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「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、
国内と海外の検索マーケティング関連情報を
さらっとまとめて毎週金曜日にお届けします。
Savvy Panda(サヴィー・パンダ)ブログがグーグルのプレイス検索のためのローカルSEOを解説した。パート1として書かれた、最初にやるべき3つの施策は次のとおりだ。
① 登録情報を完全にする
プレイスページのすべての項目に入力し、適切なカテゴリを設定する。その際に、写真とビデオも必ずアップロードする(最新の5つだけが表示されるので注意する)。アップロードする素材としては、次のようなものがいい。
- 車を運転しているときに見える建物の写真
- 代表的な商品やサービスの写真
- 代表者の写真
- 紹介ビデオ(2分以内)
- お客様の声のビデオ
最新の情報に保っておくことも大切。
② レビューを集める
誰でもかれでも手当たり次第にレビューを書くように頼むのではなく、まず常連客10人を選んで直接連絡してプレイスページにレビューを残してもらうようにお願いする。誠心誠意頼めばたいていの常連客は快くレビューを書いてくれる。初めのうちの評価者は今後投稿されるレビューを方向付けるので重要。
レビューが5~10個集まったら、他の人のレビューを集め始める。プロモーションカードを作りレジで渡してグーグルプレイスを説明しよければレビューを書いてほしいと頼む。ポスターを貼ったりレシートに載せたりオーダー時にプロモーションカードを渡したりするのもいい。
顧客がレビューを書きたくなるような気にさせるグラフィックを作成する。分かりやすいように、「Review{ビジネス名}.com」のようなレビュー用のドメイン名を取得するかまたはReview.mysite.comのようなサブドメインを作り、そこにアクセスさせてプレイスページへリダイレクトするといい。
③ ウェブサイトにリンクを設置する
プレイスページを最適化しレビューを10個以上集めたらウェブサイトからプレイスページへリンクする。もっとも簡単なのはフッターにある住所をプレイスページにリンクすること。ウェブサイトとプレイスページをリンクで繋げることで、プレイス検索にリスティングされるのにふさわしいことをグーグルに伝えることができSEOのスコアが上がる。
そのほかにプレイスページの情報を載せるといい場所は次のとおり。
- お問い合せページにプレイスページへのリンクや画像を置く。
- サイトの然るべき場所に「グーグルプレイスにレビューをお寄せください」というCall to Action要素を設置する。
- ソーシャルメディアのアイコンのそばにプレイスページもアイコンも含める。
以上だ。地域に密着したローカルビジネスを営んでいるならすぐに実践してみたい施策だ。
日本語で読めるSEO/SEM情報
グーグルがスマートフォン用のGooglebotモバイルに対する一般ユーザーから寄せられた質問に回答した。先週ピックアップした第一弾に続く第二弾だ。
今回は、「スマートフォンサイトの設定、振り分け」と「サイトマップの処理」について4つの質問に答えている。必ず目をとおしておこう。
公式な回答として情報を提供してくれるのは非常にありがたい。カエルアイコンのKyotaroさんに感謝。
「スマートフォンサイトとPCサイトでURLアドレスは同一であるべきか、それとも別々の異なるURLアドレスとするか」は両方の端末に向けたサイトを運用するウェブ担当者にとっては悩ましい問題だ。
「五足の靴」がそれぞれのメリット・デメリットを挙げながらどちらを採用すべきかを解説している。元記事の前半はフィーチャーフォン(ケータイ)向けとPC向けの解説なので、スマホ対応の話題だけを知りたい人は前半をスキップするといいだろう。
運用の負荷が少ないのは「別アドレスを採用してクローラー全開放」だが、SEOの効果を最大限にするのは「同一URLを採用しユーザーエージェントの振り分け」で、現状では同一URLが少し有利だろうとのことである。
今後の検索エンジンのスマートフォンの取り扱いによって変化することがあり得るとしても、現状どんなメリット・デメリットがあるのかを理解するのにとても役に立つ解説だ。
検索結果にパンくずリストを出す方法
★★★☆☆ 知っておくとリッチスニペットにも応用可能 (SEOまとめ)
