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プロファイルに基本的なフィルタをかける[第6回] [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum

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Googleアナリティクスは、非常に高度な分析ができる無料のアクセス解析ツールだ。無料の反面、正式なサポートサービスというものがないため、ユーザーは自分で情報を集めなくてはならない。Web担当者にとっては結構な手間だ。そこで本連載では、Web担当者の負担を軽減すべく、導入から、運用、活用まで、初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

今回は、新規に作成したプロファイルに「フィルタ」をかける設定をしてみよう。フィルタとは、該当のプロファイルの元データを、集計する前にあらかじめ加工処理しておくための設定だ。自社社員のアクセスを集計データから除外したい場合などに利用できる。

まずは、第2回2ページ目の操作手順に従って、「プロファイルA」を開こう。

※読者の環境では別のプロファイル名かもしれないので、自分が作ったプロファイルを選ぼう。大元のデータを使うプロファイルではなく、データを加工して使うために作成した新しいプロファイルを開くこと(詳細は第2回を参照)。

フィルタの設定画面を開く

メニュータブの右から2つ目の「フィルタ」(図1赤枠部分)をクリックすると、フィルタの設定画面が表示される(図1)。

図1:プロファイルのフィルタタブを選択した画面
図1:プロファイルの「フィルタ」タブを選択した画面

当たり前だが、最初はフィルタには何も設定されていない。新しくフィルタを設定するには、「+新しいフィルタ」(図1青枠部分)をクリックする。そうすると、「プロファイルにフィルタを追加」という画面が表示される(図2)。

図2:「プロファイルにフィルタを追加」画面
図2:「プロファイルにフィルタを追加」画面

一般的によく使われるフィルタが「既定のフィルタ」(図2赤枠部分)として登録されている。既定のフィルタには、

  • ドメインからのトラフィック
  • IPアドレスからのトラフィック
  • サブディレクトリへのトラフィック

の3種類がある。フィルタを一から自分で設定することもできるが(カスタムフィルタ)、初級者はまず、この既定のフィルタをいくつか試してみるところから始めることをお勧めしたい。順番に説明していこう。

  • 「ドメインからのトラフィック」フィルタの設定方法

「ドメインからのトラフィック」フィルタの設定方法

「プロファイルにフィルタを追加」画面で「既定のフィルタ」(図2赤枠部分)を選択すると、プルダウン(図2青枠部分)で最初に表示されているのが、「ドメインからのトラフィック」だ。

このフィルタの目的

「ドメインからのトラフィック」フィルタは、計測対象サイトに訪問してくるユーザーの所属するネットワーク(インターネットプロバイダや企業ネットワーク)がどのドメイン名に所属しているかを判断して、その情報によってアクセス情報を除外したり絞り込んだりするフィルタだ。

たとえば、自社のサイトには、自社社員も頻繁に訪問する。しかし自社社員の訪問は、アクセス解析をおこなう上では意味のない訪問なので、できるだけ集計からは除外したいところだ。そんな場合に使うのが、「ドメインからのトラフィック」フィルタだ。

Googleアナリティクスでは、IPアドレスの逆引きをしてユーザーのドメイン名を検出する。大企業の場合は、その企業のドメイン名にIPアドレスがマップされている。つまり社員が自社のドメイン名に所属するIPアドレスから利用したトラフィックを除くことになる。

このフィルタの設定方法

例として、「example.jp」というドメイン名のネットワークからの訪問を除外したい場合の設定方法を説明しよう。

図2:「プロファイルにフィルタを追加」画面
図2(再掲):「プロファイルにフィルタを追加」画面
  • 「フィルタ名」には、わかりやすいフィルタの名前を入力しよう。今回の「自社ドメインからの利用を除く」とする(図2紫枠部分)。
  • 「ドメイン」には、フィルタの対象となるネットワークのドメイン名を入力する(図2黄枠部分)。例では「example.jp」と示しているが、たとえばインプレスグループならば「impress.co.jp」になる(サイトのURLではないので「www.」は含めてはいけない)。
  • 左側のプルダウン図2緑枠部分)は、「除外」と「右のみを含む」の2つから、どちらかを選べるが、今回は「example.jp」を含む訪問データを除外したいので「除外」を選択する。逆に、特定のドメイン名のネットワークからの訪問だけに絞り込んで集計したいときは、「右のみを含む」を選択することになる。
  • 右側のプルダウン図2黒枠部分)は、「等しい」「前方が一致」「最後が一致」「次を含む」の4つから選択できる。今回は「等しい」を選択する。

以上の設定をおこなって保存すると、フィルタ管理画面に戻り(図3)、新たに設定したフィルタの行が加わる(図3赤枠部分)。

図3:フィルタを1つ作成した画面
図3:フィルタを1つ作成した画面

設定したフィルタの内容を確認したり修正したりする際には、フィルタ名(図3赤枠部分)をクリックすると、フィルタ設定の編集画面に戻る。

このフィルタを削除するには、右側にある「削除」ボタン(図3青枠部分)をクリックする。削除確認画面が出てくるので、そこで「フィルタを削除」ボタンをクリックすることで削除される。

大企業のようにドメイン名にIPアドレスがマップされていない場合でも、サイトの関係者が特定のIPアドレスから訪問していることが分かっているような場合は、次に説明する「IPアドレスからのトラフィック」フィルタの出番だ。

  • 「IPアドレスからのトラフィック」フィルタの設定方法

「IPアドレスからのトラフィック」フィルタの設定方法

このフィルタの目的

「IPアドレスからのトラフィック」フィルタは、計測対象サイトに訪問してくるユーザーのIPアドレスによってアクセス情報を除外したり絞り込んだりするフィルタだ。

「ドメインからのトラフィック」フィルタと同様に、自社社員の訪問をアクセス解析から除外する場合に使える。自社社員がインターネットにアクセスする際に利用するIPアドレスが定まっている場合に便利だ。

このフィルタの設定方法

「IPアドレスからのトラフィック」フィルタを設定するには、先ほど同様、フィルタ管理画面(図3)で、「+新しいフィルタ」(図3緑枠部分)をクリックして、「プロファイルにフィルタを追加」画面を表示する(図4)。

そして、既定のフィルタ(図4赤枠部分)を選択し、「IPアドレスからのトラフィック」(図4青枠部分)をプルダウンで選択する。

図4:「IPアドレスからのトラフィック」フィルタ
図4:「IPアドレスからのトラフィック」フィルタ

例として、「74.125.19.103」というIPアドレスからの訪問を除外したい場合の設定方法を説明しよう(たとえば自分のIPアドレスを除外したい場合、このサイトなどでIPアドレスを確認できる)。

  • 上部の「フィルタ名」図4紫枠部分)には「IP除外を適用」と入力する。
  • 左側のプルダウン図4緑枠部分)は、「除外」と「右のみを含む」の二者択一だが、今回は「除外」を選択する。
  • 右側のプルダウン図4黒枠部分)は、「等しい」「前方が一致」「最後が一致」「次を含む」の4つから選択できる。ここでは「等しい」を選択する。
  • 中央下部の「IPアドレス」図4黄枠部分)には、「 . 」(ピリオド)で区切られたIPアドレスの4つの数字をそれぞれ指定する。

以上の入力を終えたら、左下の[保存]をクリックする。

この「IPアドレスからのトラフィック」フィルタでは、正規表現では記述できないので、IPアドレスを範囲で指定したい場合は、より汎用的な指定が可能なカスタムフィルタを使う必要がある。カスタムフィルタの設定方法については、それは高度なフィルタを説明する別項で扱う予定だ。

  • 「サブディレクトリへのトラフィック」フィルタの設定方法

「サブディレクトリへのトラフィック」フィルタの設定方法

このフィルタの目的

「プロパティ」のレベルで収集する大元のデータは、通常はドメイン名全体を対象に収集しておく。しかし、会社の部門ごとにWebサイトのディレクトリが分かれているような場合に、それぞれの部門に所属している社員には、自分の部門だけのデータしか見せないようにしたいことがある。そのようなときに使うのが、この「サブディレクトリへのトラフィック」フィルタである。

たとえば、営業部門管轄のコンテンツのディレクトリが「/sales/」、広告宣伝部管轄のコンテンツが「/pr/」となっているとして、営業部員には「/sales/」のアクセス解析データだけを見せるようにしたい場合の設定を説明しよう。

このフィルタの設定方法

「プロファイルにフィルタを追加」画面で、「サブディレクトリへのトラフィック」(図5青枠部分)をプルダウンで選択すると、図5のような画面表示になる。

図5:「サブディレクトリへのトラフィック」フィルタ
図5:「サブディレクトリへのトラフィック」フィルタ
  • 上部の「フィルタ名」図5紫枠部分)には「営業部」と入力する。
  • 中央下部の「サブディレクトリ」図5黄枠部分)には「/sales/」と入力する。この「サブディレクトリ」の右側に記述するテキストは「/sales/」とか「/pr/」などというように、スラッシュ(/)でディレクトリ名を囲む形になる。
  • 左側のプルダウン図5緑枠部分)は、「/sales/」以下のコンテンツへの訪問だけに絞り込みたいので、「右のみを含む」を選択する。
  • 右側のプルダウン図5黒枠部分)は「前方が一致」を選択する。

[保存]をクリックすれば、設定が保存され、新しいフィルタが作成される。

もちろん、こういった利用形態であれば、部門の数だけのプロファイルを作り、プロファイルごとに同様のフィルタを設定する必要がある。

◇◇◇

以上「ドメインからのトラフィック」「IPアドレスからのトラフィック」「サブディレクトリへのトラフィック」の3つの既定フィルタを説明してきたが。最後に、フィルタに関する注意点を1つ。

フィルタを設定したプロファイルでは、以後、フィルタによって加工されたデータをもとに集計されることになるのだが、フィルタが適用されるのは、フィルタを設定した後から計測されたデータだけだ。

