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ソーシャルゲームも企業サイトもECも今やクラウドの時代 | 日本マイクロソフト+FIXER [【レポート】Web担当者Forum ミーティング2011 Autumn] | Web担当者Forum

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Web担当者Forum ミーティング2011 Autumn

セミナーイベント「Web担当者Forumミーティング 2011 Autumn」(2011年11月8日開催)の講演をレポートする。他のセッションのレポートはこちらから。

「ソーシャルゲームも企業サイトもECも今やクラウドの時代~Web担当者のための やさしいクラウド入門」と題した講演では、日本マイクロソフトでクラウドプラットフォームのWindows Azureを担当する関田文雄氏、Webコンサルティング会社のFIXER 代表取締役社長 松岡清一氏の2名が登壇。クラウドサービス「Windows Azure」を中心に、クラウドの特徴やクラウドの活用法を解説した。

サービス発注側・制作側双方の課題解決につながるクラウドサービス

日本マイクロソフト株式会社
デベロッパー&プラットフォーム統括本部
エバンジェリスト
関田 文雄氏

「Web担当者Forumミーティング 2011 Autumn」では唯一、クラウドをメインのテーマとして取り上げたのが本セッションだ。はじめに、日本マイクロソフトでWindows Azureを担当している関田文雄氏が、クラウドを採用する理由をWebサービスの「発注側」と「制作側」の2つの視点から説明してくれた。まず、発注者側の視点で見ると、Webサービスの設計時に発注側を悩ませるのは、(1)トラフィック予測が困難、(2)コストを抑制したい、(3)グローバル展開、という3点。これらの3点を同時に解決できるのがクラウドの利点だと関田氏は話す。

今までのレンタルサーバーなどでは、トラフィック予測が大きく外れたときの迅速な対応は困難ですが、スケーラビリティのあるクラウドはサーバーを増減することで利用量に合わせた対応ができます。コスト面でも大規模データセンターを持っているクラウドなら、規模の経済により費用を安くできる。またグローバル展開しているクラウドなら、1つの契約をすれば複数の国でサービスを提供できます

一方、制作側はやはり、「突然のトラフィック変動への対応」や「インフラ運用コストの抑制」といった発注サイドと同じような問題を抱えるほか、「システム全体の信頼性」も大切になってくる。これらの課題に対しても「従量課金制度を導入しており、ピークに合わせた運用ができるクラウド」の採用や、「ハード面だけでなくOSやミドルウェアなどもサービス提供側が管理するPaaS型クラウドの採用」によって解決できると関田氏は説明する。

発注側・制作側双方にとって課題解決に役立つクラウドプラットフォームの代表が、同社が提供するWindows Azureだ。数十万台規模のデータセンターを有する同プラットフォームは、“規模の経済”によって低コストの従量課金を実現。インスタンスは1時間あたり3.5円、ストレージは1ギガバイトあたり1ヶ月12.24円を実現している。またWindows AzureはPaaS型のクラウドであるため、OSやミドルウェアまで管理されているため、ソフトウェアのインストール作業なしに登録後すぐに利用ができる。障害検知も自動化しており、サービスが止まらない仕組みになっている。

クラウドサービス選択のポイント
コスト
  • 規模の経済によってコストは変わる
  • 運用面によってコストは変わる
運用
  • 運用はどこまで自動化されているか
  • グローバル体制は備わっているか
信頼性
  • 稼働率はどのレベルまで保障されているか
  • 実績は十分あるか
スケーラビリティ
  • リソースの増減は「分/時間/日」どのタイミングで可能か
  • 変更は管理画面から容易に可能か

クラウドだから信頼性がないのではないかと言われるが、クラウドの方が信頼性に優れる場合もある。Azureを利用したソーシャルゲーム、企業サイト、ECなどの事例はどんどん増えてきているので、安心してご利用いただきたい」と関田氏は強調した。

ソーシャルゲームのビジネスは21世紀型の替刃式カミソリモデル

株式会社FIXER
代表取締役社長
松岡 清一氏

セッション後半は、Fixer 代表取締役社長の松岡清一氏による「Web担当者のためのクラウド発想法」と題する講演が行われた。

松岡氏は、Webのプラットフォームの構築と運用では、システムなどを「作る技術」と、それらを「使う技術」を組み合わせ、最適化したうえで提供することが価値創出につながると説明。従来、開発者はシステム開発など「作る技術」で利益を上げることができたが、クラウドビジネスにおいては、「使う技術」の方が重要になってくると言う。

事実、クラウド時代では「プラットフォームを過剰に供給」するビジネスモデルが注目を集めている。このようなビジネスモデルは、決して新しいものではなく、身近なところでは替刃式カミソリや、コンシューマーゲーム機が代表的だ。そして現在では、グリーに代表されるソーシャルゲームも、同様のビジネスモデルに当てはまる。「ソーシャルゲームは、ゲームソフト(替刃)の配布もゲーム機(カミソリの柄)も、安価にスピーディーに供給できます。21世紀のカミソリモデルだと言えます

そしてこのソーシャルゲーム業界を支えているクラウドサービスが、開発環境は変えずに月次コストの大幅削減や維持・保守業務からの解放に貢献し、信頼性も高いWindows Azureだと言う。

最後に松岡氏は、クラウドサービスをローカルドライブのようにアクセスできる米国発のサービスGladinetを、日本で展開することを表明。会場の期待を集めた。

関連情報
【取材・執筆】
モジカ
担当:鶴田修朗(スクリプトLLC 代表)

講演、音声、動画などのコンテンツをテキスト化し、情報を利用・加工・検索・共有しやすくするサービスを提供している。

http://www.moji-ca.net/

【撮影】
株式会社Lab
鹿野宏、石川恵愛

http://www.hellolab.com/

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アイスタイル、美容情報サイトとソーシャルメディアを連携した行動分析ツール「ALCOS」を発売 [ニュース] | Web担当者Forum

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美容情報専門サイト「@cosme(アットコスメ)」を運営するアイスタイルは、@cosmeのデータベースとブログ、「Facebook」、「Twitter」の情報を連携して集計分析できる美容情報に関する行動分析ツール「ALCOS(アルコス)~Analyzer for Cosmetics~」を発売した、と2月2日発表した。ソーシャルメディアだけでなく、@cosmeのデータベースと連携した分析を行うため、従来に比べてより正確に消費者行動が把握できるようになるという。

ALCOSは、化粧品の使用評価が充実している@cosmeのデータと国内主要ブログ、ソーシャルメディアのデータをクロス分析するため、コミュニケーションの効果検証や商品の評価分析、顧客ロイヤリティの検証が可能。自社商品と競合他社商品の評判の違いを把握したり、ターゲットユーザーが過去にどのような商品を使用していたかなど、ユーザーの商品体験を時系列で把握することもできる。集計結果をCSV形式でダウンロードすれば、メーカーが保有するデータとの比較にも使える。

アイスタイル
http://www.istyle.co.jp/

ALCOS
https://www.i-alcos.com/

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リンクシェア・ジャパン、トランスコスモスのマーケティングツール「mobilemk SMART!」提供開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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アフィリエイトサービスのリンクシェア・ジャパンは、同社が運営するTGアフィリエイトの広告主に対するスマートフォン最適化支援のため、ITアウトソーシングサービスのトランスコスモス社のスマートフォンマーケティングツール「mobilemk SMART!(モバイル・エム・ケー・スマート)」の提供を開始した、と2月6日発表した。リンクシェアのネットワークにおけるスマートフォン経由のトラフィックが2011年5月から11月にかけての7ヵ月間で約4倍に増加したことから、スマートフォンに最適化したサイト制作、訪問者のデータベース管理、広告効果測定などをの機能を持つmobilemk SMART!を提供することにした。

mobilemk SMART!により、広告主はスマートフォン対応の広告ランディングページやアンケートフォームといったキャンペーン用のページが制作、運用できるようになるため、スマートフォン未対応サイトへのアクセスによるユーザーの離脱を防ぐことができる。既にmobilemk SMART!を利用している広告主は、申し込めばすぐにTGアフィリエイトが利用できる。また、スマートフォンアプリへの広告配信が可能なアドネットワークサービス、成果報酬型広告などのサービスも利用可能。

リンクシェア・ジャパン
http://www.linkshare.ne.jp/

トランスコスモス
http://www.trans-cosmos.co.jp/

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エイジア、メール配信性能の高速化を実現する「WEB CASメールリレーサービス」提供開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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システム開発のエイジアは、携帯、PCメール配信の高速化を実現するメール配信エンジン「WEB CASメールリレーサービス」の提供を2月1日開始した、と同日発表した。メール配信業者のクラウドサービスに運用を切り替えたくても、複雑化したシステムを構築しているため移行が難しいという課題を抱える企業に向け、既存のメール配信システムはそのままで、配信性能のみを向上するサービスを提供することになった。

WEB CASメールリレーサービスは、エイジアが提供するメール配信システム「WEB CAS e-mail」のメール配信エンジンをクラウドサービスとして提供する。メール送信を同社のメール配信エンジンにリレー(中継)することで、大量の携帯、PC向けメール配信を高速化することができる。既存のメール配信エンジンをエイジアのリレーサーバーに設定すればサービス導入が可能。運用管理はエイジアが担当するため、システム担当の負担の軽減にもつながるという。

エイジア
http://www.azia.jp/

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オールインワンソリューション 成果報酬型モール「アイオスサイバーデパート」 [日本ネット経済新聞ダイジェスト] | Web担当者Forum

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日本ネット経済新聞ダイジェスト

システム開発のオールインワンソリューション(本社東京都、上田義輝社長)は1月23日、成果報酬型のECモールを開設した。出店者の月商に応じて手数料を徴収するもので、出店者数は約2000店。初期費用、月額固定費を無料にして大手モールとの差別化を図った。中小のネット通販事業者や、EC市場への参入を狙う企業を獲得する。バナーやアフィリエイト広告を出稿して、12年中に店舗数を約4000店に拡大させる。

