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「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、
国内と海外の検索マーケティング関連情報を
さらっとまとめて毎週金曜日にお届けします。
場所や地域に関するローカル検索では、店舗に対して書き込まれたレビューもランキングの評価要因になっていると考えられる。そこでレビューを顧客に書き込んでもらうためにインセンティブを与えることは許されるのだろうか?
米グーグルの社員がこの疑問に対して答えた内容を、渡辺隆広氏がブログで教えてくれた。米シアトルで開催されたローカルサーチ専門のワークショップでのQ&Aだ。
Q) 顧客にレビューを書かせたいのだが、何が良くて何が悪いのかわからない。たとえばインセンティブを与えてレビューを書いてもらうことは問題ないのか?
A) ポジティブなレビューを購入することはNG。ポジティブなレビューを促すこともNG。しかし(多くの顧客に)レビューを書いてもらうようインセンティブを与えることは問題ない。
渡辺氏は次のようにまとめている。
目安として「(ポジティブ・ネガティブ問わず)レビューを書いてもらうよう促すことは良いけれども、”ポジティブなレビューを促す、購入する”ことはNG」という基準を提示してくれました。
率直な評価を書いてほしいと頼むことは問題ないが、良い評価を書いてもらうように頼んだり、良い評価に見返りを提供したりすることは好ましくないようだ。
こちらも上記と同様のトピックなので、まとめてピックアップ。
会員制のサイトを始めたばかりです。SEO担当者から、こんなアドバイスを受けました。
「サイトの会員がリンクを張りたくなる仕組みを作るといい。たとえば、会員サイト内の自分のプロフィールページに対して自分がもっているサイトからリンクを張った場合に、特典としてメンバーリストに写真を掲載できるようにするという方法だ」
これはガイドライン違反になりませんか?
このような質問がグーグルの英語版ウェブマスター向け公式フォーラムで投稿された。特典を与える代わりに会員が所有するサイトからリンクを集めようという目論見があるようだ。
グーグル社員のジョン・ミューラー氏は、次のように回答した。
そんなふうに要求してPageRankを渡すリンクを集めることには強く反対する。自然なリンクではないし、我々のアルゴリズムはそういったリンクを望んでいない。
それにユーザーがみんな自分のウェブサイトを持っているとは限らないから、やや不公平ではないだろうか。どうにかしてユーザー自ら推薦したりリンクしたりしたくなるようにするべきであって、特典を条件にすべきではない。
前出の、肯定的なレビュー獲得のトピックもそうだが、インセンティブを与えることでリンクを獲得するのは、たとえお金が絡んでいないとしても好ましくないようだ。
「リンクを張ってサイトを紹介してくれたら割引クーポンを差し上げます」とやりたいところなのだが、ガイドライン違反に問われる危険がありそうだ。
日本語で読めるSEO/SEM情報
無料のブログやホームページを利用する際に注意すべき点を、グーグルのウェブマスター向け公式ブログが説明した。
今回テーマに挙がったのは次の2点だ。
- スパム行為が行われていないか
無料サービスによくあることなのですが、そのドメインがスパムだらけになってしまっている場合があります
複数のユーザーが共有しているドメイン全体に渡ってガイドライン違反の状態が顕著に見られる場合には、そのドメイン全体がガイドライン違反と判定される可能性があります
- ウェブマスター ツールを利用できるか
ウェブマスター ツールの機能を利用するには、サイトの所有者であることを確認 する必要があるのですが、一部のサービスではこの確認作業が行えない仕様になっているケースがあります。
詳細は参照元を読んで確認してほしい。
ちなみにグーグル日本のオリジナル記事になる。こういう日本独自の情報を提供してもらえるのは非常にありがたい。
筆者がグーグルの社員に確認したところによると、ページの表示速度は米グーグル(google.com)だけでなく日グーグル(google.co.jp)を含むグローバルでランキングの指標としてすでに採用されているとのことだ。
これを聞くと、「検索順位を上げるためにページ速度を上げなければならない」と思ってしまいたくなる。しかし、ページ速度はSEOのためのものでは決してなく、SEOに関係なく重要であると辻正浩氏が力説している。