フィルタを設定しても、設定以前にさかのぼってデータが加工されるわけではない。

集計し始めてから途中でフィルタを設定すると、集計範囲が変わってしまうので、トレンドを見る場合には注意が必要だ。フィルタは、できるだけ集計し始めのうちに設定しておこう。

繰り返しになるが、フィルタを適用する場合は、メインのプロファイルではなく、メインのプロファイルとは別に作った加工用のプロファイルを使うようにしてほしい。メインのプロファイルにフィルタをかけてしまうと、何かミスがあったときにその期間のデータが使い物にならなくなってしまうからだ。

データをフィルタで加工して使うために新しいプロファイルを作る手順は第2回を参照してほしい。

衣袋教授の丸2日でアクセス解析を徹底的に学ぶ講座アクセス解析ゼミナール」を2012年7月4日と7月11日に開催します。主催はアクセス解析イニシアチブ。6月15日までの申込には早割あり。 → http://a2i.jp/activity/training

衣袋 宏美

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Digital Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

著書など:
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素人とは違う、Webプロフェッショナルの仕事としてのWebコンテンツ開発を考えてみた [イベント・セミナー] | Web担当者Forum

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記事の最後には、この記事を執筆した長谷川恭久氏も登壇するセミナーイベント「Webサイトもスマホアプリも!One Web」(6月9日開催)のお知らせがあります(セミナーのお知らせを見る)。

コンテンツは王様

コンテンツの重要性は、Webの漆明期からうたわれている。しかし、これは特別な視点だというわけではない。書籍・テレビをはじめとしたメディアでは当たり前のことである。

それでは何がWeb特有なのだろうか。改めて「コンテンツは王様」だと言われている理由とは、何なのだろうか。

Webコンテンツがもつ2つの側面

Webにおけるコンテンツ開発は、大きく次の2つに分類できる

  • 「ヒューマン・リーダブル(Human Readable)」であること
  • 「マシン・リーダブル(Machine Readable)」であること

1つ目の「ヒューマン・リーダブル」とは、魅力的な写真、もっと読みたくなるような文章、理解しやすいように整理された情報など、そのコンテンツを「人」が視覚・聴覚によって理解できるかどうかである。

書籍やTVなど従来の媒体でもヒューマン・リーダブルであることが良いコンテンツであることの根底にあることから、コンテンツがヒューマン・リーダブルであるかどうかに関しては、多くの方が細心の注意を払っている。

しかし、Web ではヒューマン・リーダブルであるだけでは、良いコンテンツだと見なすことはできない。

2つ目の「マシン・リーダブル」であることを満たして初めて、コンテンツをWebで配信することの意味を十二分に発揮する。マシン・リーダブルとは、機械が、そのコンテンツを理解できるかどうかを意味する。ここでいう「機械」とは、たとえば検索エンジンやソーシャルメディアプラットフォームだけでなく、Webブラウザをはじめとしたソフトウェアや、スマートフォンのようなハードウェアも含めた概念だ。

なぜWebのコンテンツはヒューマン・リーダブルであるだけでは成立しないのか、マシン・リーダブルがなぜ重要なのかを、詳しく見てみよう。

Webならではのコンテンツの捉え方

今のWeb利用者が必要としているコンテンツには、次の3つの反応のいずれかが含まれている

  • 有益である
  • 楽しめる
  • 意味のある

コンテンツがこのいずれかに該当するからこそ、彼らはブックマークしたりソーシャルメディアで共有したりする。

こうした性質をもつコンテンツを提供することが、コンテンツプロバイダー(つまり個人・企業といった「情報の出し手」)に対する読者のロイヤルティやエンゲージメントに繋がる。

関係を築きあげるには、魅力的なヒューマン・リーダブルのコンテンツを開発することが必須なのだ。

しかし、どんなにすばらしいヒューマン・リーダブルなコンテンツを作ったとしても、それだけでは足りない。読む人がそのコンテンツに辿り着く方法が少なければ、観覧されることはないからだ。また、共有・共感するための術がないのであれば、そのコンテンツは1つの場に閉じこもることになる。

Webという広大な場で人と人、人とコンテンツが有機的につながり合う機会を増やすには、Web技術を活用したマシン・リーダブルなコンテンツ開発が不可欠になる。ここでいうWeb技術とは、HTML・CSS・JavaScriptのようなフロントエンド技術だけでなく、Ruby・PHP・Perlのようなサーバーサイドの技術も含まれている。

これらの技術はWebサイトを構築するための道具として見られがちだが、実はWebコンテンツを活かすための「栄養剤」のような役割も果たしている。

たとえば、WebサイトのコンテンツにOGP(Open Graph Protocol)の導入を検討したとしよう。OGPとは、主にFacebookで「いいね!」や「シェア」をしたときにタイトル・説明文・アイコンなどを適切に扱えるようにするための仕組みであり、各ページのHTMLにOGPの仕様に則った記述をすることで、自分たちが考える最適な形で共有されるようにできるのだ。

マシン・リーダブルにすることで、「関連情報の表示」「導線の確立」「共有の窓口」「再利用/再配信」といったWebならではの仕組みを確保し、そこにヒューマン・リーダブルなコンテンツを乗せることが可能になるのだ。

このように、ヒューマン・リーダブルとマシン・リーダブル双方を意識してコンテンツ開発を行うことで初めて人に伝わる形となるのが、Webコンテンツのユニークなところである。いずれかが欠けては成立しないだけでなく、双方が協力しなければ最適なWebコンテンツは作り得ないわけだ。

人へより近づくためのマシン・リーダブル

では、良いコンテンツにOGPのタグを適切に設定すれば、それでいいのだろうか?

答えは「否」だ。たとえマークアップを通じてマシン・リーダブルである状況を確保できたとしても、共有先でヒューマン・リーダブルであるとは限らない。わずか百数十文字と1つの画像にメッセージを集約させなくてはならないので、サイト上にWebページとして表示する場合とはまた別の、OGP向けのヒューマン・リーダブルで良質なコンテンツが必要になる場合があるのだ。また、OGPに最適化したコンテンツを格納・配信するための仕組みをサーバーサイド技術で構築しなければならない(CMSの仕組みなどの形で)。

従来のマシン・リーダブルは、コンテンツをいかに効果的に露出させるかにフォーカスされていた。正しいマークアップをすることも、コンテンツを格納するためのシステムを構築するのも、すべて「露出させる」「見てもらう」「アテンションをとる」ためだったといえるだろう。

もちろん、こうした側面でのマシン・リーダブルは今後も重要ではあるが、もっと違う側面を考慮することで、コンテンツを通じたより良いコミュニケーションができるようになるのではないだろうか。

というのも、現状では「One to All(ひとつのコンテンツがすべての人へ)」の形状を保っているのがほとんどだろう。ソーシャルメディアや検索エンジンなどコンテンツに触れる接点は異なるものの、基本的にすべてのユーザーが同じコンテンツを観覧していた。しかし、今後「One to All」だけでなく、「One to One(ひとりの人へ合わせたひとつのコンテンツ)」モデルのコンテンツも増えてくるだろう。

アクセスしている時間・場所やデバイスの動きなど、利用者の文脈(コンテキスト)を察知することで、見せるコンテンツを合わせるのが「One to One」の基本的な考え方だ。すべての人にではなく、アクセスしているその人に合わせて最適化するために Web技術が使われるようになる。

HTML5にあるさまざまな機能や、Media Queriesを活用したレスポンシブWebデザインは、One to Oneのコンテンツ配信を可能にする技術の一部だ。

また、利用者の好みや期待を文脈として取り込むことで配信がより1人の利用者に合った形になるという仕組みも考えられるだろう。

これまで「One to All」の配信モデルだけでよかったのは、パソコンを使ってWebへアクセスすることを前提としていたからなのかもしれない。

しかし今は、スマートフォン、タブレット、TVなど、Web上のコンテンツにアクセスできるデバイスの酒類が増えただけでなく、Webブラウザやアプリなど情報アクセスの仕方も異なる。

多様化が進んでいる今だからこそ、「コンテンツはすべての人に必ずこう見られる」という先入観を捨て、コンテキストごとのそれぞれの人のニーズに合わせたコンテンツ配信が必要とされている。

情報アクセシビリティを再考しよう

なぜここまでコンテンツの配信にWeb技術を駆使しなければならないのだろうか。なぜ、利用者ひとりひとりに合わせてコンテンツを配信しなければならないのだろうか。

もちろん、そこにマネタイズやプロモーションといったビジネスの視点はあるだろう。しかし、根底としては、「媒体としてのWebの特性を最大限に活かすため」という考えに基づいているのではないだろうか。

情報にアクセスできないのであれば、その情報は存在していないのに等しい。ブラウザの種類、独自プラグインの利用、閉ざされたアプリ・サービスによる壁など技術的な理由から情報にアクセスできないことがある。また、配信側のエゴにより、欲しい情報にアクセスし難い場合もある。長いイントロダクション映像やローディング画面が壁となったり、重要な情報が画像文字になっていてテキストを抽出できなかったりといった形で情報アクセシビリティが妨げられている状況は、未だに見かけることがある。

そして、ちょっとした妨げが、利用者の「見られない」「わからない」という不満になってかえってくる。

振り返って考えてみると、今注目されているWeb技術やWebデザインの方法論などは、すべて情報アクセシビリティ(情報にアクセスできるかどうか)を重んじているものばかりだ。

画像ではなくCSS3を使う。プラグインではなく HTML5を使う。そういったことが支持されているのも、それらの技術が情報アクセシビリティを向上させるからだろう。

もちろん、すべてのコンテキストですべての人に情報を100%確実に届けることは、難しい。しかし、高品質のヒューマン・リーダブル・コンテンツを作り、そのコンテンツに対して可能な限り高水準の情報アクセシビリティを提供することが、Webプロフェッショナルのミッションである。