開設したモールの名称は「アイオスサイバーデパート」。出店した店舗の平均年商は約1億円。月額固定費が発生する大手モールでは、通販サイトを運営できないEC企業が出店した。

料金体系は成果報酬型を採用。手数料は月商50万円未満が5.9%、100万円未満は5.4%、200万円未満は4.4%、200万円以上は一律3.4%を徴収する。

取扱商品数は約20万点。ファッション、家電、化粧品、雑貨など10ジャンルを掲載している。楽天、アマゾン、ヤフーの販売価格と比較できる「価格比較機能」も搭載した。

今後はSNSやネット電話と連携する。一般顧客とリアルタイムで会話ができる「スマートトーク機能」を提供していく。

・アイオスサイバーデパート
http://www.aiosl.jp/

・オールインワンソリューション株式会社のプレスリリース
http://corp.aiosl.jp/company/ec.html

※記事内容は日本ネット経済新聞の紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをWeb担当者Forum編集部が追加している場合もあります。
※見出しはWeb担当者Forum編集部が編集している場合もあります。
※週刊『日流eコマース』は、2011年6月23日より『日本ネット経済新聞』へとリニューアルしました。

「日本ネット経済新聞」は、インターネットビジネスに関連する宅配(オフィス配)のニュース情報紙です。日々変化するネット業界の情報をわかりやすく詳しく伝え、新しいビジネスヒントを提供していきます。前身のネット通販専門紙「週刊日流eコマース」(2007年1月創刊)の取材活動で培ってきた情報ネットワークをさらに拡大し発展させています。

このコーナーでは、日本ネット経済新聞編集部の協力により、毎号からピックアップしたEC関連のニュースや記事などをお届けしていきます。

→日本ネット経済新聞についてもっと詳しく知りたい

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その作業は誰がやるの? 移行作業で追加コストが発生 | ECトラブルお助け [IT守り神がお助け! EC担当者のホントにあった大トラブル] | Web担当者Forum

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IT守り神がお助け!EC担当者の本当にあった大トラブル

東京は田町の片隅に小さな神社がある。一見パッとしないが、EC担当者の間で「トラブルから救ってくれる」という言い伝えがある神社だ。今日も「神頼み」へとやってきた、トラブルにあった歴代のEC担当者たちのために、IT守り神からのアドバイスをお届けする。

カナ
今回の相談者

カナ(女性・31歳)
アパレル通販会社EC担当サブリーダー。

順調に進んでいたECサイトのリニューアルプロジェクト。でも、システム移行で大トラブルが発生して、ベンダーとは対立するし、部長はカンカンだし、もうどうしたらいいかわかりません……。守り神様、どうかお助けください!

IT守り神(ビジネス街の片隅にあるIT神社の神様)
なになに? どうしたの?

きゃー。誰ですか?

ぼくはIT守り神だけど? 呼ばれたので出てきたんだよ。

あなたが噂の!?(まさかほんとに出てくるなんて)。と、とにかく聞いて下さいよ! 実はシステム移行の件でベンダーと対立しちゃって、大変だったんです。結局はベンダーに追加費用を払うことになったんですが、わたしは部長からさんざん叱られてしまったんですよ。

うーん。なんで追加費用を払うことになったの?

システム移行の途中で、他部署の運用担当者から指摘されたんです。「あのー商品写真が数千点あるけど、これ誰が登録作業するんですか」って話になっちゃって。

ありがちだね~。

わたしたちは、その登録作業はベンダーさんがやってくれるとばかり思っていたんですけど、「そんな合意は取っていません」って言われちゃって。で、社内を見わたしても、そんながっつり作業ができるほど手が空いている人がいなくて、結局高い追加費用を払うことに……。

おやおや(笑)。

確かに、社内でその作業を誰が行うかしっかり決めておかなかったのも悪いんです。でも、ベンダーさんもその辺の役割分担があいまいだったと思うんですよ。もっと早い時期に指摘してくれればなんとかなったのに、最後になって「どうしてもと言うなら追加作業として費用をいただきます」と言い張るんです。もうサイトオープンに間に合わないので費用を払いましたけど……。いま、作業してもらってる最中です。

どれぐらい追加費用がかかったの?

12人月分ですよ! 完全に予算オーバーで、担当部長はキレちゃって。でも、もうお願いするしかなかったんですもん。

うーん。社内共有ができてなかったのは確かにまずかったけれど、いろんな関係部署にきちんと理解してもらうのはなかなかむずかしいんだよね。

そうなんですよ! プロジェクトの進行状況や、全体の担当分けやスケジュールがわかる資料とかは社内で回すようにしていたんです。でも、あとから、あとから「ここはどうなってる?」「あれって誰がやるんだっけ?」なんて新しい問題がぽんぽん発生するんです。一番大きかったのが、写真の件なんですけど。

まあ、よく聞く話だね。その辺、ベンダーももう少し気がつかなかったのかな。

どうなんでしょう。なんとなく不親切に感じるんです。これからのこともあるんで、どういう風にベンダーさんを選ぶのがよかったのか、どうプロジェクトを進めればよかったのか教えて下さい。

その前に、今回のことを整理してみようよ。

はい。今回のことを整理すると、こういうことですかね。

今回の失敗で発生した問題
  • 12人月もの追加作業コスト(社内で対応可能な要員がいなかった)により予算オーバー。
主な原因
  • 要件定義の際、開発工程以外の付帯作業におけるベンダーとの役割分担と作業内容について、両社で合意できていなかった。
  • 社内でプロジェクトに関して必要な情報が共有されていなかった。

ベンダーとのコミュニケーションも、社内の情報共有もうまくいってなかったのかもしれないなあ。経験豊富なベンダーなら、そういう社内の情報共有の仕方にもアドバイスをくれると思うんだけど……。せっかく拝んでくれたことだし、ご利益のあるアドバイスをしてあげよう。

IT守り神IT守り神のアドバイス

Webサイトのリニューアルで忘れてはならないのが旧システムで利用していたデータの移行作業だ。特にECサイトのリニューアルでは、商品の画像データや会員データ、注文データなど、個人情報も含めた重要なデータが多く含まれるため、慎重に行う必要がある。自社内の関係部署やベンダーとの役割分担、作業範囲を明確にして進めないと、トラブルが起こりやすいので十分注意が必要だ。

今回のような場合、次の3つがポイントになる。

  1. 移行作業の実務経験豊富な人がいるベンダーを選ぶ
  2. モバイルの切り替え作業経験をベンダーに確認する
  3. 発注側の企業では、誰が何をするのか整理しておく

それぞれについて説明していこう。

POINT1 移行作業の実務経験豊富な人がいるベンダーを選ぶ

ベンダーにそもそも「移行作業」の実務経験者がいるかどうか確認しよう。ベンダーが「大手ECサイトでの実務経験がある」と言っても鵜呑みにせず、「移行の時の苦労話でも聞かせてもらえませんか?」とさりげなく問いかけて、安心して頼める実務経験者かどうか判断しよう。ECサイトならではの移行作業を経験し、規模感なども熟知しているベンダーの担当者に出会えれば心強い。そしてその人がきちんとプロジェクトに参画してくれるかも確認すべきだ。

他社での実例として、移行時に必要なドキュメント(移行計画書など)をサンプルとして見せてもらうようお願いするのも、ベンダー選びのポイントになるだろう。

POINT2 モバイルの切り替え作業経験をベンダーに確認する

ECサイト運営でありがちなのが、モバイル(スマートフォン含む)の検討を後回しにしてしまうことだ。企業によっては、PCもモバイルも同じ部署で管理・運用することがある。その際、国内では3キャリアの実機検証を行う必要がある。いくらシミュレータで確認できるとはいえ、やはり実機でズレが生じることがあるからだ。これには、リニューアル後の状態のサイトを本番同様の通信にて検証するといった、特殊な動きが求められる。

ベンダーには、「モバイルの事前確認作業の経験があるか?」といった質問をしてみるといい。また、社内でもモバイルの対応について早々に判断し、ベンダーに相談するのも1つの手だ。RFP(提案依頼書)に含めてもいいだろう。

POINT3 発注側の企業では、誰が何をするのか整理しておく

ベンダーとのやりとりだけでなく、自社側の問題もある。システムを移行することで、担当者や作業分担が変わるかもしれない。それが原因で、作業漏れや「これをやるのは、うちの部署じゃないよね?」などといった認識違いが発生することがあるため、バックオフィス業務におけるそれぞれの機能は、誰がどのような目的で利用するのかを業務フローに基づいて整理しておくことも大事だ。

移行作業で大切なのは、新システムにおける機能が既存システムの何に相当するのかをきちんと把握しておくことだ。新たに追加される新機能は、実際に誰が使うものなのか、社内で整理しておくことも必要だ。ベンダーに対応シートなどの作成を依頼して、管理しておくのもいいだろう。

良いベンダーの担当者を見分けるためのチェックリスト

  • 移行の実務経験をした「人」が対応することになっているか

    移行作業を経験した人は、トラブルが起きやすいポイントを知っている。その人の苦労話などを聞きながら、あなたの会社で起きそうなリスクを予め想定しておこう。

  • 過去の移行計画書を見せてもらえるか

    移行作業を担当する人が過去に実施した移行計画書を見て、「いつ」「どのタイミングで」「誰が」「どんな」作業をするか確認しておくことで、予め社内の関係部署などに調整しやすくなるだろう。

  • 要件定義の段階から、移行に向けた役割分担・作業範囲を提示できるか

    管理ユーザーデータ、携帯サイト、商品データ登録など、抜けやすいポイントは上述した通りである。そのポイントを把握して、予め分担を提示・確認してもらえるかで、安心して進められるかが大きく変わる。

