3月に起こった東日本大震災があったことから、地震対策を考慮に入れざるを得ない。そこでまずは、地震対策はどのようになっているのかを見ておこう。

「注文住宅・建替え」トップページのメインビジュアル下部に、左から順に以下の4つのボタンが並んでいる。

  • xevo03
  • 太陽割キャンペーン
  • xevoスマ・エコオリジナル
  • 耐震・制震・免震

この4つのボタンのうち、[耐震・制震・免震]をクリックする。するとページ移動は起こらず、メインビジュアル部分だけが変化する。以下に再掲した図3は、じつは[耐震・制震・免震]を一度クリックした画面である。紫枠で囲んだ部分が変化した部分である。

図3(再掲):「ダイワハウス」の「注文住宅・建替え」のトップページ

メインビジュアルを複数のコンテンツで切り替えていく場合にはさまざまな表現方法があり、まだこれだというナビゲーションの決まりはない。ここでは、並んでいる4つのボタンをクリックしても直接そのコンテンツへは飛んでくれなかったので、少しとまどった。「耐震・制震・免震」のページへ移動するには、変化したメインビジュアル自体か、[耐震・制震・免震]のボタンをもう一度クリックしなければいけなかった。

  • 「耐震・制震・免震」のページを見てみよう

「ダイワハウス」をエキスパートレビュー!(続き)

「耐震・制震・免震」のページを見てみよう

さて、その変化したメインビジュアルの方をクリックして飛んだ先が「耐震・制震・免震」のページだ(図4)。

図4:「耐震・制震・免震」のページ
図4:「耐震・制震・免震」のページ

右上には「カタログ請求はこちら」(図4の赤枠で囲んだ部分)のリンクがあり、さりげなくユーザーの個人情報の入手を試みようとしているのはうまい

メインビジュアルでは、「耐震」「制震」「免震」という3つの地震対策が選べるということが書いてある。少々控え目で視認性が悪いが、[次へ]ボタン(図4の青枠で囲んだ部分)をクリックして、次のページを表示させると、図5のようにメインビジュアル部分だけ新しいコンテンツに変わる。図5の赤枠で囲んだ部分の表示が変わるだけで、URLの変化はない。

図5:「耐震・制震・免震」ページの2つ目のメインビジュアル
図5:「耐震・制震・免震」ページの2つ目のメインビジュアル

ここまで見てくると、文字が多い部分の視認性が悪いことが際立ってくる。文章などテキストのコントラストが低く、薄くて読みにくいのだ。そのため、ボタンやリンクなども同様に判別しにくくなっているものが多いことに気がつく。

図5のメインビジュアルでは「標準では耐震だけで、制震と免震の2つはオプションですよ」という話が書いてあるが、「え!それだけで終わり?」という感じを受けた。まさかと思って「耐震技術」とあるボタンのようなアイコン(図5の青枠で囲んだ部分)を試しにクリックしてみると、図6のようにメインビジュアル部分だけまた新しいコンテンツに変わるというユニークなインターフェイスだったことが確認できた。

図6:「耐震・制震・免震」ページで「耐震技術」のコンテンツに変化したメインビジュアル
図6:「耐震・制震・免震」ページで「耐震技術」のコンテンツに変化したメインビジュアル

そして少々不思議に感じていた、テトリスの凸ブロックのような右上のアイコン(図6の赤枠で囲んだ部分)の意味も理解できるようになった。メインビジュアルでは、実際は隠れた3画面を含めて、4画面で耐震・制震・免震の3つのことを説明しようとしているのだということだ。

これは言葉で説明するのが難しいので、実際に「耐震・制震・免震」ページにアクセスして、動作を試してみていただきたい。

図6の青枠で囲んだ部分のリンクを押すと、この右側に隠れている「免震」のページが表示され、反対の左側の図6の緑枠で囲んだ部分のリンクを押すと、左側に隠されている「制震」のページに移動するというわけだ。そして、凸状のアイコン(図6の赤枠で囲んだ部分)の4つの四角をクリックすると、それぞれ該当するページへ直接移動することもできるということだ。