今や誰でもWebで情報発信できる時代だ。しかし、ヒューマン・リーダブルな高品質さと、適切なマシン・リーダブルさを両立してデザインできるのは、ごくわずかなプロフェッショナルだけである。

Webならではのデザインの課題に対して投資してもらえるようなデザイナーでありたいと同時に、Webという媒体の特性と良さを取り入れられる「Webプロフェッショナル」が、今まで以上に必要になると考えられる。

6月9日開催セミナー
スマホ誕生から変革! 未来のWebコンテンツの見せ方

こんにちは、allWebクリエイター塾 大本です。昨年に引き続き「One Web」をテーマにしたセミナーイベント「SwapSkills Doubbble (5)」を6月9日(土)に開催いたします。

今回は、昨年にもご登壇いただいたWebデザイナーの長谷川恭久さんから、セミナーのプロローグ的な内容を提言として記事にしていただきました。この記事の内容に興味を持たれた方ならば、6月9日のセミナーに参加いただければ、さらに広く深い情報を得られるはずです。

  • イベント名: SwapSkills Doubbble(5) 「Webサイトもスマホアプリも!One Web」
  • 日時: 2012年6月9日(土)13:00 ~ 17:00(12:45受付開始)
  • 会場: きゅりあん(品川区・大井町)イベントホール C・D・E
  • 主催: allWebクリエイター塾
  • 講演者:
    • 長谷川恭久(Could)
    • 菊池崇(Web Directions East)
    • 斎藤祐也(サイバーエージェント)
    • 白石俊平 (CAモバイル)
    • 佐々木朋美 (AQ)
  • 参加費: 8,800円(早割あり)
  • 定員: 250名
  • 詳細・お申し込み: http://swapskills.info/doubbble/05.html

昨年大盛況だったこともあり、すでに定員の半分以上の方にお申し込みいただき、参加者からは期待の声をいただいています。今年は、よりコンテンツへの取り組みなどもご紹介させていただく予定です。

満席になると予測されますので、ご希望の方はお早めにお申込みください。みなさまのお申込みをお待ちしています。

長谷川恭久

長谷川恭久
Could Webデザイナー

デザインやコンサルティングを通じてWebの仕事に携わる活動家。アメリカの大学にてビジュアルコミュニケーションを専攻後、マルチメディア関連の制作会社に在籍。

日本に帰国後、数々の制作会社や企業とコラボレーションを続け、現在はフリーで活動。自身のブログとポッドキャストではWebとデザインをキーワードに情報発信をしているだけでなく、各地でWebに関するさまざまなトピックで講演を行ったり、多数の雑誌で執筆に携わったりしている。

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[ユーザー投稿] 企業のWebマーケティングを成功に導くウェブ担当者に不可欠な6つの資質 | Web担当者Forum

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※この記事はWeb担の読者によって投稿されたユーザー投稿のため、Web担編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、Web担編集部はこの内容について正確性を保証できません。

もし私が「どうやったら企業はWebマーケティングを成功させることができるのか?」と問われれば、数多くのクライアントのコンサルティング経験を元に、まずはじめにウェブ担当者とチームの大切さを語ることになる。

どんなにサイトを素晴らしいものにリニューアルしても、Facebookページを作っても、Twitterにアカウントをとっても、それがウェブ担当者とチームによって適切に運営されなければ、はっきり言って成功するわけがない。

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[ユーザー投稿] メールクリエイティブにおけるABテスト | Web担当者Forum

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メールマガジンの日々の運用の中では短期的な指標の向上へ比重が置かれることになるのではないでしょうか。そのため、日々の運用においては短期的な効果の指標である開封数やクリック数の上昇を狙って件名やメールのデザインなどを工夫するなど、クリエイティブ(原稿)の改善を実施されていることと思います。このような日々の運用における効果検証と改善のためによく用いられている手法が、「ABテスト」です。

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[ユーザー投稿] ネットショップ実務者育成講座シリーズ第4弾 「ネットショップの集客法 基礎編」 | Web担当者Forum

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ネットショップ実務者育成講座シリーズの第4弾として、「ネットショップの集客法 基礎編」を新規開催します。

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mediba、スマートフォン向けのデマンドサイドプラットフォーム一元管理システムを提供 [ニュース] | Web担当者Forum

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KDDI系でスマートフォン・携帯電話広告のmedibaは、ディスプレイ広告の広告買い付け、掲載、ターゲティングといった一連の作業を統合的に管理するデマンドサイドプラットフォーム(DSP)の一元管理システムの提供を5月下旬に始める、と5月16日発表した。スマートフォン向けの各DSPのパフォーマンスや広告効果を分析し、広告予算を各DSPに自動最適化して配分できる日本初のマーケティング支援システムとなる。

DSPは、これまで主流だった媒体を選んで広告枠単位で広告を売買する方法ではなく、利用者のデータを基にユーザー単位でターゲティングして、より効果的に広告を配信する仕組み。DSP一元管理システムによってプロモーションの戦略立案からレポーティングまでの作業日数を削減し、単一のDSPを運用するより効率的な運用が可能になる。

mediba
http://www.mediba.jp/

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日本ブランド戦略研究所、「顧客サポート調査2012」で総合1位はファンケルオンライン [ニュース] | Web担当者Forum

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ブランドやウェブ戦略に関するコンサルティング事業の日本ブランド戦略研究所は、企業の顧客サポート利用経験者が評価する「顧客サポート調査2012」の結果を5月17日発表した。コールセンター、サポートサイト、担当者の各視点での評価で総合1位は、化粧品通販のファンケルオンラインだった。2位も同じ化粧品通販のオルビス、3位はゲームの任天堂が入った。

調査は、家電、住設機器、金融など133企業を対象に23品目に関して3月16日~4月9日に実施。20~59歳の8396人が答えた。総合評価の4位は、パナソニック(デジタルカメラ)、5位はキヤノン(デジタルカメラ)。6位から10位までは、シャープ(テレビ)、ソシエ(エステサロン)、セシール(ネット通販)、TOTO(温水洗浄便座)、NKSJひまわり生命(医療保険)となった。

日本ブランド戦略研究所
http://japanbrand.jp/

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アイレップとスパイア、機器別のネット利用調査で買い物やバンキングはパソコンが中心 [ニュース] | Web担当者Forum

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検索エンジンマーケティングのアイレップとモバイル広告のスパイアは、機器別のインターネットと検索エンジンの利用実態調査の結果を5月16日発表した。スマートフォンは乗り換え案内やカレンダーの利用が多く、パソコンはショッピング、オークション、インターネットバンキングなど、金銭のやり取りが発生するサイトで多く使われていた。

スマートフォンのインターネット利用は外出先で便利なサービスが中心。SNSも多く使われていた。パソコンは、ノート、デスクトップとも買い物、決済に使われる主要機器になっていた。スマートフォンでのネットショッピングの金額はパソコンとほぼ同額だが、「スマートフォンの利用頻度は今後も変わらない」とする回答が多かったことから、もともとパソコンで買い物をしていた層が利便性からスマートフォンでも購入するようになった、とみている。

検索エンジンに関しては、「Yahoo! JAPAN」と「Google」が主に使われている。「使い慣れている」「検索しやすい」「シンプル」「便利」「簡単」などが利用する理由の上位に入った。端末の標準設定が大きく影響するものの、サービスの「使いやすさ」が決め手になっていた。調査は、スパイアが運営するターゲットリサーチのリサーチパネルにインターネットで2月13、14日に実施した。サンプル数は2326。

アイレップ
http://www.irep.co.jp/

スパイア
http://www.spireinc.jp/

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[ユーザー投稿] 【業界初】ペイジェント、スマートフォン・携帯キャリア決済 3社対応サービスを開始 | Web担当者Forum

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株式会社ペイジェントは、2012年5月16日(水)より主要3キャリアのキャリア決済をスマートフォンとフィーチャーフォンで一括導入できるサービスを開始します。

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[ユーザー投稿] Webサイトを活かすアクセス解析!知っておきたいツールの特性!![2012/6/7(木)セミナー] | Web担当者Forum

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Webマーケティングのトレンドや、アクセス解析ツールのタイプごとの特性、運用のヒントを、結果を出すためのアクセス解析をポリシーとして活躍している運営堂の森野氏が、フラットな視点でお話します。さらに、サーバログ型アクセス解析例として、SiteTrackerでのユーザーのサイト内行動分析例などもご紹介。

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ソーシャルメディアの効果測定、企業の実施率はわずか30% | ソーシャルメディア白書2012 ハイライト #8 [ソーシャルメディア白書2012 ハイライト] | Web担当者Forum

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ソーシャルメディア白書2012 ハイライト

この記事では、一般消費者1万人と企業400社への調査データから、日本のソーシャルメディアの利用実態を明らかにした、書籍『ソーシャルメディア白書2012』のなかから、Web担の読者向けに注目データをピックアップし、全9回にわたってお届けします。

この記事で紹介しているデータのハイライト
  • 活用度の高い企業ほどユーザーの育成に積極的
  • 上級活用企業では中長期的な目的での活用が増加
  • 効果測定の実施率はわずか30%
企業編 その1 ――今回と次回の2回にわたって、企業調査のデータをお届けします。
企業調査は、ソーシャルメディア活用度を問う設問に対する回答結果を元に、ソーシャルメディアにおける「上級活用企業」「活用中期企業」「活用初期企業」の3つのレベルに分類し、調査を実施しました。
ソーシャルメディア活用度の分類

活用度の高い企業ほどユーザーの育成に積極的

企業のソーシャルメディア活用について調査を行ったところ、現在、企業の広報・マーケティング活動で最も活用されているソーシャルメディアはTwitterおよびFacebookであり、上級活用企業ではさらにブログなど、様々なソーシャルメディアが活用されています(図1)。