なるほど……。これを守れば次からはうまくやれそう! 最初からもっとちゃんとやっておけば、あんな悪夢にはならなかったかも。

うんうん。当たり前だと思っていたことでも、立場によって認識がぜんぜん違うのはよくあることなんだ。だから「当然のこと」で済ませないで、発注側とベンダーの関係者でよく確認して、お互いの作業範囲や役割分担を明確にしておくべきなんだ。

まとめ:ECサイトならではの移行作業のポイントを確認する

ECサイトのリニューアルにともなう移行作業では、EC担当者の「ユーザー管理」の問題が最後になって現れてくることが多い。注文データや商品情報、取引先情報(会員情報)などは押さえていながら、管理者側のユーザー移行についてはなにかと後回しになりがち、というのは珍しくない。

ユーザー管理では、既存システムの「ユーザー/パスワード」の暗号化方法が新システムで変わることが多く、その移行方法が問題になることもしばしば。ベンダーが登録した管理者権限ユーザーを使って、代表するEC担当者が移行する場合もあれば、ベンダーが全ユーザーをまるごと移行することもある。全ユーザーをまるごと移行する場合、暗号化された「ユーザー/パスワード」はベンダーには理解できないため、既存システム運用におけるベンダーとの調整や役割分担が必要となってくる。

特に、商品マスタ情報を販社に入力代行してもらっている会社では、ユーザー移行で問題が生じることが多い。暗号化された「ユーザー/パスワード」の件はもちろん、販社の数も数百から数千にのぼることもあるため、事前に作業分担や移行方針を整理しておく必要がある。これらについては、早期にベンダーに相談するのはもちろん、RFP(提案依頼書)に明記しておけば、解決案を提示してくれるはずだ。

また、今回のカナさんのように、「サイトデザインはベンダー側作業と思っていたのに、実装時になって自社側作業と主張された」といった問題も少なくない。サイトデザインは通常、デザイン会社に担当してもらうことが多いが、そういったシステム開発工程以外の付帯作業(サイトデザイン、移行作業、運用担当者の教育訓練など)についての作業内容や役割分担については、開発前や要件定義で確実に行っておくことが重要だ。

さらに言えば、サイトデザインは店舗のレイアウトを決めるようなもので、システム構築とは別の実績が問われる。サイトデザインは売上に直結する要素なので、できれば自社で信頼のおけるデザイン会社を選定し、そのデザイン会社とともにきちんと考えることをオススメする。

日本電気株式会社(NEC)
http://www.nec.co.jp/

大塚達

大塚達(おおつか とおる)
小売業ソリューション事業部 プロジェクトマネージャー

流通業・サービス業を中心に、NECのECサービス「NeoSarf/EC」のコンサルティング、システム開発に携わり、プロジェクトリーダとして数多くの大規模ECシステムの開発、導入経験を有する。

NeoSarf/ECサイト http://www.nec.co.jp/neosarf/ec/

近々の展示会イベント、ECセミナーについては以下を予定しています。ぜひご来場下さい。

セミナー
展示会
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最新事例に学ぶ、企業のソーシャルメディア活用とコンタクト管理・分析の技 | ハンモック [【レポート】Web担当者Forum ミーティング2011 Autumn] | Web担当者Forum

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Web担当者Forum ミーティング2011 Autumn

セミナーイベント「Web担当者Forumミーティング 2011 Autumn」(2011年11月8日開催)の講演をレポートする。他のセッションのレポートはこちらから。

TwitterやFacebookなど、急速に普及するソーシャルメディアは、Web担当者にとって無視できない存在だ。特にコンシューマ向けビジネスを展開する企業にとっては、マーケティングでの活用がテーマとなっている。しかし、あまりにも膨大なソーシャルメディアのコンテンツから価値ある情報を得ることは簡単ではない。ハンモック 営業本部 企画部 GLUEプロジェクトの鮭延(さけのべ)万里子氏の講演では、ウェブにあふれるソーシャルメディアのデータ活用事例が紹介された。

ソーシャルメディアのデータ活用に対する可能性と課題

ソーシャルメディアの普及によって、ウェブ上には以前にも増して多くのユーザーの“声”が散在するようになった。世の中で話題となっているトピック、特定の製品やサービスに対する評価や感想などさまざまだ。これらのデータは、企業がマーケティングに活用できる可能性を秘めていると注目されているが、課題もある。それは、データの量が膨大であるため、その収集や整理、分析が簡単ではないということだ。

たとえば、販促やブランディングにTwitterを利用しようとすると、膨大なツイートのなかから関連するものを抽出して分析しなければならない。さらに、直接対話によるサポート(アクティブサポート)を展開しようとすると、その履歴管理が必要になる。継続して実践するには、24時間365日活動している膨大な数のユーザーを相手にしなければならない。

鮭延 万里子氏
株式会社ハンモック
営業本部 企画部 GLUEプロジェクト
鮭延 万里子氏

企業の一方的な「やりっ放し」では炎上のリスクもあり、施策前後のユーザーの動向を把握しておかなければPDCAサイクルにおける「Check」が欠けてしまうことになる。そうなると、次の正しい「Action」につなげることもできない。このような悩みを解決し、企業のソーシャルメディア活用をサポートするツールがハンモックの「GLUE Webマイニング」だ。

鮭延氏は、企業にとって必要となるのは、「ソーシャルメディアを含む、ウェブ上に集まるテキスト情報の整理、管理、分析を一元化させること」であるとし、GLUE Webマイニングによってそれが可能になるとし、2つの事例を紹介した。

事例1 Twitterをマーケティングとアクティブサポートに活用

1つ目に紹介されたのは、ある大手アパレルメーカーだ。EC販売がメインの同企業では、Twitterを利用したアクティブサポートのためにGLUE Webマイニングを導入した。

まず、アクティブサポートを実践するにあたり、Twitter上のツイートから自社製品に関するものをキーワード指定し収集した。ただし、この段階では雑多な情報も多数含まれており、数も膨大である。そこで、「ネガティブ/ポジティブの判定」「リツイートの除外(RTは自発的ではない)」「ボットアカウントの発言除外」「名寄せ」などのテキストマイニングによる絞り込みと整理を行った。

ここまで来るとデータはある程度整理され、内容の関連性も高くなる。クレームや質問のツイートがあればフォロー(対応)し、それをDBに蓄積して管理する。また、キーワードのヒット率(出現頻度)を分析することで、Twitter上のトレンドも把握できる。グラフの山を分析すると、なぜそこで盛り上がったのかがわかる。たとえば、自社商品の販促キャンペーンを実施した際に、どの程度の話題性があったかやその推移を調べることができる。いわゆる、マーケティングのPDCAにおける「Check」が可能となる。

GLUE Webマイニングで「野球」に関するツイートを分析したところ。各ツイートの管理、キーワードトレンドを示すグラフ、頻出単語分析など、1つの画面ですべて対応できる

事例2 海外でのEC展開に向けて市場調査に活用

2つ目に紹介されたのは、中国市場で自社製品のEC販売に乗り出す電気メーカーの事例だ。

現地での自社製品に対する評価を把握したいという要望から、GLUE Webマイニングを使って中国版のAmazonやモール大手の淘宝網(タオバオ)のサイトに掲載されている情報を収集して分析し、製品評価、競合製品の価格動向、ブランドの認知度などを抽出して調査した。それによって市場を把握できたことに加え、極端に低価格で販売している店をチェックしたところ、商品偽造が発覚するといった副次的成果もあったという。

GLUE Webマイニングは、Twitterやmixi、Facebookといった主要SNSに加えて、海外ウェブサイトの情報も収集分析の対象にできる。また、中国語をはじめ、多言語サポートも進めており、グローバル展開を考える企業のソーシャルメディア活用もサポートするという。

関連情報
【取材・執筆】
仲里 淳
【撮影】
株式会社Lab
鹿野宏、石川恵愛

http://www.hellolab.com/

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dlvr.itはRSSフィードからTwitter/Facebookへの自動投稿サービスの決定版かも [編集長ブログ―安田英久] | Web担当者Forum

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今日は、Web担のソーシャルメディアアカウントでのサイト更新情報の配信に使っているサービスの情報を。いろいろ使ってきましたがRSSフィードの配信にはdlvr.itがかなり柔軟で良さそうです。

dlvr.it
dlvr.itのサイト(http://dlvr.it/

FacebookやTwitterなどのWeb担アカウントでは、サイトで更新した記事の情報を、RSSフィードを経由して流しています。

その際に、Web担のRSSフィードを取得してきて各ソーシャルメディアアカウントに投稿してくれるサービスを使うのですが、実はいくつかのサービスを渡り歩いてきています。twitterfeed、FriendFeed、NetworkedBlogsといった感じですね。

今回、RSS広告ネットワークのPheedo(フィード)が提供するdlvr.itというサービスに乗り換えたのですが、どうやらこのサービスで落ちつきそうです。

これまでサービスを乗り換えてきた理由は、記事が公開されたのにソーシャルメディア上に投稿されるのが遅れたり、投稿時の表示スタイルが気に入らなかったりといった点。

dlvr.it(デリバー・イット)は、今のところ問題なく更新されていますし、かなり柔軟に設定できるのがすばらしいのです。今まで知らなかったのが恥ずかしいぐらい。

dlvr.itの気に入っているのは、次のようなポイント。

dlvr.itの良いところ

  • 何をどこに配信するかを柔軟に組み合わせ可能

    ソーシャルメディア投稿系のツールには、1つのサービスアカウントに1つのTwitterアカウントを紐づけて、そのアカウントに特定のフィード内容を自動投稿するというものが多いのです。しかしdlvr.itはそうではなく、「どの情報(配信元)」を「どこ(配信先)」に配信するのかを指定していくスタイルです。配信元・先の組み合わせはいくつも設定できますので、Web担全体の配信と、編集部ブログの配信とを1つのdlvr.itアカウント内で管理できます。