グーグルの検索結果で、URLの代わりにパンくずリストが表示されることがある。
パンくずリストが表示された検索結果
この表示形式はアルゴリズムによって自動で判断される。それを狙って、<ul>タグ(リストタグ)とmicrodataによる構造化データをサイト内のパンくずリストに設定することで出しやすくしようというのがこちらの記事だ。
上級者向けのトピックになるかもしれないが、構造化データの使い方はリッチスニペットにも応用できるので知っておくといい。なお構造化データのフォーマットに関しては、将来的な展望に立つと今はSchema.orgの仕様に従うのがいいと思われる。
やはりリンク追加にはコンテンツ追加も必要らしい
★★★☆☆ 日本一のリンク師に聞いてみました (Ryo Hayashi on Google+)
昔から存在するページにリンクを追加したときは同時にコンテンツも追加・変更しなければそのリンクは評価されないという情報を先週ピックアップした。
被リンクの研究をさせたら日本でもトップクラスの見識を持つと筆者が感じているサクラサクの林氏がこのピックアップをGoogle+で共有してくれたので、どう思うか尋ねてみた。すると以下のコメントが返ってきた。
本件に関しまして、全く同感で御座います。個人的には結構前から実践しており、ページに複数のコンテンツブロックがある場合は、時として新しいコンテンツと入れ替え、古いコンテンツを破棄する事さえ御座います。可能であれば更新後に、そのページに対して若干のバックリンクを供給すると、クロールの促進につながるとも考えます。
一般のウェブ担当者は気にかける必要のないことだが、SEO好きには非常に興味深い内容に違いない。
2012年のアクセス解析の注目ポイント
★★☆☆☆ Googleアナリティクスでどこまで達成できるか (アナリティクス 日本版 公式ブログ)
Googleアナリティクス公式ブログが「2012 年の解析を展望」と題して、今年“来る”と予測されるアクセス解析の動向を取り上げた。次の5つだ。
- モバイルの台頭
- ソーシャルメディアのROI分析
- コンバージョンを超えたユーザー行動の把握
- リアルタイム解析で広告を最適化
- 行動に繋げるデータ分析
具体的なアクションまでは説明しておらず概念的な内容だが、今年はこれらにフォーカスしてどのように達成できるかを考えてみよう。
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
・ページの読み込み時間が1秒遅れるとCVRが7%ダウンする
・index.htmlなしへの正規化はもう不要?
・hreflang属性はうまく機能するのか
・新GoogleアナリティクスのメールレポートとPDF出力はいつできあがるの?
SEO Japanの掲載記事からピックアップ
・Googleが新年早々アルゴリズム更新、広告過多なページにペナルティ明言で何が変わる?
・グーグルはページにあるコンテンツの種類を区別できる
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
米グーグルのデジタル・マーケティング・エバンジェリストであるアビナッシュ・コーシック氏が、ページの反応が1秒遅れるとコンバージョン率が7%下がるなどページの読み込み時間がユーザーの行動に大きな影響を与えることを示したKissmetricsの調査データインフォグラフィックをGoogle+で共有しつつ、他の事例を3つ紹介している。
グーグルでは、検索結果がほんの1秒遅れただけでもユーザーの検索が減る。0.4秒遅くなっただけで検索回数が0.44%減少する。
エドモント(自動車販売のサイト)では、 読み込み時間を9秒から1.4秒に減らしたところ広告収入が3%増加し、1訪問あたりのページビュー数が17%上昇した。
ショップジラ(ショッピング比較のサイト)では、 待機時間を7秒から2秒に減らしたら収益が12%アップしページビュー数が25%跳ね上がった。さらにハードウェアのコストを50%削減できた。
米グーグルはページの読み込み時間をランキング要因として取り入れている。ごくごく小さな評価項目でありGoogle.com以外では採用されていない。しかしSEOをまったく抜きにしても“スピード”がいかに重要かが分かるデータだ。
ユーザーエクスペリエンスの向上、コンバージョン率アップのためにスピードアップに積極的に取り組んでいきたいものだ。
index.htmlなしへの正規化はもう不要?