図1 利用しているソーシャルサービス(活用度別)
図1 利用しているソーシャルサービス(活用度別) ※グラフは原著まま
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

今後はYouTubeやUSTREAMなど動画系サービスの活用や、ソーシャルアプリの展開などが予想されます。また、TwitterやFacebookなど、自社公式アカウントの活性化施策としては、上級活用企業の6割以上が「投稿コンテンツの工夫」と回答しました(図2、図3)。

図2 Twitter公式アカウントの活性化施策(活用度別)
図2 Twitter公式アカウントの活性化施策(活用度別) ※グラフは原著まま
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.
図3 Facebookページの活性化施策(活用度別)
図3 Facebookページの活性化施策(活用度別) ※グラフは原著まま
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

そのほか、Facebookページのファン増加施策では、「企業ホームページなどからのリンク」といった既存資産の活用のほか、上級活用企業を中心に「Facebook広告の出稿」など積極的な投資も行われており(図4)、ソーシャルメディア上の自社コミュニティを積極的に育成する姿勢がうかがえます。

図4 Facebookページのファン増加施策(活用度別)
図4 Facebookページのファン増加施策(活用度別) ※グラフは原著まま
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

上級活用企業では中長期的な目的での活用が増加

企業のソーシャルメディア利用目的としては、「広報」や「プロモーション/キャンペーン」や「認知向上」など、従来マスメディアを中心に行ってきた施策をソーシャルメディアで強化・補完しようとする割合が50%を超えています(図5)。一方でソーシャルメディア活用度が高い企業ほど、それ以外の「ブランディング」「サイト流入強化」「潜在顧客の育成」など、中長期的な利用目的の比率が高くなることがわかりました。

図5 ソーシャルメディアの活用目的(活用度別)
図5 ソーシャルメディアの活用目的(活用度別) ※グラフは原著まま
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

ソーシャルメディア活用のきっかけを見ると、「ほとんど予算をかけずに始めることができるから」というソーシャルメディアならではの「始めるハードルの低さ」が目立ちました(図6)。しかし、ソーシャルメディア活用度の高い企業ほど「流行っているから」「乗り遅れるとまずいと思ったから」といった受動的な理由よりも、「マーケティング課題を解決するために有益だと判断したから」「上層部・上長からの指示を受けて」といった、経営判断に基づくソーシャルメディアの活用開始を理由として選択した割合が高くなっています。

図6 ソーシャルメディアの活用開始理由(活用度別)
図6 ソーシャルメディアの活用開始理由(活用度別) ※グラフは原著まま
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

効果測定の実施率はわずか30%

企業活動におけるソーシャルメディア活用の効果としては、「自社サイトへの流入が増加した」が最も多く、次いで「会社や商品の認知度が向上した」と「ブランド好意度が増した」が続きました。上級活用企業は、活用初期/中期企業に比べ自社サイトへの流入増加やブランド好意度向上の項目数値が高いほか、社内の風通しや意識の改善にまで幅広く効果があったと回答しています(図7)。

図7 ソーシャルメディアの活用効果(活用度別)
図7 ソーシャルメディアの活用効果(活用度別) ※グラフは原著まま
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

効果測定の実施有無については、ソーシャルメディアマーケティングに取り組む企業全体のうち、30%にも満たない結果となりました(図8)。上級活用企業では半数(54.3%)を超えていますが、現状においては多くの企業においてノウハウや人材が不足していることがうかがえます。

図7 ソーシャルメディアの活用効果(活用度別)
図8 ソーシャルメディアマーティングの効果測定(活用度別) ※グラフは原著まま
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

また、上級活用企業は測定指標についても、「いいね!、コメント、シェア、RT(リツイート)数など」や「PV(ページビュー)やUU(ユニークユーザー)」といった、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)だけでなく、収益やブランド好意度、想起率・購入意向・推奨意向といったKGI(Key Goal Indicator:重要目標評価指標)を測定していることがわかります(図9)。

図9 ソーシャルメディアマーケティングのKGI測定(活用度別)
図9 ソーシャルメディアマーケティングのKGI測定(活用度別) ※グラフは原著まま
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

ソーシャルメディアの活用度が高い企業ほど、デジタルマーケティングにおける一般的な短期的成果指標を測定するだけでなく、中長期的な活動によって獲得する「意識変容」まで測定することで、ソーシャルメディア活用の効果をより正しく評価しようとしていることがうかがえます。

◇◇◇

ソーシャルメディア白書2012からのデータ紹介、第8回は「企業におけるソーシャルメディア活用の実態」について紹介しました。

この調査から、積極的に活用している企業とそうでない企業の間には多くの違いがあることがわかりました。活用に積極的な企業はTwitter、Facebookだけでなく、YouTubeやUSTREAMなどまで活用しており、「広報」や「プロモーション/キャンペーン」などだけでなく、「ブランディング」や「潜在顧客の育成」といった中長期的な目的にもフォーカスしていました。また、効果測定の実施についても大きな隔たりがあり、KGIのような本質的な意義を考えた運用がなされているのが上級活用企業の実態のようです。

今回の調査では、上級活用企業は36社/406社とわずか9%にとどまりましたが、このような本質的な運用を行う企業がさらに増加していくことが強く望まれます。

次回は「企業におけるソーシャルメディアリスクと運用体制の現状」についてご紹介していきます。

調査概要:企業編
  • 調査目的:企業におけるソーシャルメディアマーケティングの取り組み状況および今後の課題把握
  • 調査期間:2011年9月26日(月)~2011年10月25日(火)
  • 調査手法:郵送調査&インターネット調査
  • 調査対象:上場会社と有力未上場企業、外資系企業および上場会社の子会社・関連会社
    ※株式会社東洋経済新報社が独自調査で収集した、国内4万社(上場会社と有力未上場企業、外資系企業および上場会社の子会社・関連会社)を収集した企業リスト『日本の会社データ4万社』(2011年4月版/株式会社東洋経済新報社)に掲載された企業より選定した。
  • 発送数:6,972社
  • 回収数:406社(回収率5.8%)
回収サンプル数
50人未満 71
50~100人未満 47
100~200人未満 47
200~300人未満 36
300人~500人未満 47
500~1,000人未満 44
1,000~3,000人未満 59
3,000人以上 51
『ソーシャルメディア白書2012』
ソーシャルメディア白書2012 ハイライト
著:株式会社トライバルメディアハウス、株式会社クロス・マーケティング
出版社:翔泳社
定価:9,800円+税

日本では本格的なソーシャルメディアに関連したデータ集が圧倒的に不足しており、提案の現場では海外調査データや簡易的なウェブ調査などが多数引用されている状況である。そこで本書は、消費者や企業のソーシャルメディアの日本での利用実態を多様なデータとともに明らかにする。今後、ソーシャルコマース、ソーシャルCRM、ソーシャルゲームなど、さらにソーシャルメディアは存在感を増していくなか、本当に使えるデータを網羅する!

『ソーシャルメディア白書2012』の購入はこちらから。

株式会社トライバルメディアハウス
アナリスト
西村 顕一

慶應義塾大学商学部卒業後、トライバルメディアハウスに入社。ソーシャルメディアに関わる各種調査・分析、ソーシャルメディアマーケティングの戦略策定、効果測定などに携わる。現代ビジネス[講談社]にて連載執筆中。

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オリジナル記事:ソーシャルメディアの効果測定、企業の実施率はわずか30% | ソーシャルメディア白書2012 ハイライト #8 [ソーシャルメディア白書2012 ハイライト] | Web担当者Forum
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マーケティングは “過去データ分析” から “予測分析” へ/Adobe Digital Marketing Summitより [イベント・セミナー] | Web担当者Forum

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※筆者はアドビ システムズ社の招待を受けてこのイベントに参加していることを開示しておく。ただし、招待がなくても参加する意志があったことを付け加えておく。

これまでのマーケティングは、アクセス解析やリサーチなどを含め、過去のデータを分析することが中心だった。しかし、デジタルマーケティングの世界は、過去のデータをもとに、先を見越して行動する「予測分析」の段階に進みつつある。

デジタルマーケティングに関する大規模イベント「アドビ デジタル マーケティング サミット」のレポート第5弾をお届けする(サミット関連の他の記事は「Adobe Digital Marketing Summit 2012」タグでチェック)。

マーケティングは「リアクティブ」から「プロアクティブ」に

これまで紹介したAdobe CQ(レポート第3弾)、Adobe Discover(レポート第2弾)、Adobe Social(レポート第4弾)はいずれもデジタルマーケティングの何らかの側面に対応した製品だが、今回紹介する「予測分析」は特定の製品ではなく、Adobe Digital Marketing Suiteを構成する各製品に追加される機能にあたる。つまり、Adobe SiteCatalyst、Adobe Discover、Adobe Test&Target、Adobe Insight、Adobe Socialといった製品それぞれが、「予測分析」に対応していくということだ。

アドビではEfficient Frontierの買収によりすでに一部製品では予測分析の機能を実装しており、さらにDigital Marketing Suite全体への拡張にむけて開発を進めている。

予測分析」とは、過去に蓄積されたさまざまなデータを基に将来を予測したうえで、リアクティブに(データに反応して)ではなく、プロアクティブに(先を見越して)行動をとることにより、将来を変えビジネス成果に結びつける能動的な分析を意味する。