    また、配信元・配信先それぞれ複数設定できるので、これまではRSSフィード → Twitter → Facebookのように連鎖的に更新させていたようなものも、dlvr.it上で「このフィードの内容をTwitterとFacebookに」と指定できます。また、複数のフィードからの内容をまとめて配信することも可能。

  • 配信するエントリのフィルタが柔軟

    RSSフィードに自動挿入される広告を除外したり、逆にフィードの中から特定の文字列を含むものだけを流したりといった設定も柔軟にできます。

  • 配信内容を柔軟に指定・加工できる

    これまでも、ツイートするときに「サイト更新情報:」などの文字列を付けて流せるツールはありましたが、dlvr.itはそのあたり、かなり自由。配信内容の前後にメッセージを加えたりするだけでなく、内容の一部を自動的に削除したり置換したりということも可能です。

    また、フィードの「タイトル」「本文」「URL」をどう流すかも自由に変えられるのも、実は強力な機能です(後述)。

  • OGPにも対応

    これは地味にうれしいところ。Facebookで投稿した際のアイコンを、ふつうに「シェア」したときのように、OGPで指定したアイコンで表示してくれます。

  • 15分ごとから配信できるし、pubsubhubbubにも対応

    Web担ではだいたい1時間おきぐらいに更新しているのであまり重要ではないのですが、15分おきに自動更新してくれるのはありがたいですね。また、pubsubhubbub(パブサブハブバブ、PuSH)という仕組みにも対応しているので、更新時に半リアルタイムにソーシャルメディアに反映させることも可能。

  • (簡易的な)統計データ表示も可能

    dlvr.itの短縮URLを使うことで、各コンテンツのクリック数もトラッキングできるようになっています。このあたり、本来ならば最終的なサイトのアクセス解析で行うのがいいと思うのですが、さらっと確認できるのはうれしいところ(各ソーシャルメディアアカウントのフォロワー数の増減なども併せて見せてくれるのは良いですね)。

    もっとちゃんと解析したい場合は、自分が使っている解析ツール用のトラッキングパラメータをURLに自動的に付けるようにも設定できます。

企業サイト用CMS→dlvr.itでソーシャルメディアアカウント管理?

これぐらい柔軟だと、サイトの更新情報をフィード経由で投稿する以外の利用方法も可能ですね。

たとえば、企業のソーシャルメディアアカウントでの投稿を、いつも使っている企業サイト用のCMSで管理してしまうというやり方です。

サイト上では公開しないけれども特定のフィードにだけ出す記事としてコンテンツをCMSで入力できるようにしておき、ソーシャルメディアアカウントに投稿するコンテンツをCMS上で入力していきます。必要ならばいつもの承認フローを通したうえで、CMSの自動公開機能でフィードに流し、PuSHで通知して、dlvr.itからはフィードの本文だけをソーシャルメディアアカウントで投稿するというものです。

dlvr.itでは、Facebook用には「シェア」風のリンクとして出すだけでなく、「近況アップデート」風に投稿することも可能なので、上記のような方法でも自然にいけるはずです。

こうすれば、特殊なツールを使うことなく、いつものCMSの管理画面からソーシャルメディアアカウントのコンテンツを管理できますし、だれがいつどういうアクションをしたのかの記録にもなります。

◇◇◇

というように、かなり気に入っているdlvr.itですが、ログイン画面やパスワード変更の画面でもSSLを使わずhttp:になっていて、送信先も非HTTPSとなっている点は、気になるところ。ここは直してほしいな……(開発元に連絡済み)。

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オリジナル記事:dlvr.itはRSSフィードからTwitter/Facebookへの自動投稿サービスの決定版かも [編集長ブログ―安田英久] | Web担当者Forum
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「知らない」では済まされない、Web担当者のためのセキュリティ対策最前線 | 日本ベリサイン [【レポート】Web担当者Forum ミーティング2011 Autumn] | Web担当者Forum

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Web担当者Forum ミーティング2011 Autumn

セミナーイベント「Web担当者Forumミーティング 2011 Autumn」(2011年11月8日開催)の講演をレポートする。他のセッションのレポートはこちらから。

B会場最後のセッションには、SSLサーバ証明書やクライアント証明書の発行・運用管理、ワンタイムパスワードやオンライン詐欺検出サービスなどを提供する総合セキュリティサービスプロバイダである、日本ベリサインの中川就介氏が登壇。Webマスターとしての業務経験のある中川氏が、Web担当者向けにサイトのセキュリティ周りのトレンドや常時SSL化のポイントを、事例を交えながら紹介した。

スマホの普及にともなう無線LAN利用拡大で、サイトの常時SSL化が進む

日本ベリサイン株式会社
SSL製品本部
アシスタントマネージャー
中川 就介氏

私自身が少し前までWebマスターでしたので、本日はWebマスターの方が知っておくといい情報をお話ししたい」。日本ベリサイン株式会社の中川就介氏は、冒頭でこのように挨拶をした後、「Webサイトのセキュリティ」について、興味深い事例を交えながら講演してくれた。

中川氏がセッション全体で提起したのは、「Webサイトは常時SSL化すべきかどうか」という問題だ。通信暗号化技術のSSLは、従来からフォームやログイン入口ページにSSLが用いられている。しかし最近では、Webサイトを常時SSL化することがトレンドになりつつあると言う。

たとえば、Google+は常時SSL化済みで、グーグル検索もログイン後は常時SSL化される予定です(Google.comを利用する場合)。TwitterやFacebookも、ユーザー向けに常時SSLのオプションを提供しています。Facebookでは2011年10月以降、SSL対応していないマイアプリ(iframe)が、常時SSLユーザーには表示されなくなりました

Webサイトの常時SSL化が進む背景には、Cookie(セッションID)の保護や、サイト全体の信頼性向上が挙げられる。このほか常時SSL化を促す大きな理由となっているのが、Wi-Fi(無線LAN)利用シーンの広がりだ。最近ではスマートフォンやタブレット端末の爆発的な普及にともない、無線LANインフラの利用も増加している。しかし、フリーのホットスポットなどの公衆無線LANを使い、データが暗号化されていない状態で通信を行うと、アカウントの乗っ取りや、なりすましの危険が生じてしまう。こうしたことから、SSL通信やSSLサーバ証明書の必要性が高まっていると、中川氏は説明する。

エンドユーザー側としても、無線LAN環境では通信に必ずhttps(SSL)を用いるようにしたり、httpsとhttpが混在するページの警告が表示された場合に、非暗号化のコンテンツを表示しないように注意するといったセキュリティ対策が推奨されている。

常時SSL化の誤解と移行のポイント

ではWebサイトの常時SSL化には、どんなポイントがあるのだろうか。中川氏はいくつかのポイントを紹介した。まず「SSL化すると通信速度が遅くなる」と言われることがあるが、昔に比べてCPUパワーが格段に向上している現在では、影響格段に小さくなっているという。またサーバー設定の調整、SSLアクセレーター(暗号処理専用のハードウェア)などの製品やサービスを用いることで、SSLの処理を効率化できる。

「常時SSL化すると計算コストが跳ね上がる」というのも10年前の話で、Gmailの常時SSL化による影響はCPU負荷の1%以下だったという記事や、ウェブサーバーの簡単な変更でレスポンスタイムを14秒から2秒に短縮できたという記事が紹介された。

またSSLサーバ証明書の選び方としては、セキュリティの高いものから順に、「EV SSL証明書」「企業実在性認証型SSL証明書」「ドメイン認証型SSL証明書」の3つがあることを説明。「アドレスバーにサイト運用者名を表示し、対応ブラウザではアドレスバーが緑色に変化するEV SSL証明書をサイト全体に採用することで、セキュリティ効果が高まる」と中川氏は説明した。

SSLサーバ証明書の種類
自己証明書型 ドメイン認証型 企業実在性認証型 EV SSL
正当なドメイン保持者
(警告なしの暗号化)
×
実在する企業
(企業の公式サイト)
× ×
実在する事業所の所在
(最高の信頼性)
× × ×

Webマスターにとっては、常時SSL化とSEOの関連性も気になるトピックだ。中川氏の説明によれば、httpとhttpsをハイブリッドで運用すると、被リンク効果が分散され、SEO上不利になってしまう可能性があるという。常時SSL化へと移行する場合には、httpからhttpsのページへと301リダイレクト(恒久的な移転)させることで、SEOの効果を引き継ぎながら運用できる。

また、ベリサインのEV SSL証明書などには、検索結果に安全なサイトであることを示す「シールインサーチ」機能がある。この機能を利用することで、一部のユーザーはGoogleやYahoo!などで安全なサイトかそうでないかを見分けやすくなる。これによって特にロングテールのキーワードにおいて、クリック数向上が期待できるそうだ。シールインサーチの実際の導入例として、Googleからのサイト訪問者が1.6%増えたケースも紹介された。

goo検索でのシールインサーチ表示例。Google、Yahoo!、Bingで表示するにはノートンインターネットセキュリティ、ノートン360、ソースネクスト社のウイルスセキュリティZEROなどのインストールが必要。

最後に中川氏は、「2012年4月から赤いチェックマークのベリサインシールは、黄色いチェックマークのノートンセキュアドシールに生まれ変わります。切り替えは自動的に行われ、すでにご利用中のお客様はそのままご利用いただけます」と、話題を提供した。2010年に日本ベリサインがセキュリティ対策ソフト大手のシマンテック社グループ企業になったことで、ネットユーザーにはお馴染みのベリサインのシールが切り替わることを告知し、セッションを終えた。

関連情報
【取材・執筆】
モジカ
担当:鶴田修朗(スクリプトLLC 代表)

講演、音声、動画などのコンテンツをテキスト化し、情報を利用・加工・検索・共有しやすくするサービスを提供している。

http://www.moji-ca.net/

【撮影】
株式会社Lab
鹿野宏、石川恵愛

http://www.hellolab.com/

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[ユーザー投稿] 【緊急・無料開催】2/22(水)Facebookのソーシャルコマースセミナー | Web担当者Forum

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※この記事はWeb担の読者によって投稿されたユーザー投稿のため、Web担編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、Web担編集部はこの内容について正確性を保証できません。

Facebook用のソーシャルコマースアプリ「ReBuy」発売を記念し、Facebookの
ソーシャルコマースセミナーを開催させていただくことになりました。
セミナーでは、ソーシャルコマースの現状をお伝えするとともに、「ReBuy」導入
企業3社(ニューバランス ジャパン様、オールアバウト エンファクトリー様、
つ・い・つ・い様)のトークセッションもあります。
申込締切まで時間がございませんが、ご興味のある方は、ぜひご覧いただき、
お申し込みください!