ただ図6の赤枠で囲んだ部分の「TOPへ戻る」は意味合いが少し異なる。これは、「耐震・制震・免震」のトップページに戻り、図4の状態に戻すということを意味している。しかし、このユニークなインターフェイスは、さっと見にきたユーザーにきちんと理解してもらえるだろうか、少々心配だ。根気強くやってみないと理解できないだろう。

ひととおり3つの地震対策システムの説明を読んだあと、図5(「耐震・制震・免震」ページの2つ目のメインビジュアル)の画面に戻って、[耐震・制震・免震の違い]というボタン(図5の緑枠で囲んだ部分)もクリックしてみた。図7の画面がポップアップ的に表示される。

図7:「耐震・制震・免震の違い」画面
図7:「耐震・制震・免震の違い」画面

予想されたとおりだが、免震の効果が一番高いけど、やはり高くなりそうだなあ、などと想像が膨らんだ。注文住宅の見積もりは簡単とは思えないので、一番すぐれている免震のオプションはどのくらいのお値段アップになるかなどは、この時点で聞くことは難しいのだろうと思ってスルーする。

さて、今回はここまでにしておこう。次回は住宅展示場の場所を調べて、来場予約までを行ってみたい。

衣袋教授の丸2日でアクセス解析を徹底的に学ぶ講座アクセス解析ゼミナール」を2012年4月17日と4月24日に開催します。主催はアクセス解析イニシアチブ。3月内申込みで早割あり。 → http://a2i.jp/activity/training

衣袋 宏美

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Web Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

著書など:
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オリジナル記事:もしも、「ダイワハウス」を解析するなら(前半)[第54回] [有名サイト、かってに解析!] | Web担当者Forum
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ヒートマップで導くユーザーの「キモチ」の仮説: ClickTaleを活用したサイト改善事例 [U会話入門] | Web担当者Forum

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U会話入門
株式会社VOYAGE GROUP UIO戦略室が、社内で実践しているWebサイト最適化アプローチ手法について紹介します。コンバージョン率を上げるために必要な「U会話(ゆーかいわ)」の考え方や、具体的な事例やツールを交えて紹介します。
Q

サイトを訪れてくれた人の行動やその背後にある“キモチ”を、もっと理解できる便利なU会話の方法、A/Bテスト以外にはもっとありませんか?

A

「ヒートマップ」というツールがあります。ユーザー行動に関する仮説立ての精度を向上するためにも、おすすめします。

サイト最適化のアプローチ「U会話」を解説するこの連載、前々回前回ではA/BテストによるU会話を紹介しました。今回は、ユーザー行動をビジュアルに見える化してくれるヒートマップの「ClickTale」という分析ツールを活用したテスト事例をご紹介します。

ClickTale(クリックテール)とは?

ClickTaleのことを初めて耳にする方もおられるかと思いますので、アクセス解析ツールとの対比で簡単に説明しておきましょう。

一般的なアクセス解析ツールは、「どのページが見られたか」や「どのようなセッションが発生したのか」を中心に分析します。元となるのは、「サーバーへのリクエスト」や「ブラウザでのページローディング」です。その発祥はサーバーを管理するためのログです。

それに対して、ClickTaleは「カスタマエクスペリエンス分析」ツールです。つまり、Webサイト制作者が「デザインしたインタラクション」に対して、ユーザーが行う「実際のサイト上での行動(体験)」がどうなっているのかを直接検証するために作られたものです。一般的なアクセスログ解析ツールに加え、ユーザー全体を俯瞰してみる各種ヒートマップ(図1)やコンバージョン・ファネル(図2)、さらにユーザーの操作を動画で再現する機能を備えています。

図1 ヒートマップの例。訪問者がよく見ている部分ほど暖かい色が、サイトの表示に重ねて示されます。
図2 コンバージョン・ファネルの例。どこから来たユーザーがどのページを経てどのように離脱したりコンバージョンしたりしたかを整理して確認できます。