データマイニングは、その目的から次の2つに大別できるが、「予測分析」と一般的にいう場合、これらの双方を包含するものになる。

  • 予測データマイニング ―― 過去のデータから将来を予測する
  • 記述的データマイニング ―― データのパターンを発見する

これまでは、アクセス解析などのWeb行動に関する分析というと、どちらかというと現状把握や要因分析といった「過去に起きた出来事」を対象としたものが中心であり、ともするとデータの測定手法ばかりが取り上げられがちだった。しかし、「データの蓄積」ではなく「データの活用」という本来の目的に立ち返りデータをアクションにつなげていくうえで、予測分析を取り入れていくことは不可避の流れだと考えていいだろう。

ジョン・ベイツ氏
プロダクトマネージャーのジョン・ベイツ氏

予測分析に関しては、すでにIBMやSASなど各社がソリューションを提供しており、実際のところは特段新しい分野ではない。それらの企業との差別化要素や特徴などについて、同社の予測マーケティングソリューションの指揮を執るジョン・ベイツ氏に伺った。

経済学や計量経済学、統計学を学んだベイツ氏は、予測分析を専門とするコンサルティンググループを立ち上げ4年間コンサルタントとしてグループを率いてきた後、現在はプロダクトマネージャーとしてDigital Marketing Suiteへの予測マーケティングソリューションの導入を担当している。

ベイツ氏は、現在のデータ分析業界における課題として、次のように指摘し、製品への意気込みを語った。

統計やモデリングなどに関する高度な知識や経験がないと統計ソフトや分析ツールを使いこなすことが難しい点だ。

私たちは、デジタルマーケターがそのような知識がなくとも、自信を持ってデータに基づいた判断ができるようなソリューションを提供していきたい。

IBMやSASなどの先行企業とのポジショニングの違いについては、他社が「リスク管理」「サプライチェーン」「医療分野」など幅広い領域を対象にしていることを挙げたうえで、次のように語った。

予測分析は、確かにオフラインではすでに利用されてきている分析方法だが、デジタルマーケティングの世界ではまだ一般的ではない。

アドビはコンテンツ制作から配信、データ測定までの一連のプラットフォームを提供するが、このポジションでの競合はいないと考えており、デジタルマーケティング領域におけるマーケターの業務支援にフォーカスしたソリューションを提供することで差別化を行っていく。

また、「データをアクションにつなげていく」という視点から考えるとアルゴリズムによる自動化に注目が集まりがちだが、それだけでなく、もっと大切なものがあるのだという。

自動化も大切だが、それ以上に「ビジュアル化」が大切だと考えている。データをビジュアル化されたストーリーにすることで、データの意味を理解するにとどまらず、アクションにつなげることができるようになるのだ。

予測分析の代表的な手法には「アソシエーションルール」「クラスター分析」「回帰分析」「時系列分析」などさまざまなものがあるが、このうち時系列分析に関するマーケティングダッシュボードのデモ動画が、サミット後に公開されていた。

その様子を解説すると(「ビジュアル化」というトピックを文字で表現するのも無理があるが)、ダッシュボード上には現在までのデータだけでなく、今後の収益予測が示され、画面横には収益に関連する指標とそれらの影響度が棒グラフで表示されているもので、同社がいかにビジュアル化に力を入れているかが一目でわかる動画だった。

また、収益目標に対するシミュレーションの機能も注目に値するものだ(たとえばソーシャルメディア経由での流入数の変動による収益シミュレーションなど)。サイト上での行動データからのシミュレーションだけでなく、株価や天気予報などの外部データも加味したシミュレーションも可能になると思われる。

予測分析では「特異値の検出や関連要素の自動抽出」に注目

ベイツ氏の講演した分科会では、Digital Marketing Suiteに盛り込んでいく予測分析の機能として、次の5つの分野が紹介されていた。

  • 特異値の検出や関連要素の自動抽出
  • ユーザースコアリング
  • ソーシャルパフォーマンス予測
  • クラスター分析
  • マーケティングミックスモデル

この中でも特に活用シーンが多くなると思われるものが、「特異値の検出や関連要素の自動抽出」だ。これは、さまざまなデータから「他とは異なる特異な変動をしている値」を自動的に検出し、さらにその指標と関連性の高いデータを特定する機能のことだ。

ベイツ氏のチームがコンサルティングを担当していたなかで実際にあったケースとして挙げていたのが、あるECサイトでの収益改善の取り組み事例で、次のようなものだった。

サイトで測定している膨大なデータに対するマイニングの結果、Google Chrome利用者は他のブラウザよりもカート放棄率が高い傾向にあることが判明した。

Google Chromeで表示した際のSSLエラーメッセージが要因のようで、対策を行った結果、1日あたり45万ドルの収益増につながった。

もちろん、こうした改善は予測分析がなくても可能だ。分析担当者がカート放棄率に着目し、さらにブラウザ別にデータを確認しさえすれば、同じような問題点に気づいたことだろう。しかし、データのレポーティングが運用業務として定型化すればするほど、さまざまなデータの中から他とは異なる変動を示す値(しかも主要なKPIに指定していない値)を見つけ出していくというのは、現実的には難しいことだろう。

さらには、数値の変動が統計的に有意な差を示すものなのかは、レポート内のデータを見るだけではわかりにくい。実際に、ベイツ氏も次のように指摘している。

企業内では、たとえばコンバージョン率が減少したというデータが示されても、それが許容範囲のものなのか、それとも何らかの対策を打つべきものなのかを即座に明確に切り分けることは難しい。そのため、原因を探ろうといたずらに時間を費やしてしまうケースは少なくない。

サミットのクロージングセッションではAdobe MAXでおなじみのSneak peeks(公開前のもののチラ見せ)が行われ、特異値検出のプロトタイプ版にあたるものが「Navigator」という名称で披露された。

SiteCatalyst上にある[Navigator]メニューをクリックすると、収集されたデータの中から他とは異なる特異な動きをしている指標を表示し、さらに関連性の高い要因をドリルダウンして把握できるようになっているものだった。

サミットで紹介されたものはあくまでも開発中のプロトタイプであり実際のサービス化が確約されたものではないが、おそらくSiteCatalystに近々実装されるものと思われる。

経験や勘から、その裏付けデータ、そして機会発見のきっかけに

経験や勘から、その裏付けデータ、そして機会発見のきっかけに

予測分析の重要性を語るうえでベイツ氏は「経験や勘からの脱却」を強調していた。

しかし実際には、単純に経験や勘を否定するのではなく、その裏付けとしてデータを扱うことも多いだろう。たとえば、アルゴリズムによって算出された収益予測や広告予算などの配分変更・追加投下を行うにあたり、それが担当者の従来の「経験や勘」に近しいものであれば自身の判断を裏付けるデータとして積極的に活用するといった具合だ。

問題は、示されたデータが担当者の経験や勘からかけ離れていた場合だ。そうしたときに、判断材料としてデータをどの程度採用していくかは、企業によって変わってくるだろう。

そのような意味からも、「予測分析」のデジタルマーケティング領域への適用の初期段階は、特異値の自動検出結果を基にした「課題や機会発見のきっかけ」としての活用やクラスター分析などの記述的データマイニングの利用を中心に進むのではないかと思われる。

いわゆるアクセス解析ツールは、これまでにも大きく進化してきている。その進化のポイントを整理してみると、大きく次の2点に集約できる。

  1. 測定可能な対象データの増加
  2. クロス集計やセグメンテーションなどのクエリー条件の多様化

特に1つ目については、ある意味で大きなシフトが発生している。アクセス解析の初期に対象としていたデータは、あくまでも「サーバー管理の観点からログファイルに記録していた」項目だった。たとえば次のようなものだ。

  • IPアドレス
  • URLごとの表示回数
  • アクセス時刻
  • 流入元
  • OSやブラウザ
  • など

しかし、その後アクセス解析は「マーケティングの観点から必要な情報を取得する」方向に進化し、次のようなデータを扱うようになっている。

  • 新規か再訪か(cookieの有無から判別)
  • どんな商品を購入したのか
  • 客単価
  • 購入点数
  • 受注実績に対する広告施策の貢献度
  • 会員登録時や購入完了などの特定アクション時におけるラベリングによるクラスタリング
  • など

下図は、レポーティング→分析→現状モニタリング→予測分析というように、対象データの時間という概念を踏まえた4種類の取り扱い方を図示したものになるが、測定データの増加やクエリー条件の多様化により大きく前進してきているとはいえ、現状はまだまだ下図でいうところのレポーティングの段階にあるのが大半だと思われる。

IDWIの「Predictive Analytics - Extending the Value of Your Data Warehousing Investment」(2007年2月)をもとにしたアドビ資料を編集部で日本語化

Web行動データに関する記述データマイニングや予測データマイニングの時代はこれからだといってよく、SiteCatalystやDiscover、Test&Targetなど同社の各製品での機能実装はこのような動きを牽引する上でも大きなターニングポイントになるといえるだろう。

ツールの予測分析を過信するな 人の介在は必須、なくなることはない

マーケティング目的の予測分析はまだまだ発展途上であり、しばらくは、ツールでは限定的なデータしか測定できないケースは多々あるだろう。そのため、ツールで測定できる範囲のデータを基にすべてを判断できるとは思わないほうがいいだろう。

とはいうものの、「測定のためのデータ取得」から「アクションのためのデータ取得」へ移行していくうえで、予測分析へのシフトは必須だといっていいだろう。そして、予測分析は今後マーケティングの重要な要素になり、ツール側の対応は今後さらに進んでいくだろう。

それでも大切なのは「人」であることに変わりはない。

アクセス解析では「データ測定の設計」というフェーズがあるが、そこがまだしっかりと成されていない例が多い。「企画意図があいまいなままデータ測定が設計される」「データ測定が企画段階に含まれていないため後付けとなる」「タグを貼っておけばよいという程度の認識でしかない」などのケースも、実はまだまだ多いのだ。