続きを読む (2,489 文字)

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サムライズ、Webアプリケーションのボトルネックが把握できる性能診断サービス提供開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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ソフト販売・サポートのサムライズは、Webアプリケーションのボトルネックが把握できる性能診断サービスの提供を2月7日開始した、と同日発表した。インフラ環境の大規模化、複雑化によって、Webシステムのダウンやトラブルに対する問題の特定が困難になり、システム内部の診断ニーズが高まっている。同サービスではこうした課題を解決するため、専任技術スタッフがWebアプリケーションの性能診断を行う。

性能診断サービスは以下の3種類。「トライアルサービス」はWebアプリケーションURLごとの応答時間を一定時間計測し、応答遅延やエラー発生状況を報告する。「スタンダードサービス」はトライアルサービスの計測期間を延長し、サーバー内部のパフォーマンス計測情報を追加してレポートを提出する。「アドバンスドサービス」は、スタンダードサービスの内容に、性能改善のための詳細データ解析を実施し、解析レポートを提供する。料金はトライアルサービスが無料、スタンダードサービスは70万円から、アドバンスドサービスが200万円から。

サムライズ
http://www.samuraiz.co.jp/

Webアプリケーション性能診断サービス
http://www.samuraiz.co.jp/product/wily/service/index.html

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エイケア・システムズ、メール配信システムの「MailPublisher」をスマートフォンに対応 [ニュース] | Web担当者Forum

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メール配信システムのエイケア・システムズは、同社の提供するメール配信システム「MailPublisher」シリーズに2月28日のバージョンアップでスマートフォンにも対応した端末別の自動振り分け機能を追加する、と2月7日発表した。新機能の追加により、スマートフォンを含めたすべての受信者に最適な形でメール配信を行うことができる。

MailPublisherシリーズの今回のバージョンアップでは、メールマガジンの会員登録やメールからのサイトアクセス時に取得したユーザーエージェントを基に「フィーチャーフォン」「スマートフォン画像参照型」「スマートフォン画像添付型」「PC」の4タイプに振り分け、配信対象者を自動抽出して最適なメールの配信が可能になる。また、メール本文のプレビュー画面にスマートフォンプレビューを追加。これによりHTMLメールやデコレーションメールのスマートフォンでの見え方を確認しながらコンテンツ作成ができる。

エイケア・システムズ
http://www.a-care.co.jp/

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サイバー・コミュニケーションズがホストする「Social Media Week TOKYO」開催、東京で2/13~2/17 [ニュース] | Web担当者Forum

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インターネット広告のサイバー・コミュニケーションズはソーシャルメディアに関するマーケット創造のためのイベント「Social Media Week TOKYO」をホストする。開催場所は東京都文京区と東京都港区、日時は2月13日~17日の5日間。「Empowering Change through Collaboration(ソーシャルメディア上で同時多発かつ巨大に起きるコラボレーションにより、加速していく変化)」をテーマとし、震災を契機に大きく変化する日本と、日本に訪れつつある新しいチャレンジがソーシャルメディアで始まる、というメッセージを伝える。ジャーナリスト田原総一郎氏と佐々木俊尚氏による基調対論「世界の変化とソーシャルメディア」のほか、メディア論、ソーシャルマーケティング、ソーシャルグッド(社会課題解決)、ソーシャルゲーム、ソーシャルプラットホームなどのテーマを設け、5日間で約50セッションを開催する。イベントは参加無料。サイトから申し込む。概要は次の通り。

日時:2012年2月13日(月)~2月17日(金)午前9時半~午後5時50分(開催日により異なる)
場所:講談社(東京都文京区音羽2-12-21)/電通ホール(東京都港区東新橋1-8-1)
内容(一部抜粋):「時代とソーシャルメディアの俯瞰」「ソーシャルプラットフォームスタディ 当事者が語るSNSの今と今後」「メディアスタディ~メディアを考える日」「ソーシャルグッド 社会課題解決とソーシャルメディア」「ビジネスのパラダイムシフト『ソーシャルシフト』とは」
詳細・申し込みサイト:
http://socialmediaweek.org/schedule/?locale_id=27

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漫画全巻ドットコムがヤフー月間ストア12カ月連続1位に [日本ネット経済新聞ダイジェスト] | Web担当者Forum

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日本ネット経済新聞ダイジェスト

漫画の全巻セットをネット販売するTORICO(本社東京都)が11年1月から12カ月間連続で、「ヤフーショッピング」の月間ベストストア(本、雑誌、コミック部門)で1位を獲得した。2月に開かれるヤフーショッピングの表彰式で、年間ベストストア(同)として表彰される公算が高い。

11年3月期のEC売上高は前期比66.7%増の約10億円。取扱作品数を増やすことで購入者が増加、作品数は昨年までに2万5000作品を超えた。

これまで自社サイトで売り上げを伸ばしてきたが、08年からモール店への出店を開始。現在は「楽天市場」と「ヤフーショッピング」に店舗を構えている。

売上構成比率は自社サイトが4割、「楽天市場」と「ヤフーショッピング」がそれぞれ3割ずつ。モール店の購入者が急増している状況にある。

12年3月期の売上高は15億円を計画している。

・漫画全巻ドットコム ヤフー店(Yahoo!ショッピング)
http://store.shopping.yahoo.co.jp/mangazenkan/index.html

・株式会社TORIC
http://torico-corp.com/index.html

※記事内容は日本ネット経済新聞の紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをWeb担当者Forum編集部が追加している場合もあります。
※見出しはWeb担当者Forum編集部が編集している場合もあります。
※週刊『日流eコマース』は、2011年6月23日より『日本ネット経済新聞』へとリニューアルしました。

「日本ネット経済新聞」は、インターネットビジネスに関連する宅配(オフィス配)のニュース情報紙です。日々変化するネット業界の情報をわかりやすく詳しく伝え、新しいビジネスヒントを提供していきます。前身のネット通販専門紙「週刊日流eコマース」(2007年1月創刊)の取材活動で培ってきた情報ネットワークをさらに拡大し発展させています。

このコーナーでは、日本ネット経済新聞編集部の協力により、毎号からピックアップしたEC関連のニュースや記事などをお届けしていきます。

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企業サイトでの動画コンテンツ利用基本のキ | 第1回 [15万円でゼロから始める動画マーケティング] | Web担当者Forum

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15万円でゼロから始める動画マーケティング

企業サイトで動画を利用する方法をイチから解説するこのコーナー。まずは動画コンテンツの特性について紹介します。また、担当者がPC向けの動画コンテンツ制作の企画を立て、社内コンセンサスをとって実施に移すまでに必要な基本的プロセスを紹介します。

動画ならではの訴求力

いま、BtoCからBtoBの分野までさまざまな形で動画が利用されています。動画は写真や文字よりも“動くモノ”の特徴を伝えやすく、“インタビュー記事”であれば話す人の雰囲気や熱意も伝わりやすくなります。もちろん、動かないモノや形のないサービスでも効果的です。

たとえば、通信販売ではカタログよりも通販番組の方がより多くを表現できます。また、おすすめのポイントを繰り返し強調して印象づけることや、見ている人が抱く疑問を先回りして答えるといったことも人が登場するからできることです。

多くの場合、表現次第で動画はより多くの情報を訴求できます。紹介したい製品やサービスにおいて動画に向き不向きという要素はありません。

Webマーケティングにおいて、この動画を活用しない手はありません。この流れは今後もずっと続いていくでしょう。しかし、Web上の動画コンテンツが増えてきたことで、動画自体の意義や効果などを再度考えることが必要になってきています。それは、ただWeb上で動画を見られるようにすればいいという単純な話ではなく、動画コンテンツをどう使っていくかという“手段”をさらに考える必要がある、という段階にきているからだと言えるでしょう。

動画を活用する目的は

次に動画のビジネス面での効果について考えてみましょう。実際に動画コンテンツを制作する場合、作業フローは大きく次の6つに分けられます。

動画制作のフロー
  1. 撮影の目的を決める
  2. 構成を考える
  3. 必要な予算スタッフを準備する
  4. 撮影
  5. 編集
  6. 公開

最も重要なのが、制作する動画コンテンツの目的を設定することです。ある車のプロモーションのために制作した動画があるとします。基本的にこの動画の目的は、より多くの人に見てもらいその製品の良さを知ってもらうことでしょう。すると、あとはこの動画を製品ページの目立つ場所に置いておけばいいと思うかもしれませんが、これはある意味とてももったいない動画の利用法だと言えます。

車のプロモーションであれば、動画の内容は製品の外観やエンジン性能、エコ性能、内装のデザイン、価格などいくつかの要素に分かれているでしょう。これを1本の動画として公開するのも悪くはないですが、それぞれの要素を1本の動画として別々に見ることができるようにしたらどうでしょうか。動画には内容を一覧しづらいという弱点がありますが、要素ごとに分けてあれば、消費者は必要な情報だけを短時間で見ることができます。もちろん興味のある要素が複数ある場合は、他の動画を見るでしょう。