★★★☆☆ でも念のために (Google Webmaster Central Help Forum)
次のような質問が米国版のグーグルウェブマスター向け公式ヘルプフォーラムに投稿された。
「index.html」が付いているホームページと付いていないホームページのURLの両方がグーグルにインデックスされているのに気付きました。
何かを分散してしまうのでグーグルに対してこれは悪いことだとどこかで読んだことがあります。
どうすべきかアドバイスをください。
グーグル社員のジョン・ミューラー氏が以下のように回答した。
通常は、そのままにしていても大きな問題にはならない。何か問題があるのならば、たとえばrel="canonical"を使ったりすれば簡単に解決できる。
「通常は」「大きな」と付いているが「問題にはならない」という発言をグーグルの口から聞くのは非常に珍しいのではないだろうか。筆者は初めて聞くように思う。
たしかに、「index.html」の有無や「www.」の有無の正規化は、サイト管理者が設定せず両方が混在していても、今のグーグルは自動で正規化してくれることがほとんどだ。正規化してくれないほうが稀かもしれない。
グーグルの側で自動処理してくれるのはたいへん助かることだが、100%信頼することは不安なので、それでもやはり自分であらかじめ正規化しておくことを筆者は選択したい。
hreflang属性はうまく機能するのか
★★☆☆☆ 機能しているみたいだけどやっぱりややこしい (John Doherty)
同じコンテンツだが対象となる言語や地域が異なる複数のサイトを運用している際に、適切なサイトを検索結果に表示させるためにhreflang属性をグーグルはサポートしている。
理解がかなり面倒な仕様であるが効果はどうなのであろうか。ジョン・ドハーティ氏の検証によればグーグルは次のような処理をするようだ。
hreflang属性を実装する前
米グーグル(Google.com)で英語のキーワードで検索したら英語ページだけが出てきた。グーグルスペイン(Google.es)でスペイン語のキーワードで検索したらスペイン語ページだけが出てきた。
一方グーグルスペインで英語のキーワードを検索したら英語ページだけが出てきた。米グーグルでスペイン語のキーワードで検索したらスペイン語のページだけが出てきた。
これはまったく普通の状態で、グーグルは複数のページを表示させず、どの言語のページを検索結果に出すべきかを適切に判断できているようだ。
hreflang属性を実装した後
グーグルスペインで英語のキーワードを検索したときは両方のページが出てきた。しかし米グーグルでは片方(英語ページ)だけだった。同じように、米グーグルでスペイン語のキーワードを検索したときは両方のページが出てきたがグーグルスペインではスペイン語ページだけだった。
つまりGoogle.comでスペイン語のキーワードを検索したら実装前はスペイン語のページだけが出てきたのに、実装後はスペイン語のページと英語のページの両方が出てきた。重複コンテンツとみなしていない証拠に思える。ユーザーは見たい方の言語のページを自分で選んで見ることができる(スペイン語ページの結果には翻訳リンクが付いていた)。
hreflang属性をうまく使うとどうなるかを端的にまとめると、次のようになる。
利用しているグーグルサイトの言語と一致する検索キーワードでは(Google.deならドイツ語、Google.frならフランス語)、その言語のページだけを表示する。そのグーグルサイトの言語と異なる言語のキーワードで検索した場合は(Google.deでフランス語を検索など)、その検索キーワードの言語のページに加えて、検索したグーグルのサイトの言語の両方のページを表示させる。
これは、ドハーティ氏がhreflang属性の処理としてグーグルに望んだ結果だったとのことだ。
Googleアナリティクスの新バージョンへの完全な切り替わりが今月中に行われ、それに伴い現行バージョンは使えなくなる予定だ。新バージョンのGoogleアナリティクスには、マルチチャネルやビジュアルフロー、リアルタイムレポートなどこれまでになかった機能が満載だ。
しかし現行バージョンにあって新バージョンにない重要な機能がいくつかある。代表的なのはメールによる定期レポート送信とレポートのPDF出力だ。この2つの機能に関してはダッシュボードの共有とともに最優先課題として現在取り組んでいると米国版のアナリティクス公式ブログが伝えている。
メールレポートとPDF出力を日頃から利用しているウェブ担当者は、もう少しの辛抱だ。
SEO Japanの掲載記事からピックアップ
ファーストビューに広告が多すぎるページの評価を下げるようにグーグルがアルゴリズムを変更したニュースとそのアルゴリズム開発に関わっているかもしれないグーグルの特許の解説を今週はピックアップ。
鈴木 謙一(すずき けんいち)
フリーランスのインターネットコンサルタント。アメリカを中心としたSEO/SEMのコアな情報を日本に持ち込み、「海外SEO情報ブログ」で“海外SEO”のブランドを確立。サーチエンジンマーケティング専門ソーシャルニュースサイト、Sphinn(スピン)の公式日本版であるサービス「Sphinn Japan」立ち上げメンバーでもある。
現在は、株式会社セルフデザイン・ホールディングスのCTOとして、SEOの情報収集やトレーニング、海外のSEOカンファレンス参加などを通じて正しいSEOの普及に取り組んでいる。
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