そもそも、どんなデータをどう測定するのか、測定したデータをどのように見るのかは、企画する側の「人」がしっかりと主導して考える必要がある。

制作の段階で目的が明確になっておらず、そのため目的に対する効果を把握するにはどのようなデータをどのように取得すべきかを検討するフェーズが抜け落ちたままサイトを公開し、その後、蓄積されたデータから何らかの洞察を分析担当が導出してくれる(だろう)という状況は、まだまだ散見されるのではないだろうか。

また、うまく設計して取得したデータを分析チームがどれだけ調べたところで、アクションを実行に移す部隊はまた別のはずだ。

つまり、どのような機能を備えたツールを導入するのかだけでなく、各担当の連携、つまり「チーム連携」も極めて重要なファクターなのである。

企画・制作・データ測定のワークフローが明確に定められていなかったり、それぞれが分断されていたりする組織もあるだろう。そうした状況を改善しないかぎりは、ツールを導入したとしても、データを踏まえたPDCAサイクルの実現は難しいだろう。

中島 直樹(なかじま・なおき)

ネットイヤーグループ株式会社
アナリティクス&オプティマイゼーショングループ アナリティクスチーム

2008年よりネットイヤーグループに参画。SiteCatalystのほか、GoogleアナリティクスやWebTrendsなどのエンタープライズ分析ソリューションを用いて、コーポレートサイトやECサイトにおけるユーザーセグメント別行動分析、キャンペーンサイトにおける効果検証などによるWebマーケティング支援やコンサルティングを手がける。

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ガイアックス、「Facebookページ」企業向け「Facebook活用支援サービス」をアイレップと開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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ソーシャルメディア関連事業のガイアックスは、「Facebookページ」を持つ企業向けの「Facebook活用支援サービス」を5月18日始めた、と同日発表した。検索エンジンマーケティングのアイレップと共同で実施する。ガイアックスのソーシャルメディア活用支援サービス「Fantastics(ファンタスティクス)」、ソーシャルメディア監視運用業務の一元管理ツール「PoF(ポフ)」と、「Facebook」に掲載されるアイレップの「Facebook Marketplace広告」を融合させ、集客と運営をサポートする。

広告、投稿監視・運用代行、「Facebookアプリ」のASP、Facebookファン解析ツールの各サービスを展開する。例えば、Facebookページでキャンペーンを展開する場合、ガイアックスのFacebook用キャンペーンアプリASPを使い、アイレップの広告運用サービスを提供する。Facebookページを保有する企業が増加する中、適切に運用して活用しないと効果が出ないうえ、業務に負担がかかってしまうことから、支援サービスを行うことにした。

ガイアックス
http://www.gaiax.co.jp/jp/

アイレップ
http://www.irep.co.jp/

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富士通、セミナー「トリプルメディアと企業内データの活用によるWebマーケティングの潮流」東京で6/7 [ニュース] | Web担当者Forum

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富士通は、企業のWebマーケティングやサイト担当者を対象にしたWebインテグレーション・ソリューションセミナー「トリプルメディアと企業内データの活用によるWebマーケティングの潮流」を6月7日に東京都港区で開催する。自社サイト、ソーシャルメディア、広告などペイドメディアの活用や、スマートフォン、タブレット端末などさまざまな機器への対応など、外部環境の変化に伴って複雑で高度になるWebマーケティングの戦略について解説する。定員40人、受講無料。サイトから申し込む。概要は次の通り。

日時:6月7日(木)午後2時半~同5時5分
場所:富士通トラステッド・クラウド・スクエア(東京都港区浜松町2-4-1世界貿易センタービル30階)
内容:「ネットとリアルが融合する新時代のマーケティング戦略~ソーシャルメディアやビッグデータで成果を上げるには~」「企業におけるソーシャルメディア活用法とは~開設・運用する際に知っておきたい具体的実務を事例で紹介~」「顧客の心に響くWebサイト運営~最新パーソナライゼーション技術と活用シナリオ~」
詳細・申し込みサイト:
http://fjid.jp.fujitsu.com/events/seminar/2012/06/12003886.html

富士通
http://jp.fujitsu.com/

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博報堂、世界の生活者調査「Global HABIT」のデータに基づくマーケティングレポートを販売 [ニュース] | Web担当者Forum

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博報堂は、経営情報提供・コンサルティングのWizBizが運営する中小企業経営者向けのビジネス情報サイト「WizBiz」内の専用ページで、博報堂独自の世界規模の生活者調査「Global HABIT」のデータを活用したマーケティングレポートの販売を始めた、と5月16日発表した。テーマごとに海外の生活者の意識を都市別に分析し、都市単位で提供する。進出を希望する国・都市で自社の商品・サービスが受け入れられる可能性があるか、を検討する資料になる。

海外マーケティングでニーズの高いテーマについて都市別、年代別、性別、年収別に詳細に分析した生活者データ・グラフ集となり、1都市3万円(税別)。第1弾として「アジア都市における日本製品イメージ」をテーマにした都市別分析レポート14都市分を掲載し、提供開始した。今後、年間5~6テーマを予定している。Global HABITは、欧米・中南米11都市、中華圏13都市、アジア・オセアニア10都市で実施している生活者調査。東京、大阪とも比較できる。

博報堂
http://www.hakuhodo.co.jp/

WizBiz
http://wizbiz.jp/

WizBizのGlobal HABITサイト
http://gh.wizbiz.org/

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本講座では、Webマーケティングの基礎となる、アクセス解析・ウェブ解析の基礎用語・定義をはじめ、データの分析の基本からホームページや集客の課題発見と改善手法、広告の費用対効果の測定・判別方法、計算方法までを習得し、事業の成果につながるホームページの運用方法をマスターしていただきます。

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[ユーザー投稿] SiteTracker、他ツールからの乗換キャンペーン実施[2012/9/30まで30%OFF!] | Web担当者Forum

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キーポート・ソリューションズは、 サーバログ型Webアクセス解析ソフト「SiteTracker 9」を、他社のWebアクセス解析ツールを利用しているユーザーを対象に、30%OFFで提供するキャンペーンを実施します。

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ウェブマスター進化論 コーポレートサイトに未来をもたらす仕事術 | 三菱電機 [【レポート】Web担当者Forum ミーティング2012 Spring] | Web担当者Forum

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【レポート】Web担当者Forum ミーティング2012 Spring

セミナーイベント「Web担当者Forumミーティング 2012 Spring」(2012年4月19日開催)の講演をレポートする。他のセッションのレポートはこちらから。

Web担当者Forumミーティング2012 Springのオープニングセッションには、三菱電機 宣伝部ウェブサイト統括センターの“スーパーウェブマスター”こと粕谷俊彦氏が登壇。成果の上がるコーポレートサイトをつくるために、ウェブ担当者はどんな仕事をすればいいのか、満席となった会場を前に、粕谷氏の仕事術が惜しみなく披露された。

進化するために身に付けるべき仕事術とは

粕谷俊彦氏
三菱電機株式会社
宣伝部ウェブサイト統括センター
コンテンツチームリーダー
粕谷 俊彦 氏

企業ウェブグランプリ・ベストグランプリ(2009年)、日本BtoB広告賞ウェブサイト部門金賞(2011年)など、コーポレートサイトとして多くの受賞歴を誇る三菱電機オフィシャルサイト。同サイトのウェブマスターが、粕谷俊彦氏だ。

粕谷氏によるとウェブ担当者のタイプは、集客系、分析系、構築系の3つに大別される。粕谷氏はこのうち、ウェブサイトをつくりあげていく「構築系」を主に担っており、具体的な仕事内容は次の4つだという。

  1. トップページや共通機能ページなどの「コンテンツ制作」(ちなみに個別の製品サイトに関しては、粕谷氏が所属する部署ではなく事業部門が担っている)
  2. サイト内検索機能や独自のサイトプリント機能、ユーザビリティ改善などの「サービス向上」
  3. コンテンツデータ管理や公開データ運用、問い合わせ対応などの「サイト運営」
  4. 管理要員育成やガイドライン作成といった「社内教育」

このようなバックグラウンドを踏まえたうえで、粕谷氏は本題である「コーポレートサイトに未来をもたらす仕事術」について話を進めていった。講演内容は具体例に富み、幅広いテーマについて言及されたが、ここでは主に「仕事術」や「チームビルディング」にフォーカスして紹介していく。

ウェブマスタートライアングル:意識すべき3つの要素

まず粕谷氏は、ウェブマスターとして重要視しているポイントとして次の3つを挙げた。

ウェブマスタートライアングル
  1. ユーザー視点(Human Centered Design)
  2. 構造最適化(Information Architecture)
  3. 検証と改善(PDCA)

粕谷氏はこれら3つの視点を「ウェブマスタートライアングル」と呼び、「常に意識しながら、三菱電機オフィシャルサイトを作っている」と話した。

ウェブを取り巻く世界は日々進化しており、ウェブマスターはその進化をキャッチアップし、自社のサイトをレベルアップさせていく必要がある。そのために粕谷氏が活用している社内ツールが、三菱電機の「デザインガイドライン」だ。年2回、春と秋に改訂しており、配色をはじめとする表現方法や、SEO、LPO、アクセシビリティなどについての指針を、一目でわかるようにビジュアルに記載している。このガイドラインの狙いは何か。

たとえば、注文住宅を建てるとき“適当に建てておいて”と大工さんに依頼する人はあまりいないでしょう。ウェブサイトも同じで、発注側が基本的なことをわかったうえで頼むのと、“全然わからないけどよろしく”と頼むのとでは、出来栄えがだいぶ違う。

ビジュアルでわかりやすいガイドラインを作成しているのは、発注側である弊社の社員に基本を理解してもらったうえで制作会社に発注してほしいからです。ガイドラインを通じて、ウェブサイト全体のレベルアップを図っていきたいと考えています。