これで車のプロモーションという目的は果たせたかもしれませんが、映像をバラバラにしたことでさらにもう1つの利点が生まれます。それは、各映像の視聴数を見ることで、消費者がこの車のどの部分に関心があるか把握できることです。こうした情報はその後のプロモーション施策やサイト制作に役立てることができます。このように動画をうまく利用することで、「見てもらう」だけではなく、マーケティング情報を得るという目的も加えることができます。

また、目的を多く持っておくことは、動画コンテンツ制作を社内に提案する際に理解を得やすいという利点もあります。新たにコンテンツを制作するとなると、必ずと言っていいほど費用対効果の話になるからです。コンテンツの目的を複数持っておけば、視聴数だけに目が行くこともなく、コンテンツを効率よく利用できることを社内にアピールできるわけです。次の施策につながる要素を持っておくことも大事です。

動画の演出効果

動画を制作する際は、どうしても見た目や出演者などに目が行きがちですが、前述のように大切なのはその目的に合致した内容です。動画を活用することによる演出効果は、大きくわけて3つあります。

1. インパクト

UQ WiMAXのCM動画

インパクト動画で話題になったものの1つに、UQ WiMAXのネコのCMがあります。「(UQ WiMAXに)入っている?」ということを印象付けるために、あえて細かな説明やメリット訴求をせずに、ビールの空き箱にネコがスライディングする映像のみで訴求していました。後半のサービス名の演出部分は高度なテクニックが必要ですが、ネコの動画部分だけであれば、手持ちのビデオカメラでも撮影できます(ただし、訴求したいものとの関連性が重要です)。

2. おもてなし

おもてなしでは、楽天市場で公開されている「がんばれ!日本の農家」などが参考になります。食の安全の観点から「顔の見える商品」ということが重視されている食品業界ですが、「がんばれ!日本の農家」では、農産物生産者がメッセージや栽培の様子を動画で伝えています。田んぼの風の音が多少入っていたりしますが、「自分たちの作ったものを真摯に伝えようとしているのだな」という雰囲気がとても臨場感があり、視聴していると安心して購入できそうだという気持ちになります。

3. 感情に訴える

より感情に訴えた例では、教育施設での動画活用などがとても参考になります。たとえば、茨城にある吉沼保育園での動画紹介は、日本太鼓演奏やクリスマス会などのイベントでの園児の姿をそのまま動画化しています。かるたとり大会で、やさしさが伝わる先生のかるたを読み上げる声をBGMに、園児たちの「はい!」というかるたをとった時の声は感情に訴えます。

これらの3つの動画は、プロのカメラマンが撮ったものと家庭用カメラで撮ったものがあり、画質や音質などはそれぞれですが、共通しているのは引きつける力があるということです。つまり構成やシナリオ次第であり、「どんなことをアピールしたいか」という部分をしっかりと認識し、どうすれば動画にしたときに効果的に伝わるのかを考えることが重要なのです。

高度な演出はプロに依頼

動画の目的にあわせて高度な演出や編集を必要とするなら、動画制作のプロに頼むのがいいでしょう(一口に動画制作のプロといっても、Webサイト上に載せる映像制作の経験があるかが重要です)。ただし、「伝えたい人の想いが伝わるか」という点については、自身がその商品(伝えたいもの)の「その道のプロ」として、伝えたいことを原稿にし、映像化していく必要があります。商品の使い方を説明するのであれば、プロのナレーターが説明するよりも、開発者本人やその商品にほれ込んで販売している担当者が、つっかえながらでも説明することで熱意が伝わることが多々あります。

ただ動画を作って公開すればいいということではないのは前述の通りですし、あくまでも動画はWebサイトに載せるためのものであり、動画以外のコンテンツとの親和性を意識しながら制作できるかどうかも重要です。また、編集作業ではマルチオーディオと呼ばれるBGMや効果音を付ける作業が重要になります。動画のなかでポイントになる箇所に効果音やBGMを入れることで、見ている人が飽きないような演出を音の面からも加えるのですが、プロとアマチュアでは差がでてきます。

予算を決める3つの要素

目的に合わせ、しっかりとした構成やシナリオができたら撮影となるわけですが、忘れてはならないのが動画制作にかかる予算です。動画制作に関わる予算には大きく次の3つの要素があります。

  1. 映像の長さ
  2. 撮影にかかる日数
  3. 編集の内容

簡単に説明すると、映像の長さは全体的なスタッフの工数、撮影日数は撮影に関わるスタッフの工数、編集内容は編集スタッフの工数に関わってきます。

予算を決める3つの要素
要素 予算に影響する内容
映像の長さ
  • 映像の長さが変われば編集の工数が変わる
撮影日数
  • 同じ映像の長さでもロケ日数が変われば金額は大きくなる
  • ロケは基本「1日単位」
  • 地方ロケの食事代、交通費、宿泊費(アゴ、アシ、マクラ)
編集内容
  • ロケ場所の費用
  • 3DCGなどの特殊効果
  • タレントのギャラの考え方
  • 特殊機材の使用

同じ1分間の映像を作るにしても、撮影に2日間かかる場合もあれば1日で済むこともありますし、合成や特殊効果を使用した映像を制作しようと思えば、編集作業にかかる時間も変化します。当然、プロに制作を依頼するのか、社内スタッフで制作するのかによっても上下します。一方で、上記の3つの要素がわかれば制作予算をより正確に見積もることができます。

対象デバイスは絞り込む

ここまで動画制作の考え方や予算、制作の工程について述べてきましたが、最後にPC以外のデバイスに向けての動画制作についても触れておきます。

PCやフィーチャーフォンに加え、今ではiPhoneやAndroid端末といったスマートフォンも視野に入れる必要が出てきました。これらは、デバイスごとの特性や機能の違いが多岐にわたるため、それぞれに合わせた映像演出や仕組みを個々に考える必要があります。PCとモバイルでは端末の画面サイズが違うため、モバイルでは映像をアップにした方がわかりやすかったり、文字を大きくした方が読みやすかったりします。通信環境についても、PCと比べモバイルは低速の場合が多いため、動画の長さや画素数への配慮も必要です。

しかし、それぞれに対応しようとすれば工数と予算は大きくなりますし、無理に対応しようとしても中途半端なコンテンツになってしまう場合があります。そうしないためには、想定している視聴者をしっかりと分析し、一番見せたい人に一番見せたい形でコンテンツを視聴してもらうことを第一に考え、どのデバイスに注力すべきかを事前に検討する必要があります。どのデバイスでも最良の形で視聴できるようにと欲張ると予算もかかるうえ、効果に結びつかないこともあるということです。

また、サイト上でクリックすればいつでも見られる、オンデマンドでの動画の配信方法には大きく分けて2つ、ダウンロードとストリーミング方式があります。デバイスにあわせて配信方法も選択する必要があるため、覚えておきましょう。

ダウンロードとストリーミングの違い
  • ダウンロード

    名前の示す通り、動画ファイルをユーザーのPCなどローカル端末にダウンロードしたうえで再生する方式です。Webサーバーがあれば実施可能ですが、ダウンロードが完了しないと動画が再生されないため、動画のようなサイズの大きいファイルでは再生までに時間がかかることがあります。また、ダウンロード配信では動画ファイルのコピーがユーザーのローカル端末に残りますので、ユーザーのハードディスク領域を圧迫する、権利関係での問題が生じる可能性があるといった点でケアが必要です。

  • ストリーミング

    動画ファイルのデータを受信しながら、順次動画再生できる方式です。ユーザーの待ち時間が短縮される、ユーザーのローカル端末に動画ファイルのデータが残らないのでデータコピーや転送の心配がない、ユーザーのハードディスク領域を圧迫しないというメリットがあげられます。導入に際しては、ストリーミング専用のサーバーの手配が必要となります。

このほか、ストリーミングに類似したものにプログレッシブダウンロードという方式があります。これは、ファイルをダウンロードしながら再生可能ですが、再生後、ハードディスクの一時フォルダにマルチメディアファイルがアクセス可能な状態で残ります。YouTube、ニコニコ動画などはプログレッシブダウンロード方式で行われています。

今回は動画制作に関わる基本的な要素を紹介しました。次回以降、具体的な撮影方法を説明していきます。

株式会社Jストリーム
http://www.jstream.jp/

  • リッチコンテンツ・マーケティング情報局
    Jストリームでは、動画やリッチコンテンツに関する最新ニュースを満載した情報ポータルを運営しています。
    http://www.richcontent.jp/

営業本部
西日本営業所
所長
北庄司 英雄(第4回、第5回担当)

新卒でマーケティング会社の株式会社ヤラカス舘入社、ヤフー株式会社へ転職し、7年間インターネット広告の営業に従事した後、2007年にJストリームへ転職。西日本における動画マーケットの開拓のために、ビジネス、メディア、広告代理店など、多種多様な企業へ向けて「動画マーケティング」の提案活動を行う。最近は、製薬会社や製造機器メーカーなど大手BtoB企業における動画活用の啓蒙に注力するほか、大手通販会社のV(Video)コマースプロジェクトの立ち上げにも参画。趣味はアウトドアと旧車でのドライブ。

制作・システム開発事業統括本部
プロデュース・インテグレーション部
Web映像プロデュース課
専任次長
伊東 達夫(第2回、第3回担当)

