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Twitter1日5回以上利用の超アクティブユーザーでも5割は企業アカウントをフォローしない | ソーシャルメディア白書2012 ハイライト #6 [ソーシャルメディア白書2012 ハイライト] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 4 分
ソーシャルメディア白書2012 ハイライト

この記事では、一般消費者1万人と企業400社への調査データから、日本のソーシャルメディアの利用実態を明らかにした、書籍『ソーシャルメディア白書2012』のなかから、Web担の読者向けに注目データをピックアップし、全9回にわたってお届けします。

この記事で紹介しているデータのハイライト
  • 楽天、ユニクロが純粋・助成想起率ともに上位にランクイン
  • 助成想起率は15~20%まではリーチ数増加にともない向上
  • 超アクティブユーザーでも50%は企業アカウントをフォローしていない

楽天、ユニクロが純粋・助成想起率ともに上位にランクイン

消費者の企業アカウント/ページに対する反応を調査したのが、図1~図3の表です※1。それぞれTwitter、mixi、Facebookの企業公式アカウント/ページの純粋・助成想起率ランキングを示しており、すべてにおいて楽天市場が2位以内、ユニクロが6位以内と上位にランクインしており、両企業に対する想起率の高さが伺えます。

また、無印良品もTwitterの純粋想起率を除く5つのランキングで7位以内にランクインしたほか、日本コカ・コーラ、ローソン、スターバックスコーヒージャパンが4つ以上のランキングにランクインしており、これらの企業はソーシャルメディアマーケティングを総合的に実施し、一定の成果を出している代表的な企業だといえるでしょう。

上述の企業以外では、ソフトバンクがTwitterの純粋想起率で2位の楽天市場に2倍以上の差をつけて1位となっています。ソフトバンクのTwitter公式アカウントのフォロワー数は調査時点では68,466(2011年10月)と、他社と比較してもリーチが突出して多いわけではありませんが、他社に先駆けて2010年7月からTwitterのアクティブ・サポートを開始していることが影響していると考えられます。

※1 純粋・助成想起率の質問内容

  • 純粋想起 ―― 「Twitter(ツイッター)の公式アカウントを持っている企業として思い浮かぶ企業をご記入ください。」(その他についても同様の形で質問しています)
  • 助成想起 ―― 「Twitter(ツイッター)の公式アカウントを持っている企業として、あなたがご存じの企業を以下の中からすべてお選びください。」(その他についても同様の形で質問しています。また、リストはフォロワー数やエンゲージメント率の高い企業を調査時点の「エンゲージメント数ランキング」などからリストアップしました)
図1 純粋想起・助成想起ランキング(Twitter公式アカウント)
図1 純粋想起・助成想起ランキング(Twitter公式アカウント)
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.
図2 純粋想起・助成想起ランキング(mixiページ)
図2 純粋想起・助成想起ランキング(mixiページ)
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.
図3 純粋想起・助成想起ランキング(Facebookページ)
図3 純粋想起・助成想起ランキング(Facebookページ)
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

助成想起率は15~20%まではリーチ数増加にともない向上

企業公式アカウント/ページの助成想起率とリーチ(ファンまたはフォロー)数の関係については、3つのサービスに同様の傾向がみられました。リーチ数が一定数(TwitterとFacebookでは10~15万、mixiでは1万から2万)に達するまでは、リーチ数の増加にともない助成想起率は15%~20%にまで高まります。しかし、リーチ数が一定数に達すると、助成想起率の増加は減速し、それ以上の大きな上昇はあまりみられなくなります(図4、図5、図6)。

ユーザーの認知獲得には、助成想起率が15%~20%に達するまではリーチ数の影響が大きく、それ以上の認知・助成想起の獲得にはリーチ数の影響は弱まるため、エンゲージメントの重要性が高くなると考えられます。

図4 Twitter散布図(助成想起×リーチ)
図4 Twitter散布図(助成想起×リーチ)
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.
図5 mixi散布図(助成想起×リーチ)
図5 mixi散布図(助成想起×リーチ)
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.
図6 Facebook散布図(助成想起×リーチ)
図6 Facebook散布図(助成想起×リーチ)
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

超アクティブユーザーでも50%は企業アカウントをフォローしていない

ソーシャルメディアのユーザーにフォローしている企業公式アカウント/ページ数を質問し、自由にフォローする企業アカウント記述してもらったところ、TwitterとFacebookでは利用頻度の高いユーザーほど、フォローしている企業数が多い傾向が見られました(図7、図8)。そこから、ソーシャルメディアの利用頻度が高い超アクティブユーザー(1日に5回以上)やアクティブユーザー(週に1回以上)の方が、一般ユーザー(週に1回以下)と比較して企業やブランドとのコミュニケーションに積極的であることがうかがえました。

一方、利用頻度の高い超アクティブユーザーにおいても、4つ以上の企業公式アカウント/ページをフォローしているのは20%以下にとどまり、50%以上のユーザーが1つのアカウント/ページもフォローしていないことがわかりました。

図7 Twitter アカウントフォロー数(利用頻度別)
図7 Twitter アカウントフォロー数(利用頻度別)
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.
図8 Facebookページファン数(利用頻度別)
図8 Facebookページファン数(利用頻度別)
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.
◇◇◇

ソーシャルメディア白書2012からのデータ紹介、第6回は「ソーシャルメディアにおけるユーザーとブランドとのコミュニケーション」について紹介しました。

ユーザー視点からブランドのソーシャルメディア活用をみると、想起される企業として名前が挙がるのは数社のみであり、成功している企業とそうでない企業の間には大きな差があることがわかりました。

ソーシャルメディアはユーザー同士のコミュニケーションの場であることを認識しつつ、いかにしてその中に入っていくかを考えていかねばなりません。その際のアプローチとしては、今回の調査結果を見る限り、まずはリーチを伸ばし、その後ユーザーとのエンゲージメントを高めていくことが基本的かつ正統的なアプローチだといえるでしょう。

次回は「企業におけるソーシャルメディア活用の現状」についてご紹介していきます。

調査概要
  • 調査目的:一般消費者のSNS利用状況の把握
  • 調査期間:2011年10月3日(月)~2011年10月10日(月)
  • 調査手法:インターネット調査(クロス・マーケティング アンケートモニター)
  • 調査対象:全国15~69歳までの男女
  • サンプル数:10,715サンプル
回収サンプル数
10代 20代 30代 40代 50代 60代
男性 387 924 1089 938 1105 905
女性 370 886 1053 928 1141 989
『ソーシャルメディア白書2012』
ソーシャルメディア白書2012 ハイライト
著:株式会社トライバルメディアハウス、株式会社クロス・マーケティング
出版社:翔泳社
定価:9,800円+税

日本では本格的なソーシャルメディアに関連したデータ集が圧倒的に不足しており、提案の現場では海外調査データや簡易的なウェブ調査などが多数引用されている状況である。そこで本書は、消費者や企業のソーシャルメディアの日本での利用実態を多様なデータとともに明らかにする。今後、ソーシャルコマース、ソーシャルCRM、ソーシャルゲームなど、さらにソーシャルメディアは存在感を増していくなか、本当に使えるデータを網羅する!

『ソーシャルメディア白書2012』の購入はこちらから。

株式会社トライバルメディアハウス
アナリスト
西村 顕一

慶應義塾大学商学部卒業後、トライバルメディアハウスに入社。ソーシャルメディアに関わる各種調査・分析、ソーシャルメディアマーケティングの戦略策定、効果測定などに携わる。現代ビジネス[講談社]にて連載執筆中。

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