Webページを作る際に、私たちはユーザーによる「ページの表示」だけを設計しているわけではありません。ユーザーの学習プロセスやページ内での視線の移動、操作の流れを設計しているのです。ですから、このようなツールでユーザー行動を観察することによって、より直接的にコンバージョン・レートの向上施策につなげやすくなるのです。

たとえばコンバージョン・ファネルはGoogleアナリティクスでも同様の機能がありますが、ClickTaleでは半自動で作られるうえに、フィルタやセグメントごとの対比を容易にできる、というふうにユーザー行動の「なぜ?」を見つける操作をより楽に、直感的に行うことが可能となっています。

図3 日本語によるClickTaleの機能解説(ギャプライズ)

ClickTaleはイスラエルのClickTale社が開発・提供しているツールで、サイトやツールの管理画面はすべて英語です。月間400PVまで記録できる無料版もありますので、まずはそちらでひととおり試してから、しっかりと利用したい場合はビジネス向けの有料版(月額99ドル~)を利用するのがいいでしょう。

日本では株式会社ギャプライズがアフィリエイトパートナーとして日本語による機能解説などを提供しています。

  • ヒートマップから仮説を導出しランディングページからのコンバージョンレートを最適化した事例
  • ClickTaleの入力フォーム分析を利用してフォームのコンバージョンをチェックした事例

ヒートマップから仮説を導出しランディングページからのコンバージョンレートを最適化した事例

ここではClickTaleの使い方を詳しく解説するのではなく、Webサイト「ECナビ」で行った、ClickTaleの「ヒートマップ」機能を活用したLP(ランディングページ)の改善例を紹介します。

図4 今回の改善対象は、ECナビの商品詳細ページ。

分析の対象となったのは、ショッピングサイトの商品詳細ページです。

ECナビでは、ユーザーがこの商品詳細ページへ直接飛んでくるケースが多くありました。しかし、残念ながらコンバージョンレートは必ずしも高いとはいえず、これをどう高めるかが課題でした。

商品詳細ページのうち、よくお客様に利用されるのは約30万ページほど。取り扱う商品もさまざまですので、把握するのは容易ではありません。

そのため、次のような手順で改善を進めました。

アクセス解析で傾向をつかむ

ClickTaleのヒートマップでユーザーの行動を把握する

その結果から仮説を立てる

A/Bテストでその仮説を検証する

アクセス解析で傾向をつかむ

まずGoogleアナリティクスで全体の傾向をつかみます。そのために、全体的な流入元の割合や、流入元ごとの各種データを調べました。

基本的には検索エンジンからの流入が多く、商品詳細ページからの移動先としては、商品カテゴリページに行く以外はほとんど購入ショップへ移動していました。しかし、それ以上に多かったのが直帰でした。

ClickTaleのヒートマップでユーザーの行動を把握する

次に、ClickTaleで分析します。このとき、ヒートマップで特徴が顕著に現れていました。それは、ページの中程にある、関連商品をサムネイル画像で紹介しているあたりにマウスの動きが集中していたことです(図5)。つまり、ユーザーは商品の詳細情報よりも、関連商品のほうをよく見ているということです。

図5 商品詳細ページでは、商品そのものよりも、その下にある関連商品にマウスの動きが集中していた。

その結果から仮説を立てる

このことから、次のような仮説が出てきます。

  • 1つの商品の詳細情報を紹介しているページに来たものの、お客さまは、もっとさまざまな商品を見て回りたいのではないか。

  • ページを開いたときに関連商品が見えるかどうかはページによって異なる。できるだけ多くのページで関連商品が見えるようにすれば、全体的なコンバージョンが上がるのではないか。

A/Bテストでその仮説を検証する

そこで「より関連商品が見える場合」と「そうでない場合」のテストを行いました。

具体的には、ページが表示されたときに、通常どおり表示されるパターン(オリジナル)と、表示されたタイミングでブラウザを自動的に少し下にスクロールして表示するパターン(テストパターン)です。