株式会社クロステレビの編集マン、株式会社イニットを経て、Jストリームへ。PIP(Person in Presentation)の大流行前の2004年からをPIPのクリエイティブを多数手がけ、PIP向けスタジオ再構築なども手がける。企業プロモーションのみならず、医療系コンテンツやCM、Webドラマ、Flashインタラクティブムービーなど、ジャンルを問わず多数制作。最近では映像コンテンツ制作以外に、WebコミックやスタティックなFlashコンテンツなどのディレクション、プロデュースも行い、コンテンツ全般に幅広く対応する。「第6回東京インタラクティブ・アド・アワード」での『アデランス ヘアシーダ 直電ライブ「ディランに訊け!」』の制作統括なども担当。

制作・システム開発事業統括本部
プロデュース・インテグレーション部
Web映像プロデュース課
専任課長
岩崎 悟志(第1回、第3回、第4回担当)

大学卒業後、映像制作・CD-ROM制作を行う株式会社オルカビジョンに入社。「世界の車窓から」などのCD-ROM制作と共にIT関連のCS放送の番組制作などに関わった後、Web用ストリーミング番組の制作に携わる。7年後の2003年、Jストリームへ入社後は、主にWeb向けの映像制作・自社スタジオ運営に従事。現在まで、製品プロモーションやサービス説明、ライブ配信番組など、動画・コンテンツの制作およびディレクションを多数手がける。得意分野は取材ものやドキュメンタリー映像、採用系の映像制作など。趣味はカーリングとサイクリング。

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“トップページへ”は不要。常識を疑うと見えてくる客の姿 [企業ホームページ運営の心得] | Web担当者Forum

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Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の弐百伍十

常識の否定

社会人なら「常識」は身につけておきたいものです。応接室セットでの席順はもちろん、名刺の受け取り方に「弊社の鈴木社長は」と呼ばないようにです。日本社会において「身内」の紹介は、たとえ社長であっても「ウチの鈴木が」と「呼び捨て」が基本です。

とはいえ、この「常識」というのが曲者で、疑いもなく当たり前と思っていることに根拠や理由にメリットがないどころか、デメリットとなっていることもあります。それはWebの世界でも同じ。「常識」と思い込んでいることで潜在的需要を見落としていることがあります。

先日、都心で親族が集まる用事があり、会場のセッティングを任されました。各種グルメサイトで探してみると、なかなか不便であることに気がつきます。グルメサイト側の「常識」にはない需要を見落としています。これについては最後に。

今回は「常識」による取りこぼしについての仮説です。

きっかけはダメサイト

常識を疑うきっかけとなったのは、ある洋品店のサイトの相談を受けたときのことです。こうした疑問をアクセス解析で検証できるのはWebの強みです。しかし、明確な戦略も目的もないサイトの診断は難しく、アクセスログを取っていない(会社はいまも多く実在します)ことから、「見た目と使った感想」からのアドバイスしかできないと断ったうえで、サイトを回遊していると「トップページ」の重要な問題が目につきました。それは最近のWebサイト制作における「常識」の部分です(トップページは正しくはホームページですが、習慣的な表記として本稿ではサイトの最上位をトップページと呼びます)。

いま、サイト構築はブログも含めたCMSや、ホームページビルダーなどのオーサリングソフトで制作するのが主流です。そこでは「テンプレート」が活躍します。かつてのホームページ制作の現場では、1つの「メニュー」が変更になると、すべてのHTMLファイルを書き直す必要がありましたが、テンプレートの登場で「一括変更」できるようになり生産性が飛躍的に向上しました。

一括管理の弊害

この便利さの代償でしょうか。

トップページに“トップページへ”というリンクがある

ことが珍しくなくなりました。そして件のサイトは特に顕著でした。

主にページの上部に配置されるサイト全体で共通するメニューを「グローバルナビゲーション」、コンテンツの左右どちらかに配置されるメニューを「サイドバー」、最下部を「フッター」とここでは定義します。先の洋品店のサイトでは、横並びメニューの左側、縦配置メニューの最上部といった、一番目立つ位置に配置されていたのが「トップページへ」だったのです。サイトのどこからでも「トップページ」へ遷移できるメリットはあるでしょうが、トップページで「トップページへ」を目立たせる必要はありません。

動かないコンテンツ

数字で検証するために、わたしが管理しているいくつかのサイトをチェックすると、サイトによってバラツキはありますがトップページで「トップページへ」が一定数クリックされています。

最上部や左肩の部分に社名ロゴなどを配置し、そのリンクを「トップページへ」とするのは、現在のトレンドですが、そこも含めた「トップページ」から「トップページへ」のクリック率をみると、もっとも高いサイトでは50%を超えていました。しかも「トップページからトップページ」への移動から、そのまま離脱(サイトを離れること)している数は少なくありません。そこでこんな仮説が浮かびます。

“トップページへ”をクリックしたことにより、そのまま帰る客がいるのではないか

トップページで「トップページへ」をクリックしても表示されるコンテンツが変わるコトはありません。そのために画面の変化がないことを「動かない」とあきらめて帰っている客がいるかもしれないということです。

数字で測る対策効果

そこでトップページのグローバルナビゲーションから「トップページへ」を抹消します。社名ロゴからのトップページへのリンクも外します。Google Analyticsの「ページ解析」を見てみると、ページの下部にスクロールされている割合が極端に少なかったので、ノートパソコンの画面(解像度)でも「1ページ」で表示される場所に「見てほしいページの案内」を配置します。

設置から2週間後にチェックすると、70%台と超高止まりしていた直帰率はぴったり10%下がり、「見てほしいページの案内」へのクリック率は22%と、5人に1人は誘導できておりまずまずの数字です。同一条件ではないので「参考値」に過ぎませんが、他のサイトでも近い数字の改善を確認しています。直帰率が高いトップページを持つサイトなら一考の価値がある取り組みです。

「見てほしいページへの案内」の有無によるA/Bテストの結果によっては、今回の仮説を「法則」に格上げできるのですが、トップページを探している人を迷わせてしまうことも考えられます。クライアントのサイトでの実験には限界もあり、迷惑のかからない範囲で追試をしているところです。

昼間から酒を飲む一族

サイト内で共通のグローバルナビゲーションやサイドメニューを設置して「統一感」を与えることはWeb制作者にとって「常識」のようになっています。

しかしいま、Webサイトへの入り口はさまざまです。そもそも到着した場所が、トップページであるかどうかを訪問者は知りません。そして「トップページへ」をクリックして「動かない」と勘違いし、直帰する客を取りこぼしているとしたらもったいない話です。

多くのグルメサイトの「常識」では、利用者は地域や料理で選ぶとなっているようです。あるいは飲み放題や食べ放題かもしれません。しかし、われわれ親族の最大の条件は、

日曜日の11時から酒が飲める店

でした。一族の長が、隙あらばビールを飲み始める人間で、早い時間から腰を落ち着けて酒を飲める店を探すのに難儀したのです。オフィス街は日曜祝日が定休日の店も多く、銀座などの繁華街でも11時30分開店が主流です。つまり「開始時間」で検索する客がいないというのがグルメサイトの「常識」のようです。しかし、結構ありますよ。午後4時から飲み始める会社とか。

今回のポイント

常識で見落とすこともある

トップページからトップページは不要……かも?

宮脇睦

宮脇 睦(みやわき あつし)

プログラマーを振り出しにさまざまな社会経験を積んだ後、有限会社アズモードを設立。

制作、営業の双方の現場を知ることからウェブとリアルビジネスの融合を目指した「営業戦略付きホームページ」を提供し、一業種一社、制作案件は足立区内のみという営業施策をとっている。本業の傍らメールマガジン「マスコミでは言えないこと」を発行。好評を博す。著書に『Web2.0が殺すもの』『楽天市場がなくなる日』(ともに洋泉社)、『月刊宝島』などに寄稿。

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オリジナル記事:“トップページへ”は不要。常識を疑うと見えてくる客の姿 [企業ホームページ運営の心得] | Web担当者Forum
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“検索エンジン”ではなく“ユーザー”のための最適化を。中の人が明かすホントのSEO~ Google検索最新トレンド 2011~ | グーグル [【レポート】Web担当者Forum ミーティング2011 Autumn] | Web担当者Forum

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Web担当者Forum ミーティング2011 Autumn

セミナーイベント「Web担当者Forumミーティング 2011 Autumn」(2011年11月8日開催)の講演をレポートする。他のセッションのレポートはこちらから。

イベント最後の基調講演では、グーグル株式会社 サーチクオリティチームの金谷武明氏が登壇。ウェブサイトを運営するうえで避けられないSEO(検索エンジン最適化)について、「Web担当者に知っておいてほしい重要なこと」として、検索エンジンに相性の良いサイト制作を行うための心得を語った。

Googleが目指す完璧な検索エンジンとは

グーグル株式会社
サーチクオリティチーム
金谷 武明氏

基調講演に登場したグーグルの金谷武明氏は、参加者の多くがWeb担当者であることを確認したうえで「今日はWeb担当者の方に伝えたい重要なことだけ話します」とし、「Googleの使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることです」という、Googleのミッションから説明を始めた。

Googleが掲げるこのミッションは、SEOに取り組むWeb担当者であれば、一度は耳にしたことがあるだろう。この言葉には、検索エンジンを使うユーザーの利便性を最優先するという思いが込められている。Googleが目指す完璧な検索エンジンとは、「ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズにぴったり一致するものを返すエンジン」であり、何が最適な結果かは検索するユーザーのシチュエーションによって異なる。これはとても重要な点で、検索キーワードに対する結果が固定化されているわけではないということであり、同時にGoogleも評価のしくみを試行錯誤し続けているということだ。

Googleによるウェブサイトの評価指標で真っ先に思いつくのが「ページランク」だが、金谷氏ははっきりと「何かの指標にすべきではない」と語る。

ページランクは、200以上ある指標の1つであり、それだけを重視すべきではありません。少なくとも、ユーザーが確認できるページランク(Google ツールバーで表示されるもの)は年に数回しか更新されません。ページランクだけを何かの指標にすることはまったくおすすめしません」(Google ウェブマスター向け公式ブログに掲載された関連記事