詳しいことは記事を読んでいただくとして、ウェブサイトの高速化には積極的に取り組むべきである。しかしそれはSEO上のメリットを求めるためではないことを理解しておきたい。
サイトを訪問したユーザーがどこからやってきたかを示す情報を「リファラ(Referrer)」と呼び、Googleアナリティクスでは「参照元」と「メディア」の組み合わせでレポートされる。
ところが、リファラはどんな場合でも取得できるとは限らず、本当ならばどこかのリンクをクリックしてきたアクセスなのに「ノーリファラ(No Referrer)」だと判定される場合がある(Googleアナリティクスでは「(direct) / (none)」として通常レポートされる)。
本来ならばリファラ情報があるはずなのにノーリファラになるケースも含めを、「ノーリファラ」になるパターンを、こちらの記事では13種類挙げている。
- ブラウザのブックマーク(お気に入り)からの場合
- ブラウザの閲覧履歴からの場合
- ブラウザのアドレスバーに直接URLを入力した場合
- ソフトウェアやアプリケーションのリンクからの場合
- httpsページからhttpページのリンクからの場合
- セキュリティソフトで誘導元の情報を送信しない設定にしている場合
- ブラウザの設定で参照元情報を残さない設定にしている場合
- メール(ウェブメールを除く)のリンクからの場合
- Flashコンテンツ(Flashバナーも)内のリンク機能からの場合※
- metaタグによるリダイレクト(metaリフレッシュ)などの場合
- 広告配信システムを使って配信する広告からの場合※
- スマートフォンアプリからの場合
- QRコードからの場合(主に携帯サイト)
※Web担編注
- 上記に示した色分けは、元記事にはないが、同種の理由を同じ色でグループ化したもの。
- 上記でも、実際にはブラウザの種類やバージョンなどの環境によって必ずしもノーリファラになるとは限らない。たとえば、「広告配信システム」「Flashコンテンツ(Flashバナー)」に関しては、一部の環境を除いてリファラが渡ることが多い。
ノーリファラのアクセスは、ユーザーがどこ経由でやってきたかわからないため、アクセス解析においては厄介といえば厄介な存在だ。
Web担では、アクセス解析のプロフェッショナルの衣袋氏がもう少し大きなくくりで分けた「ノーリファラの8つのパターン」を以前に説明している。そしてここではノーリファラが必ずしも悪いことではないとも語っている。ピックアップ元の記事を読んだ後に衣袋氏の記事も読みなおすといいだろう。
補足だが、Googleアナリティクスの場合はキャンペーントラッキング用のパラメータをURLに追加すればメーラーやQRコードなどからのアクセスでも参照元情報を取得することは可能だ。
開設して間もないブログでアクセス数を増やすにいたった経緯を解説した記事。実績を残している以下の7つの教えを忠実に実行したとのことである。
- 毎日当たり前のように記事をアップする
- Googleアナリティクスで最適な投稿時間を見つける
- ソーシャルメディア経由のユーザーの特性を考える
- タイトルは徹底的にわかりやすくする
- 読みやすさを最重視する
- コメント付きの関連リンクをつけて平均閲覧PV数をあげる
- いつでも記事を書けるようにブログ環境を整える
ブログを始めたのにいっこうにアクセスが伸びないと悩んでいたら参考になるかもしれない。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
グーグルが5月に実行した検索品質改善と最新のローカルSEO情報を今週はピックアップ。
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
- 被リンクなしでもSEOで成功できるか?
- 相互リンクは悪くない
- アフィリエイトにリンクにはnofollowを付けるべきなのか?
- ユーザーの離脱を助長する、やってはいけない3つの施策
SEO Japanの掲載記事からピックアップ
- リンク構築に関する七つの大罪
- コンテンツマーケティングを成功に導く10のチェックリスト
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
次のような質問がWebmasterWorldフォーラムで投稿された。
有益なコンテンツが書かれていて、内部リンクのアンカーテキストなどの内的SEOが上手に構成されていたとする。
こういうサイトならば、被リンクをたくさん集めていなくてもグーグルの検索結果で成功することはできるだろうか?