ページが表示された時点でよりページの下のほうが見えるほうがいいのではないかということです。

  • オリジナル通常どおり
    図6 ページを開いた時点では上部にロゴやメニューが表示されていて、商品以外の情報が占める面積がそれなりにあった。
  • テストパターン表示内容が多くなる処理
    図7 ページを開いた瞬間にページを自動的にスクロールすることで、ブラウザ画面内に商品情報を多く表示するようにした。

このテストの結果を見ると、テストパターンのほうがショップページ(実際に商品を購入できるページ)へのCTRが4.14%向上し、少なくともオリジナルより良いことがわかりました。

テスト結果「テストパターン」でCTR 4.14% 向上

しかし、これをこのまま本番実装するわけにはいきません。ロゴやヘッダーを表示しないサイトなんて、怪しすぎます。かといって、ヘッダー領域をコンパクトにするようなことはサイト全体に影響が及ぶため、施策として重くなってしまいます。

そこで、今度はページのメインとなる領域内を圧縮したらどうなるかを試してみました。ここで、「もしかして:不要?」と思われる情報を思い切って削除します。商品の送料や支払い方法などです。

  • オリジナル
    図8 オリジナルパターンでは、これまでどおり送料や支払い方法を記載。
  • テストパターン
    図9 テストパターンでは、送料や支払い方法などの情報を削除してコンパクトにした。

すると、ショップページ(実際に商品を購入できるページ)へのクリック率が16.9%向上しました。ずっと表示していた各種の情報は、お客さまにとっては重要な情報ではなかったようです。

テスト結果「テストパターン」でCTR 16.9% 向上

しかしながら、この結果には各方面から猛反発がありました。

何も情報がないのだから、どこかに遷移するしかない。クリック率が上がって当然だ。

さまざまな目的でお客様は来るのだから、さまざまな情報を提供すべきだ。

情報を削除するなんて、私が今までやってきたことは何だったんだ。

もっともなご意見です。

そこで、「情報の量についてのコントロールをお客様の側にわたす」というデザインに変更しました。表示・非表示を折りたたむというものです。

  • オリジナル
    図10 オリジナルパターン
  • テストパターン
    図11 テストパターン(情報を折りたためるように)

これにより、オリジナル比14.1%のコンバージョンレート向上となりました。

テスト結果「テストパターン」でCTR 14.1% 向上

この結果をヒートマップで確認すると、従来のショップ誘導ボタンでの誘導が減ることなく、関連商品へのマウスの動きも増えており、目論見があたっていることを確認できました。

ClickTaleのヒートマップ機能を使ってページ上でのユーザーの実際の行動を調べることで、サイト改善につながる仮説のヒントを得られることがわかっていただけたでしょうか。

  • ClickTaleの入力フォーム分析を利用してフォームのコンバージョンをチェックした事例

ClickTaleの入力フォーム分析を利用してフォームのコンバージョンをチェックした事例

ClickTaleには、入力フォーム分析機能(Form Analytics)もあります。特に、

  • フォームの各項目を入力するのにどれくらい時間がかかっているのか

  • フォームのどの段階で入力をあきらめて離脱しているのか

を視覚的につかみやすいレポートが特色です。

ECナビで入力フォーム分析機能を利用した事例を紹介しましょう。図12に示したのは、入力フォーム分析機能の「コンバージョンレポート(Conversion Report)」という、とてもシンプルなレポート画面です。

図12 ClickTaleで分析した入力フォームのコンバージョンレポート。残念ながらClickTaleのインターフェイスはすべて英語なので、英語が苦手な人には厳しいが、さほど難しい英語ではない。

このケースでは、「コンバージョンレートが34%しかないぞ、入力フォームに問題があるんだ! フォームを改善するように!」という指示がでていました。

そこで、ClickTaleでフォームを計測してみました。

すると、実際には「フォームに入力開始した 140訪問」のうち、「フォームを送信した 136件」「フォームの送信を完了(エラーなし) 136件」と、ほとんどの入力者が問題なく申し込みを完了しており、入力フォームそのものは問題がなかったことがわかりました。

むしろ、「フォームのあるページを閲覧した 396訪問」のうち「フォームに入力開始した 140訪問」とあるように、この入力フォームに入力する意思のない人をたくさん誘導してしまっていることが問題だったのです。