デザインガイドライン

ガイドラインでは、基本をしっかりと理解してもらうため、技術的な要素を解説するだけでなく、その意義や背景についても説明されているのがポイントだ。

また、このガイドラインとセットで活用されているツールの「ウェブサイト制作ガイド」についても粕谷氏は説明した。

ガイドラインがルールブックだとすれば、ウェブサイト制作ガイドは制作指南書です。内容は、どんなふうに頼んだら、制作会社に成果の上がる良いサイトを作ってもらえるかを解説したもの。たとえば、発注前にターゲットユーザーを定義してウェブサイトの目的を絞ること、受注シナリオを考えるといった基本的なことを、40~50ページほどにまとめています。

Webサイトのレベルアップを図るためには、運営する社員のレベルアップも欠かせない。そのために社内で情報を共有し、基本を理解したうえで発注する体制を整える。このあたりが、粕谷氏の仕事術の土台になっているようだ。

スーパーウェブマスターの背景にある5つキーワード

次に粕谷氏は、Webサイトを進化させた具体例とそこから得た事例を3つ紹介してくれた。

1つ目の事例は、2006年8月に日本の企業サイトとして初めて導入したという「見える検索」を採用するまでのエピソードだ。見える検索とは、マーズフラッグが開発するキャプチャ画像付きのサイト内検索機能であり、現在では200社ほどの企業が採用しているという。

見える検索をサイト内検索に採用。打ち合わせを重ね、様々な機能追加も行ったという。

弊社の場合、冷蔵庫にしても家庭用から業務用までいろいろなものがあり、的確に選んでもらうための方法を考えていました。当時、大手検索ポータルがキャプチャ付きの検索機能を提供しているのを知り、同じことができないかと打診しましたが断られました。その後、イスラエルの会社とも交渉しましたが逃げられてしまった。いろいろ探している中で、たまたま目についたのが、日経新聞にマーズフラッグさんが出していた“見える!検索エンジン”の全面広告です。

粕谷氏はその広告を見て、マーズフラッグのサイトから問い合わせるが、当時は企業向けサービスとしては提供されておらず、最初はポータルサイト(検索エンジン)の運営で精いっぱいだからと、マーズフラッグに断られた。しかし粕谷氏はそこであきらめずに、1年ほどたってから再度打診をし、協力を得ることができたという。

教訓めいたことをちょっと言うと、ウェブマスターは油断できない仕事だと思っています。だからいつも“アンテナ”を張り巡らせて、新しいことをやるための気づきがどこかにないか探しています。“アンテナ”を張り、“アイデア”を温め、いい“アイカタ(パートナー企業)”を探さなくてはいけないということですね。

次の事例として粕谷氏が披露したのが、サイト上の必要なページだけをプリントしたり、PDF化したりできる「サイトプリント & e-BOOK」という仕掛けだ。たとえば、会社案内の一部のページだけを抜き出し、ページ順を変更し、目次をつけてプリント(PDF化)するといったことができる。

この機能は、PDFからデジタル書籍を自動作成するサービスを提供している日本デジタルオフィスという会社に粕谷氏から打診をし、実装に至った。ただ当初のバージョンは使い勝手が良くなかったため、ある書籍の対談で知り合った制作会社のワンパクの阿部淳也氏を交えて、根気よくブレストを繰り返しながら改善していった。現在ではスマートフォンにも対応している。

ここでの教訓は、“アジャスト”するということ。何かの仕掛けを自社のサイトに“アジャスト”していくこともそうだし、個性のある会社を“アジャスト”しながらうまく操っていくことも大事です。日本デジタルオフィス社長の濵田潔さんも、ワンパクの阿部さんもとても個性的な方たち。一緒に仕事をさせてもらって日々楽しいですね。

そして3つ目の事例が、トップページのリニューアルだ。三菱電機オフィシャルサイトは2001年から現在までに6回のリニューアルを実施している。マルチデバイスにも対応しており、2011年には冒頭でも紹介した日本BtoB広告賞の金賞(ウェブサイト部門)を受賞している。

粕谷氏が企業サイトの総合トップページが備えるべき要件として定義しているのは、次の3点だ。

  1. 企業の表看板としての品格と先進性
  2. あらゆる人が扱える操作性とアクセシビリティ
  3. だれからも反感を持たれない表現と機能

ではこの要件を満たしつつ、どのようにリニューアルを進めているのか。コアになるのはPDCAサイクルだが、特にPLAN(企画)の部分は1年間をかけ、チーム全体で「一歩先行くサイト」を目指して企画案を練り上げていっているという。

何らかの要求があり、それに対応していくのがウェブ担当者の「通常の仕事」。しかし、リニューアルのような「特別な仕事」では、そうした通常の仕事のやり方を踏襲しても突き抜けたサイトは作れない。そこでリニューアル企画のキックオフ時に、粕谷氏が最初に行うのが、「世の中のすごいサイトを1人10個挙げてきて、みんなで紹介し合う」ことだ。決められた枠組みの中で企画するのではなく、まずは制約を取り払ってあらゆる可能性をさぐり、ブレストを繰り返しながらブラッシュアップし、オリエンシートに落とし込んでいく。

トップページリニューアルでの教訓は“アジャイル”です。オリエンシートを基に制作に入ってもらった後は、制作の50%、70%、90%の各段階で検証・フィードバックを行っています。その後、ベータ版を実際に公開し、ユーザーからの反応を見ながら完成度を高めていきます。2010年のリニューアル時は、ベータ版の段階でFlashをなくし、トリプルスクリーン対応しました。アジャイル開発で新しいことに対応しながら、最後のゴールにたどりつくようにしています。

これら5つのキーワード、「アンテナ」「アイデア」「アイカタ」「アジャスト」「アジャイル」が粕谷氏の仕事術の柱になっている。

学び、進化し、中心になってチームをまとめていく

最後に粕谷氏は、「チームビルディング」についてもまとめとして話してくれた。まず大きな流れとしてあるのが、チームの作り方の変化だ。

従来は広告代理店に頼むと、キャンペーンを一通り全部やってくれました。代理店からテレビ局や制作会社に、垂直的に仕事が下りていくイメージです。

しかし、ウェブについて言えば今は一社ですべてをまかなえる時代ではない。最近では僕自身が中心になって、すごい会社があれば、自分でその会社に依頼するというやり方で仕事を進めています。

協力会社には、“すごいことをやろうとする人に応える”という姿勢を持ってもらうことが大事。そのために、僕自身もInformation Architectureの国際会議(IA Summit)に参加するなど、新しい知識や正しいノウハウを身に付ける努力をしています。

加えて粕谷氏は、チームビルディングを行ううえで、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションを意識的に取り入れていることを伝えた。

粕谷俊彦氏

プロジェクトをメールだけで推進しようとすると、だんだんと不一致が起こってきます。ですからプロジェクトでは、必ず週1回、パートナー企業全社を集めて“サミット”と呼んでいますが、全体の調整をやる。顔を合わせるコミュニケーションは、デジタルな時代でも結構大事だと僕は思っています。

パートナー企業選びは、恋人選びと一緒。いいパートナー企業を選んで、お互いを大事にしながらいい仕事をして、日本のウェブを盛り上げていきたい。セッションをこのように締めくくる粕谷氏に対し、会場から大きな拍手が寄せられた。

【取材・執筆】
モジカ
担当:鶴田修朗(スクリプトLLC 代表)

講演、音声、動画などのコンテンツをテキスト化し、情報を利用・加工・検索・共有しやすくするサービスを提供している。

http://www.moji-ca.net/

【撮影】
株式会社Lab
鹿野宏、石川恵愛

http://www.hellolab.com/

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動画コンテンツによるリンクビルディング #2 タイトル・metaタグ、サイトマップ、共有、埋め込みなど [SEOmoz - 検索マーケティングのニュース&テクニック] | Web担当者Forum

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[海外情報]
SEOmoz
検索マーケティングのニュース&テクニック

この記事は、3回に分けてお届けしている。動画コンテンツのSEOメリットや動画の投稿場所、動画以外のテキスト要素などの情報をお伝えした前回に引き続き、今回も、動画でリンクを獲得するためのヒントを見ていこう。

「動画コンテンツによるリンクビルディング17のノウハウ」目次

タイトル、meta descriptionタグ、ファイル名

動画のタイトルは、効果的かつキャッチーで口コミ効果が期待できるものが望ましい。キーワードを含められれば理想的だが、タイトル自体の質を損なってはいけない。ブログ記事にすばらしいタイトルを付けることで培ったスキルを総動員して、動画に応用するといい。

ユーザーが検索する際には、「video」(動画)という単語は検索語句の最後に来る傾向があることを知っておこう。

※Web担編注 英語の場合

適切なタイトルを作成しようとする際に、ターゲットとするキーワードの一部と「動画」という単語について若干のキーワード調査をやってみても損はしない。YouTubeには独自のキーワード調査ツールが用意されている

YouTubeキーワードツール

このデータは、動画の愛好者たちが一般的にどういったキーワードを使って検索しているのかを示しているので、ユーザーが自分で動画をホスティングしている場合でもこのツールが使える。

こうした類の調査を事前に行っておくと、タイトルでもmeta descriptionタグでも、多くのトラフィックが稼げるキーワードをターゲットにするのに役立つ。YouTubeやその他の動画ホスティングサービスを通じて動画をホストする場合には、適切な「タグ」も必ず設定しよう。

動画(YouTubeを使うにせよ使わないにせよ)の説明は、meta descriptionタグと同様に扱う。キーワードは使うべきだが、使い過ぎないように。この動画が視聴者にとって関連性が高く、見る価値があると説得できる文章を書こう。グーグルのユーザーがmeta descriptionタグ内にあるのと同じキーワードを使って検索した場合、検索エンジンの結果ページ(SERP)でその語句は太字で表示される。