何人ものフォーラムメンバーが異口同音に「できる」とコメントを残している。
「成功」の定義にもよるし、強豪がひしめくビッグキーワードでは被リンクなしで上位表示するのは難しいだろう。しかしロングテールキーワードでのトラフィック狙いや質の高い少数のリンクを集めるなど、リンクの数に頼らずに成功を収めることは十分可能なはずだ。
少なくとも、単にリンクの数を増やすことだけがSEOで成果を上げる手法ではないと断言することはできる。
相互リンクは悪くない
★★★☆☆ 良いサイトをお互いに紹介しあうのが本当の相互リンク (Google Webmaster Help Forum)
相互リンクについてグーグル社員のジョン・ミューラー氏が公式ヘルプフォーラムでコメントしている。
サイトに相互リンクページを設置すること自体は、何も問題ない。特に他のコンテンツと同様にユーザーに対して関連性があって役に立つのならなおさらだ。
ウェブマスターガイドラインで禁止しているのは、リンクプログラムの1つとしての相互リンクだ。
グーグルは、相互リンクそのものをガイドライン違反だとみなしているわけではない。リンクを集めることだけが目的でユーザーにとって何ら価値をもたらさない相互リンクを禁止しているのだ。
自分のサイトのテーマと何の関連もないサイトへのリンクだけを羅列するだけの相互リンクページを見たことがあるはずだ。あるいは持っているかもしれない。問題になるのは、こういった相互リンクだ。
紹介するに足る有益なサイト同士であれば、相互リンクはユーザーに利益をもたらすのだから、検索エンジンが嫌うはずがない。
グーグルのマット・カッツ氏がグーグル検索に関するさまざまな質問に答えた。
米シアトルで6月5日・6日に開催された「SMX Advanced」という検索エンジンマーケティングのカンファレンスの基調講演でのやりとりだが、そのなかでアフィリエイトのリンクに関する応答があり、そのシーンを主催者がYouTubeに公開した。
マット・カッツ氏は次のように説明している。
アフィリエイトリンクに関しては、その大部分を我々は適切に処理している。アフィリエイトネットワークが十分に大きいものであれば、我々はちゃんと把握して処理できるからだ。
それでも、アフィリエイトでお金を稼いでいてやっぱり心配なら、一歩踏み込んでnofollowを付けるのもいいだろう。
アフィリエイト目的のリンクは、一般的には報酬が目当てで張っているのであって、リンク先サイトを純粋に紹介するものではない。したがってnofollow属性を付けたほうがいいとも言われる。
しかし、実際にはあまり気にする必要はなさそうだ。不安ならば念のためにnofollowを付けておけばいいだろう。
ユーザーの離脱を助長する、やってはいけない3つの施策
★★★★☆ 「こんなサイトからは退散」の例 (Rand Fishkin (randfish) on Twitter)
SEOmozのランド・フィッシュキン氏が、サイトで顧客を獲得することを大きく阻害する3つの行為をツイッターで指摘した。
- 素材集の写真を会社案内ページで使う
- ユーザー登録を強制する
- ビデオだけのデモンストレーション
1つ目は、イメージを良くするために“作られた”写真を使うのではなく実際の写真を使ったほうがいいということだ。
2つ目は、たとえばECサイトで購入するためにユーザー登録しなければならないのは確実に離脱を促進することを示す。
3つ目は、商品やサービスの紹介がビデオだけで図や文字がないとビデオを見たくないユーザーは去ってしまうという意味になる。
SEO Japanの
掲載記事からピックアップ
ペナルティを誘発しそうな不適切なリンク構築とSEOにも重要になってきているコンテンツマーケティングについての記事を今週はピックアップ。
鈴木 謙一(すずき けんいち)
フリーランスのインターネットコンサルタント。アメリカを中心としたSEO/SEMのコアな情報を日本に持ち込み、「海外SEO情報ブログ」で“海外SEO”のブランドを確立。サーチエンジンマーケティング専門ソーシャルニュースサイトSphinn(スピン)の公式日本版であるサービス「Sphinn Japan」立ち上げメンバーでもある(Sphinnの本家はMarketing Landとなり編集記事中心へと路線変更している)。
現在は、株式会社セルフデザイン・ホールディングスの取締役コンサルティングアドバイザーとして、SEOの情報収集やトレーニング、海外のSEOカンファレンス参加などを通じて正しいSEOの普及に取り組んでいる。
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