このことから、サイト導線やプロモーションを見直すべきだとの結論になりました。

まとめ

コンバージョンのボトルネックは、ユーザー行動にさまざまな形で顕れています。それをつかむ1つの方法として、ページ内のスクロールやマウス、フォーム入力を分析することは有効です。特に明確なインタラクション・シナリオに基づいて作られたWebサイトの場合に、ClickTaleのようなツールは威力を発揮するでしょう。

※Web担編注 ClickTaleは英語が中心なので、英語が厳しい人は、同様にヒートマップ系の分析機能をもっている「ユーザーインサイト」(株式会社ユーザーローカル、有料)を試してみるといいだろう。

この手のツールは、「直感的でわかりやすい」といわれることもあります。しかしながら、「そもそものデザイン意図」「仮説をもって臨む姿勢」がなければ、レポートを開いては途方に暮れることになるでしょう。この点において、他のツールと何らかわることはありません。

「仮説の導出」「精度向上」に課題を感じておられる場合、これらのツールを試用してみる価値はあると思います。

株式会社VOYAGE GROUP UIO戦略室

UIOは「User Interface Optimization」の略。UIO戦略室とは「日本で一番数値で語れるエンジニアやデザイナーがいる組織を創る」をミッションとして設置された社内横断のプロジェクト。

  • 春元 和正

    1983年、兵庫県生まれ。2006年からプログラマとして数多くのWEBサイトを作成。その後UIO/SEO/SMO/WebAnalyticsといったwebサイト最適化を担当。2010年3月にUIO戦略室を立ち上げ、現株式会社VOYAGE GROUP UIO戦略室 室長。

  • 榎本 徹

    1976年、奈良県生まれ。現ECナビ事業本部 サービスオプティマイズ担当。UIO/SEOを通したwebサイト最適化を担当。UXデザインとWebAnalyticsの統合による、開発スピードと精度向上に取り組んでいる。

  • ブログ: VOYAGE GROUP UIO戦略室ブログ
  • Facebook: VOYAGE GROUP UIO戦略室
  • Twitter: @voyagegroup_uio
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2011年の日本の広告費は5兆7,096億円、前年比でマス4媒体95.4%、ネット104.1% 電通発表 [ニュース] | Web担当者Forum

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電通は、日本の総広告費と媒体別・業種別広告費を推定した「2011年(平成23年)日本の広告費」を2月23日に発表した。

発表によると、2011年(1~12月)の日本の総広告費は5兆7,096億円、前年比97.7%。

総広告費は、2004年から2007年まで増加したあと2008年から2011年まで前年実績を下回った形となる。ただし、2011年後半に関しては、10-12月期のマス四媒体広告費が好調だった2010年の水準をさらに上回るなど広告出稿が活性化している。

媒体別にみると、次のとおり。

媒体 広告費 前年比
総広告費 5兆7,096億円 97.40%
  マスコミ四媒体広告費 2兆7,016億円 97.40%
  テレビ広告費 1兆7,237億円 99.50%
  番組広告費 6,979億円 97.90%
スポット広告費 1兆258億円 100.70%
新聞広告費 5,990億円 93.70%
雑誌広告費 2,542億円 93.00%
ラジオ広告費 1,247億円 96.00%
プロモーションメディア広告費 2兆1,127億円 95.40%
衛星メディア関連広告費 891億円 113.60%
インターネット広告費 8,062億円 104.10%
  媒体費 6,189億円 101.80%
  モバイル広告費 1,168億円 97.3%
  検索連動広告費
(フィーチャーフォンとスマートフォン)
463億円 162.50%
ウェブ(PC)広告 5,021億円 103.00%
  検索連動広告費〈PC領域のみ〉 2,194億円 107.80%
インターネット制作費 1,873億円 112.20%

マス4媒体とプロモーションメディアは前年を下回っているが、衛星メディア関連は地デジ化に際しての3波対応テレビの普及、インターネットはソーシャルメディア活用などの新手法が増えた結果、増加している。