Google検索が登場した当初こそ、ページランクの影響は大きかったものの現在は数多くある指標の1つでしかない。少し古い解説書などを参考にしてしまったせいで、いまだにページランクの上下に一喜一憂している人も少なくないが、それはもう意味がないようだ。

真のSEOとは検索エンジンではなくユーザーを見ること

Webサイトのトラフィックの多くを検索エンジン経由が占める現在、SEOはWeb担当者にとって重要施策の1つだ。しかし、コンテンツの内容や質に関係なく、小手先の対策で検索結果順位を上げようとするケースはいまだに多い。こうした状況について金谷氏は、「SEOについて、Googleの主張は昔から一貫していますが、世の中で誤解されていることが多くあります。しかも厄介なことに、その誤解の方が主流となって広まっています」と語る。

Google検索のアルゴリズムは、関連性の高いサイトが上位になるよう年間何百という変更が加えられており、それに逐一追従することは現実的ではありません。しかし、Google検索が目指す所は常に同じで『ユーザーにとって関連性の高い検索結果を返すこと』です。ですので、ユーザーにとって関連性の高く役立つサイトを作ることが最大の検索エンジンの最適化、SEOにつながります。

架空のサイトを例にSEOの基礎知識を解説した「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド(PDF)

つまり、ウェブサイトの改善は検索エンジンを利用するユーザーを見て行うべきということだ。ユーザーに評価されるコンテンツであれば、おのずとGoogleもそれを評価するアルゴリズムへと改善されていくはずだからだ。そのための手引書となるのが、「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド(PDF)」だ。SEOとは本来、ユーザーために行うものであるというGoogleの考えのもと、SEOの基礎知識が書かれている。

また、Googleがウェブマスターセントラルで公開している「ウェブマスター向けガイドライン」も、ウェブサイトの制作に関わる人間は必読だと言えるだろう。

Web担当者にとって必需品のウェブマスターツール

SEOに小手先の技は不要とはいうものの、検索エンジンのクローラーにウェブサイトを正しく認識してもらうためには、最低限の作法は必要だ。内容が良くても、文章が読みづらかったり構成がわかりにくいコンテンツは、読者にとって好ましいものではない。きちんと整理されていることもコンテンツを評価する1つの要素というわけだ。

そこで金谷氏が、「検索エンジン最適化スターターガイド」や「ウェブマスター向けガイドライン」と合わせ、Web担当者にぜひ使ってほしいとすすめるものが、Googleが提供するウェブサイト運営サポートツール「ウェブマスターツール」だ。

ウェブマスターツールでは、ウェブサイトがGoogleからどのように認識されているかを確認できる。これは、ウェブサイトが検索エンジンに認識されているかなど、正しいSEOを行ううえで大きな助けになる。ウェブマスターツールを使うことで、次のような効用が期待できるという。

ウェブマスターツールを使う7つの理由
  1. サイトマップを送信してクロールの効率性を高める
  2. 検索結果の表示状況をキーワードごとに分析する
  3. 外部のサイトからのリンクを詳細に分析する
  4. クロールエラーを検出し、検索結果への登録ミスを防ぐ
  5. マルウェアの感染をいち早く検出する
  6. パラメータ処理機能でクロール効率を高める
  7. クローラーの活動を分析する

各項目の詳細は、「Google ウェブマスター向け公式ブログ」に掲載されているので、目を通しておこう。なお、このブログ記事は、金谷氏らサーチクオリティチームによるものだ。

スパム判定されたときのために覚えておきたい重要機能

最後に金谷氏は、ウェブマスターツールで特に覚えておいてほしい重要なポイントとして、「ガイドライン違反のお知らせ」「再審査リクエスト」「スパム判定」に関する機能を紹介した。

  • 「ガイドライン違反のお知らせ」とメッセージのメール転送

    「ガイドライン違反のお知らせ」機能は、自社サイトが「ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反したサイト」としてスパム判定された場合の解決に役立つ。スパム判定された際に、ウェブマスターツールの管理画面にそのことが表示されるようになった。判定通知のメール転送機能を利用すれば、ウェブマスターツールにログインしなくても、いち早く状況を把握できる。

  • スパム判定と再審査リクエスト

    スパム判定された際に、違反箇所を修正し、再審査を依頼する際に利用する再審査リクエスト機能では、その審査結果を具体的に通知してくれるようになった。「手動によるスパム判定があったかどうか」「それが解除されたかどうか」などを知ることができる。

    またスパム判定には、自動と手動の2種類があると金谷氏は話す。自動で判定されるものは、期間の設定などはなく、ウェブサイトで該当箇所の状態とスパム判定のアルゴリズムがそのまま続く限りは、スパム判定され続ける。これは、該当箇所が修正され、それをGoogleが認識した段階で自動的に解除される。

    手動で判定されるものは、該当箇所を修正しても自動的に解除されることはないため、再審査リクエストを利用することになる。ここで注意しておきたいのは「再審査リクエストで対象となるのは、ウェブマスター向けガイドラインの品質に関するガイドラインに書かれた項目についてのみである」という点だ。実際の再審査リクエストでは、品質に関するガイドラインに記載された項目以外(つまり、再審査リクエストをする必要のない)のものが多いという。

  • スパム判定の原因が外部にある場合の確認

    再審査リクエストを出したものの、一向に解除されないケースもある。それは「修正しきれていない」ことが原因だが、担当者にその箇所の心当たりがないような場合は、外部に原因がある可能性が高い。

    たとえば、プロモーションの依頼先である外部の会社が悪質なSEOをしていたような場合だ。その中でも多く見られるケースは、外部からの不自然なリンクだ。このようなガイドラインに違反したリンク施策は外部の会社から報告されないことが多く、サイトだけを見ていても気づくことはない。

    外部からのリンク操作に関しては、ウェブマスターツールの「ウェブ上のサイト」>「サイトへのリンク」で確認できるので、一度チェックしてみるといいだろう(ヘルプフォーラムの関連スレッドにGoogle社員からの回答がある)。

    こういった例は、企業ウェブサイトで、Web担当者とプロモーション担当者が別々に動いていると起こりやすいという。

最後に金谷氏は、ウェブマスターツールの登録はディレクトリ単位で、そして複数のアカウントで可能なことを話し、サイト管理に直接携わっていなくても、マーケティングや宣伝担当者、マネージャーにも自分の担当領域のコンテンツを登録してほしいと勧めていた。どのようなサイトからリンクされているか、どのようなキーワードで検索されているかといった詳細情報は、他のアクセス解析ツールより細かい情報が得られるので、ぜひお勧めしたい。

関連情報
【取材・執筆】
仲里 淳
【撮影】
株式会社Lab
鹿野宏、石川恵愛

http://www.hellolab.com/

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[ユーザー投稿] 【大阪開催】3/16(金) 2012年ヒット予測! スマホユーザーを取り込むAR(拡張現実)導入事例紹介セミナー | Web担当者Forum

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※この記事はWeb担の読者によって投稿されたユーザー投稿のため、Web担編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、Web担編集部はこの内容について正確性を保証できません。

今年のヒット予測が出るARを導入をするための最新動向や導入事例紹介セミナーを3/16(金)、大阪の「ソフト産業プラザ イメディオ」を会場に開催します。

続きを読む (2,595 文字)

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アップルップル、コンテンツ管理システム「a-blog cms」の新バージョン「a-blog cms v1.5」を発売 [ニュース] | Web担当者Forum

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Webサイト制作のアップルップルは、同社のコンテンツ管理システム(CMS)「a-blog cms」の新バージョン「a-blog cms v1.5」を2月8日発売した、と同日発表した。新バージョンでは従来のPC、タブレットPCのほか、スマートフォンにも対応。更新用のiPhoneアプリを使えば、iPhoneからの更新も可能になるという。

a-blog cms v1.5はスマートフォン対応のほか、カスタマイズしやすい2つのテンプレートファイルや、モバイルフレームワーク「jQuery Mobile」を使用したテーマを新しく採用した。大量の写真を一括でアップロードする「マルチファイルアップロード機能」や従来のコンテンツがそのまま利用可能なインポート機能の充実など、サイト制作や運用の手間を最小限にする多数の新機能を搭載している。

アップルップル
http://www.appleple.com/

a-blog cms v1.5
http://www.a-blogcms.jp/news/release/release150.html

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トーチライト、オウンドメディアプラットホーム「gigya」をmixiに対応、管理画面も日本語化 [ニュース] | Web担当者Forum

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ソーシャルメディアを活用したマーケティング支援を行うトーチライトは、オウンドメディア(自社情報を発信するメディア)向けソーシャル化プラットホーム「gigya(ギギャ)」の「mixi」対応と、管理画面の日本語化を行った、と2月8日発表した。オウンドメディアからソーシャルメディアのへの情報拡散が可能な「ShareBar」と、ソーシャルメディアのIDがあればワンクリックで登録が完了する「SocialLogin」をmixi対応にしたことで、mixi会員への情報拡散や新規会員登録の増加などが期待できるという。

gigyaのShareBarは「Facebook」や「Twitter」などソーシャルメディアのアイコンを表示したツールバーで、アイコンをクリックするだけで外部リンクを経由してオウンドメディアからソーシャルメディアへの情報拡散を可能にする。このShareBarの共有先として、新たに「mixiチェック」を追加した。SocialLoginは、FacebookやTwitterなどソーシャルメディアのロゴをクリックすればIDやパスワード設定、個人情報の入力をせずに登録が完了する仕組み。ここにもmixiアイコンを追加した。これらのmixi対応に併せて利便性を高めるため、従来は英語のみだったプラットホーム管理画面の日本語化を行い、ユーザビリティの向上を図った。

トーチライト
http://www.torchlight.co.jp/

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