動画のファイル名は、画像の場合と同様に、キーワードを適度に含み、各単語をスペースでなくハイフンでつないだ名称にすべきだ。

動画用スキーマの利用

今のところ、グーグルがリッチスニペットなどで扱う構造化データとして、動画用のスキーマデータをどのようにして選択するのかははっきりしていない。プロトコルは存在しているが、グーグルは現時点では考慮していないようだ。

schema.orgが推奨する動画オブジェクト用のごく基本的なスキーマだけでも早めに導入して、将来に備えておくのも悪くないだろう。

動画サイトマップの作成

サイト上の動画が増え続けていっても、グーグルがすべての動画をクロールしてインデックス化することが重要だ。これを確実なものにするには、動画サイトマップを作成するといい。

動画サイトマップは通常のサイトマップとほぼ同様だが、動画の場合、主に各動画のURLを示し、再生時間やファミリー向けかどうか(はい/いいえ)などの追加プロパティを添えるだけだ。

フィル・ノッティンガムが初心者向けとして簡単なテンプレートを2つ作ってくれた。また、グーグルの「動画サイトマップの作成」をチェックすること(一部の解説は英語版にしかない場合もある)や、ニーズに応じてWordPressのプラグインを導入することも、怠らずにやっておきたい。

YouTube用動画サイトマップのテンプレート
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9"
        xmlns:video="http://www.google.com/schemas/sitemap-video/1.1">
<url>
  <loc>http://www.yourdomain.com/page-containing-video</loc>
  <video:video>
    <video:thumbnail_loc>http://www.yourdomain.com/thumbnail-image</video:thumbnail_loc>
    <video:title>動画のタイトル</video:title>
    <video:description>動画のmeta description</video:description>
    <video:content_loc>http://www.youtube.com/v/VIDEOID</video:content_loc>
    <video:duration>300</video:duration>
    <video:publication_date>2012-02-29T18:30:15+00:00</video:publication_date>
    <video:family_friendly>yes</video:family_friendly>
    <video:tag>Target Keyword 1</video:tag>
    <video:uploaderinfo="https://plus.google.com/userid">Name</video:uploader>
    <video:live>no</video:live>
</video:video>
</url>
</urlset>
自分でホスティングしている場合の動画サイトマップのテンプレート
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9"
        xmlns:video="http://www.google.com/schemas/sitemap-video/1.1">
<url>
  <loc>http://www.yourdomain.com/page-containing-video</loc>
    <video:video>
    <video:thumbnail_loc>http://www.yourdomain.com/thumbnail-image</video:thumbnail_loc>
    <video:title>動画のタイトル</video:title>
    <video:description>動画のmeta description</video:description>
    <video:player_loc allow_embed="yes" autoplay="ap=1">http://www.yourdomain.com/videoplayer.swf?video=url</video:player_loc>
    <video:content_loc>http://www.yourdomaincom/video-url.mp4</video:content_loc>
    <video:duration>300</video:duration>
    <video:publication_date>2012-02-29T18:30:15+00:00</video:publication_date>
    <video:family_friendly>yes</video:family_friendly>
    <video:tag>Target Keyword 1</video:tag>
    <video:uploaderinfo="https://plus.google.com/userid">Name</video:uploader>
    <video:live>no</video:live>
</video:video>
</url>
</urlset>

動画サイトマップは、作った動画がグーグルのインデックスに確実に含まれるようにするだけでなく、SERPに表示する動画のサムネイル画像をグーグルに提供し、ひいてはクリックスルー数を増やすのに役立つはずだ。

念のため、robots.txtファイルに次のような1行を追加し、新しい動画サイトマップの場所を明示しておくといい。

sitemap: http://yourdomaincom/video_sitemap.xml
※上記の「http://yourdomaincom/video_sitemap.xml」の部分を、自分の動画サイトマップのURLに書き換えること

その他の技術的な考察

iFrameについては、使いたい誘惑にかられるかもしれないが、グーグルがクロールしない可能性が高いので避けた方がいい。できればHTML5の動画プレーヤーを使い、フラッシュ動画を代替策とする。

ページを開いた途端に(訪問者が何もしないのに)けたたましい音を鳴らす動画には、誰も好感を持たない。自動再生を無効にし、ユーザーエクスペリエンス(と鼓膜)についてはユーザー側で制御できる部分を増やそう。

そして最後に、HD画質と標準画質をユーザーが選択できるようにするのなら、デフォルトをHD画質に設定しておくのをお忘れなく。ユーザーは高画質に切り替えるオプションがあることすら知らないかもしれないので、最高画質の動画を前面に押し出すのは当然だよね?

視聴者を理解するためのブレインストーミング

Rand-Win-Kitten

あるマーケティングコンテンツの価値は、露出量、注目度、そしておそらく最終的にそのコンテンツが集めるリンクの数によって決まる。

一生懸命努力したことがすべて水の泡にならないように、自分の動画に関心を持ちそうな人々やパブリッシャについて、ブレインストーミングの時間をある程度持とう!

自分が知っている最も優秀な人たち(乗り気であろうがあるまいが)を呼び集めて、潜在的なターゲット層をどんどんリストアップしよう。動画の視聴者を理解し、重要なインフルエンサー(ソーシャルメディアで大きな影響力を持つ人)にとって訴求力のあるコンテンツが何かを知ることは、さらなる訴求を獲得するための活動全体に恩恵をもたらすだろう(右の画像を参照)。

共有しやすくする

リンクを集めたい動画ページにソーシャルメディアのアイコンを設置しろなんて、言うまでもないことのはずだが、WordPressを利用している場合は、Digg Diggというプラグイン(Mashableと同様のソーシャル共有用フローティングバーを提供する)、またはShareholic(すでに目にしたことがあるかもしれないが、「Sharing is Sexy」、つまり「共有はセクシーだ」というバナーを表示する)の利用をお勧めする。

基本的な機能が欲しいだけなら、TwitterFacebookグーグルから直接適切なコードを入手するか、AddThisというウィジェットをページに設置するといい。

※Web担編注 ただし、外部サーバーから提供されるスクリプトを利用する場合は、表示パフォーマンスとセキュリティには十分に注意すること。

埋め込みできるようにする

YouTubeで動画をホスティングしている場合は、パディ・ムーガン氏のガイドを参照して、YouTubeが提供している埋め込みコードから少しでもリンクが確実に得られるようにしよう。

※Web担編注 要は、埋め込みコードにサイトへのリンクを加えたものを推奨埋め込みコードとして提供するというもの。自動化ツールも作られていて、フォームに「YouTubeから提供された埋め込みコード」「追加したいリンク先URL」「そのリンクのアンカーテキスト」を入力してフォームを送信するだけで埋め込みコード提供用のHTMLが作成される。

自分のところで動画をホスティングする場合は、埋め込みコードがユーザーにきちんと提供され、元の動画ページに戻るリンクが含まれるようにしておくことが必要だ。このコードは、ユーザーが簡単に見つけてコピーできるよう、iFrame内に置くとよい。Distilledのジェフが埋め込みコードの工夫に関するヒントを紹介する記事を投稿している

こうした埋め込みコードは、公開する前に、さまざまなプラットフォームでちゃんと使えることを二重三重にチェックしておく。お金を掛けたインフォグラフィックに配置した埋め込みコードが3日間も役に立っていなかったと知ったときにウェブマーケターが味わう挫折感を知っていれば、僕の言っていることがよく分かるだろう……もちろん、僕にはそんな経験なんてないけどね!

ウェブマスターやブロガーの中には、君の動画ページに直接リンクするのではなく、動画を埋め込みたいと考える人たちもいる。だから、その埋め込みコード内部のソースに、サイトに戻るリンクを必ず含めよう。

コメントを許可する

コメントは、キーワードを豊富に含んだユーザー生成コンテンツをページ上に構築する優れた方法だ。良質の動画ほど、会話のきっかけとしてうってつけのものはない。

さらに、機知に富んだ笑いを誘うような非常に独創的なコメントを残した訪問者は、誰かがそれに返信を付けてくれたかどうかを確認したいがために、君のサイトを繰り返し訪れるようになる。コメントに返信があったらメールでお知らせするようなシステムを作っておくと、さらに効果的だ。Wordpressのコンテンツ管理システムを運用しているのなら、Comment Reply Notificationがそういう作業をやっくれる。

会話に参加しないユーザーがいたとしても、ページ上にユーザー同士の本物のやりとりが残っていれば、ページの魅力やオーソリティが高まる。これは、YouTubeで星の数による評価やコメントが動画の人気を支えてくれるのと同じことだ。

多くの場合、ユーザーは動画の制作者が会話に参加するのを非常に喜ぶ。だから、恐れずに会話に飛び込んでいってほしい。多少不安があるかもしれないし、確かに僕自身だって「Internet Dickwad Theory」(インターネットでは「普通の人々が匿名性と観衆を得て愚かな行為に走る」という主張)を大いに信奉しているけれど、コンテンツの作成とユーザーの関与、そしてそこから生まれる魅力が持つメリットは、開かれた議論の場を管理する責任に伴う不愉快な出来事よりもはるかに大きいと考えている。

ある動画が賛否両論を呼んであまりよろしくない反応が書き込まれた場合や、何らかの理由で自分の動画にはコメントをしてほしくない場合、コメントを許可するかどうかはいつでも自由だ。しかし僕の経験から言えば、コメントは、人々を何度も見に来させてくれるすばらしい手段だ。

3回にわたってお届けしているこの記事も次回が最終回となる。次回も引き続き、動画コンテンツによるリンクビルディングのヒントをご紹介する。 →第3回を読む

この記事は、Daily SEOmoz Blog に掲載された以下の記事を日本語訳したものです。
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原文:「Building Links with Video Content」by Jacob Klein(2012/03/25)
記事セレクション:渡辺隆広株式会社アイレップ) 翻訳:株式会社ガリレオ
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