マスコミ四媒体広告制作費に関しては2,800億円(前年比99.1%)で、そのうちテレビCM制作費は1,894億円(前年比101.3%)となっている(広告制作費は媒体別広告費に含まれている)。

また、スマートフォン向け広告は337億円、うちスマートフォン向け検索連動型広告は208億円となっている(モバイル広告費に含まれている)。

詳細なデータについては、電通発表のニュースリリースを参照してほしい。

・電通発表ニュースリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2012/pdf/2012017-0223.pdf

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モーニングスターGomezが「中国ネット動向とWebサイトの中国対応」セミナーを3月に開催 [ニュース] | Web担当者Forum

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モーニングスターは、中国のネット事情とWebサイトの中国対応を解説するセミナーを3月9日(金)に六本木一丁目で開催する。

コーポレート/IR/サービスサイトの中国対応を検討している担当者や、中国市場へのオンライン・ビジネス展開を検討している担当者が対象。

日本とは異なる中国のインターネット利用者層や利用方法を理解し、Webサイトの中国対応において注意すべきポイントや進め方を解説する内容。

  • セミナー名: Gomezセミナー「中国インターネット利用動向と事例に学ぶWebサイトの中国対応について」
  • 日時: 2012年3月9日(金) 14:00~15:30 (13:30受付開始)
  • 場所: 泉ガーデンタワー20F モーニングスター株式会社 ゴメス・コンサルティング事業部(東京メトロ南北線 六本木一丁目駅 直結)
  • 受講料: 無料
  • 主催: モーニングスター株式会社 ゴメス・コンサルティング事業部
  • セミナーの詳細情報と申込み: http://www.gomez.co.jp/seminar/website-for-china.html
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エムティーアイとヤフー、スマートフォン向けソリューション事業において連携を開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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モバイルコンテンツ配信事業のエムティーアイとYahoo!JAPANを運営するヤフーは、スマートフォン向けソリューション事業で2月23日から連携を開始する、と同日発表した。エムティーアイはスマートフォン向けソリューションサービスの充実、Yahoo!JAPANはオープン化戦略のスマートフォン分野での拡大と推進を図るのが狙い。今回は、Web API(特定の機能を持つプログラム)、決済サービス、クラウドサービスの連携を開始した。今後は広告も含めた総合的な連携を予定している。

Web APIではエムティーアイのスマートフォン最適化ソリューション「モバイルコンバートforスマートフォン」とYahoo!JAPANが提供する「Yahoo!OpenLocalPlatform」を連携し、クライアントのスマートフォンサイトに地域関連情報を簡単に追加できるようにする。決済サービスではエムティーアイの認証決済プラットホーム「mopita」において「Yahoo!JAPAN ID」と「Yahoo!ウォレット」との連携を行う。クラウドサービスでは、エムティーアイがYahoo!JAPANのグループ企業でデータセンター事業を行うIDCフロンティアのクラウドサービスを利用する。

エムティーアイ
http://www.mti.co.jp/

ヤフー(Yahoo!JAPAN)
http://www.yahoo.co.jp/

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ブレインパッド、大量データ蓄積&分析のクラウドソリューション「Cloudstock」を提供 [ニュース] | Web担当者Forum

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データマイニングと最適化技術のブレインパッドは、データ分析分野でのクラウドコンピューティングに参入、クラウドソリューションのブランド名を「Cloudstock(クラウドストック)」とし、まず2月28日からソーシャルゲーム提供企業向けのサービスを開始する、と2月23日発表した。サービスの内容は2月28日、29日に東京国際フォーラムで開催する「ビッグデータEXPO2012春」において、同社のブースで公開する。

Cloudstockは、クラウドサービス「アマゾンウェブサービス」と超並列処理データベース「Greenplum Data Computing Appliance」を採用し、大量に発生するデータをクラウド上で蓄積・処理しすることが可能。インターネットを通じてプラットホームを提供するPaaS型のため、迅速、安価で導入できる。また現場の担当者が直接データを分析できるBIツール「pentaho」を採用している。料金は月額10万円からの従量課金。

ブレインパッド
http://www.brainpad.co.jp/

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